2018年4月、シンガポールで「取引手数料無料」の仮想通貨取引所『ABCC取引所』がローンチされ話題になりました。
 

2018年8月3日にはABCC取引所のモバイルアプリもダウンロードできるようになりました。

ダウンロード

2018年8月には、取引所取引高の世界ランキングで20位以内に入った、同取引所の人気の秘密にせまります!
 

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「取引手数料無料」のしくみ

「取引手数料無料」は、取引所の利用者が支払った取引手数料の100%が、ABCC取引所が発行する取引所トークン=ATで払い戻される、という形をとっています。

 

「取引所トークン」とは、その取引所が独自に発行するトークンのことです。

 

「トークン」とは、既存のブロックチェーンプラットフォームを利用して発行される商品券のことです。

 

つまり、ABCC取引所が発行する商品券(取引所トークン)の名前が「AT」ということです。

 

仮想通貨が「通貨」であるのに対し、取引所トークンは「商品券」なので、性質が少し異なります。

 

有名なのは、バイナンス取引所が発行する取引所トークン=BNBです。

 

取引所トークンは、いつでもすぐに他の仮想通貨に換金でき、個人投資家に人気の高い「金融資産のストック手段」となっています。

 

実際、バイナンス取引所のBNBは、価格が当初の200倍以上にまで高騰しました。

 

取引所トークンは商品券なので、発行元の取引所にとっては原資が必要とならず、利用者にとっても取引手数料が還元されるわけですから、双方にメリットのあるしくみといえます。

 

「取引手数料無料」から「取引マイニング」へ

 

好評だったABCC取引所の「取引手数料無料」ですが、2018年7月には「取引マインング」へとサービス内容が変更となりました。

 

「取引マインング」とは、「取引」自体を「マイニング」(トークンの採掘)に見立て、そのマイニングに対する報酬として、ATトークンを付与するシステムです。

 

具体的には、取引手数料が「無料」から「0.1%」となり、そのうち「80%」がATトークンで払い戻される計算です。

 

「取引所トークン」の席巻

 

「取引所トークン」は、ABCC取引所のATトークンや、バイナンス取引所のBNBトークンだけではありません。

 

Huobi取引所のHTトークン、OKEx取引所のOKBトークン、QUOINEX取引所のQASHトークン等々、世界的な取引所であれば、むしろ発行する方が普通となっています。

 

それは、先に述べた通り、取引所と利用者の双方にメリットのあるしくみだからです。

 

当初は「商品券」的な性質の強かった取引所トークンですが、制度的な進化や、各取引所間のサービス競争により、現在は「株券」的な性質が強まっています。

 

それは、

 

  • 投票権の発生
    トークン保有者には、限定的ではありますが、取引所経営における意思決定への参加が認められます。
    たとえば、新規に取引所に上場させる仮想通貨の銘柄の決定等です。
  • 利益配当請求権
    トークンの保有者には、取引所の利益に対する配当の請求権が与えられます。
    公正を期すため、多くの場合、利益配当額は「取引所の手数料収益の一定割合」に定められます。
  • 消却(=焼却=バーン)の実施
    取引所は、一定期間毎または随時に取引所トークンを自己取得し、償却を行います。
    取引所トークンを濃密化させるために行われるこの行為は、株式における「株式償却」に似た制度です。

 

上記の3つの性質は、「商品券」にはなかったものです。

 

取引所トークンは、従来は「商品券」のようにすぐに他の仮想通貨に交換されてしまうことがほとんどでした。

 

しかし、これらの性質の変化により、取引所トークンは「株券」のように、配当を受け取り、投票権を行使することを目的に、長期保有されることが多くなったのです。

 

「取引所トークン」の長期保有は、長期的な資金調達が可能となる取引所にとっても、長期的にみて、より大きな売却益を望める利用者にとっても、双方にとってメリットが大きいシステムです。

 

2018年8月現在、取引所トークンが仮想通貨業界を席巻しているゆえんです。

 

ABCC取引所の特徴

 

ATトークンを発行しているABCC取引所とは、どんな取引所なのでしょうか?

 

ABCC取引所は、2018年4月に設立された、世界有数の金融先進国・シンガポールを本拠とする取引所です。

 

ABCC取引所は、新興の取引所ながら、2018年8月時点で、世界の取引所の取引高ランキングで20位以内に入る健闘を見せています。

 

ABCC取引所の創業者カルビン・チェン氏は、シンガポールの著名な実業家です。同国で国会議員を務めたこともあります。


 

取引所トークンの性質や、取引所サイトやアプリのインターフェイスは、先行のバイナンスを強く意識していることがうかがえます。

 

取引所トークンを発行する取引所の中で、他の取引所に対してより魅力的といえるのは、

 

  • 手数料還元率の高さ
  • 長期保有が有利となる配当システム
  • ATトークンの価値を向上させるしかけ
  • 取引所の伸びしろ
  • マルタへの進出


 

ということになりそうです。

 

ATトークンの魅力

 
ATトークンの基本情報

トークン名 AT
発行上限 2億1000万枚
運営者保有割合 50%(1億500万枚)
入手方法 ①取引マイニング
②BTCで購入
公式ホームページ 公式ホームページ
ロックアップ期間
ハービング

 

手数料還元率の高さ

 

ATトークン付与による手数料還元率は80%で、業界最高水準となっています。

 

これがまず最初の魅力です。

 

長期保有が有利となる配当システム


 

ATトークンの付与により手数料が還元される際は、実は、「利用者が支払った手数料の80%」が単純に払い戻されるわけではありません。

 

その際の特殊な計算方法こそがATトークンの特徴であり、ATトークンを長期保有する動機付けとなっています。

 

それは、

 

  1. i) 1ブロック(6時間)ごとに付与されるATトークンの総数は、そのブロック期間中に得られた取引所の手数料収入の80%を、ATトークンの時価で割った枚数となる。

 

  1. ii) その枚数が利用者に対して、ブロック期間中の「取引量」に応じてではなく、ブロック期間中の「AT保有量」に応じて分配される。

 

というものです。

 

「AT保有量」に応じて分配される‥‥ここがミソです。

 

ブロック期間中の取引がゼロの利用者でも、大量のATトークンを保有していれば、多くのATトークンを取引マイニングとして受け取ることができます。

 

よって、「商品券」のようにすぐに換金してしまうより、「株券」のように長期に大量保有した方が有利になります。

 

なお、取引マイニングのATトークンは、ブロック期間中のAT保有量に比例して配布されますが、正確には「AT保有量」は「(各利用者の)ブロック期間中のAT保有量の最小値」が用いられます。

 

ATトークンの価値を向上させるしかけ

利用者にATトークンを長期保有してもらうためには、ATトークンの価格が右肩上がりである必要があります。

 

そのための様々な「しかけ」が、ABCC取引所からなされています。

 

まず、本家ビットコイン(以下、BTC)をはじめとするBTC系コインでは必須となっている「ハービング」が、ATトークンにおいても設定されています。

 

ハービングとは、一定期間ごとに、マイニングされるトークンの量が半減するというものです。

 

ATトークンにおいては、120日ごとに半減期を迎えるので、かなり速いペースといえます。

 

ハービングによって、マイニングされるATトークンは減ってしまいますが、取引マイニングとして利用者に配布されるATトークンは、「取引所保有分のATトークン」(1億500万枚)から調整されることになります。

 

また、ATトークンの価値は、ABCC取引所の利用者が増えれば増えるほど上がりますが、利用者を増やすための打ち手として、「エアドロップ」が実施されています。

 

エアドロップとは、トークンを無料配布することを見返りとして、外部の第三者に取引所とトークンの宣伝を依頼することです。SNS時代の新マーケティングです。

 

さらに、ATトークンの価値は、ABCC取引所でのトレード回数が増えれば増えるほど上がりますが、取引回数を増やすための打ち手として、「トレードコンテスト」が実施されています。

 

トレードコンテストとは、毎月の取引所での仮想通貨トレードによる運用実績が上位の利用者に対して賞金を与えるというものです。

 

そして、一部の仮想通貨と同様、ロックアップ期間が設けられています。

 

ロックアップ期間とは、運営者や初期大量保有者の「売抜け」を防ぐための売却規制です。

 

ハービングのように「先行者利益」を与え、早期に大量保有しようとするインセンティブを持たせる一方で、ロックアップ期間を設け、「後発者」が極端に不利にならないように歯止めをかけるサジ加減が、取引所の腕の見せ所となります。

 

以上のように、後発の取引所トークンとして、先発の取引所トークンの長所が集められているといえます。

 

取引所の伸びしろ

 

競合のバイナンスは、すでに会員数が飽和に近い状態です。

 

一時はビットコイン以上の勢いを見せたBNBトークン価格も、会員数の頭打ちと同期して、現在は上値の重い展開となっています。

 

一方、ATトークンは、母体のABCC取引所自体が若いため、今後の伸びしろが期待できそうです。

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マルタへの進出

 

バイナンス取引所の本拠もある仮想通貨取引所のメッカ・マルタ共和国に、ABCC取引所も本拠を移す計画があることが、マルタ金融当局者の「ツイート」により明らかになりました。

 

マルタ共和国は地中海に浮かぶ諸島国で、シチリア島と北アフリカ沿岸の間に位置します。

 

マルタ共和国の金融政策は、取引所に高い透明性を要求する一方で、旧弊にとらわれない自由で新しい金融商品の販売を認めています。

 

マルタに進出することで、シンガポール以上に自由な空気を得て、ABCC取引所のさらなる飛躍が期待できそうです。

 

取引所トークンの弱み

 

他の取引所や取引所トークンとの競争激化により、「取引所の地位」と「取引所トークンの価格」が低落するおそれがあります。

 

またこれまでも他の取引所でしばしば起きているような「取引所へのハッキング」による、仮想通貨ないし取引所トークンの「盗難」の被害に遭えば、取引所の信用は失墜し、取引所トークンの価格が下がってしまう可能性があります。

 

ATトークンの入手方法

 
ABCC取引所に口座を開設して取引を行えば、自動的にATは付与されます。

 
また、BTCやETH、USDTをABCC取引所に送金することによって、「ATを購入」することも可能です。

通貨ペアは
AT/BTC
AT/ETH
AT/USDT

の3つです。

 

ABCC取引所の口座開設

ATトークンは簡単に入手することができるので、まずは下記の公式ホームページよりABCC取引所のアカウントを開設することをオススメします。

 

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シンガポールの人気取引所ABCC/ 収益が分配されるATトークンの特徴は?ビットコインを知る、使う、運用する為のBit Management(ビットマネージメント)で公開された投稿です。

Source: Bit Management