東証マザーズ上場企業のロードスターキャピタルが運営しているソーシャルレンディングサイト「OwnersBook(オーナーズブック)」。OwnersBookでは投資家に対し、8月からソーシャルレンディング案件の入札に関して抽選方式を採用するとの連絡を行いました。

なぜOwnersBookは抽選による投資を採用したのか、また抽選投資における投資家の注意点などについてまとめました。

目次

  1. OwnersBookが8月から抽選方式を採用した理由
    1-1.人気の過熱で応募できない投資家が増えていた
    1-2.公平な投資ができるように方式を変更
  2. いつから抽選方式になるのか
    2-1.8月14日に抽選による最初の案件を募集
  3. 抽選方式のメリットとデメリット
    3-1.誰にでも平等に投資の機会が与えられる
    3-2.投資したくてもできない事態が起こりえる
  4. FUNDSでも抽選方式を導入済み
  5. まとめ

1.OwnersBookが8月から抽選方式を採用した理由

OwnersBook(オーナーズブック)

サイト名 オーナーズブック(OwnersBook)
URL https://www.ownersbook.jp/
運営会社名 ロードスターキャピタル株式会社
本社所在地 東京都中央区銀座1丁目10番6号 銀座ファーストビル2F
設立 2012年
代表取締役 岩野達氏

【代表経歴】
東京大学農学部卒。一般財団法人日本不動産研究所にてキャリアをスタートし、不動産鑑定業務に従事。

2000年よりゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパンにて自己投資・運用ファンドの不動産取得部門、2002年以降はアセットマネジメント部門。2004年からロックポイントマネジメントジャパンLLC ディレクターとしてエクイティ500億円以上、案件総額3,000億円以上を実行、ロックポイントグループの日本における不動産投資業務をリード。
不動産鑑定士、宅地建物取引士。

資本金 13億88百万円(資本準備金とあわせて27億66百万円)
売上高 96億7,000万円(2018年12月期実績)
役職員 63名
上場有無 東証マザーズ上場
サービス開始年月 2014年9月
参考利回り 4.0%~6.0%
投資金額 1万円から
投資実行額・応募総額 125億8,880万円(2019年8月22日時点の投資実行済案件総額)
運用期間の目安 最短1ヶ月~最長25ヶ月

※2019年8月時点の情報となります。最新情報に関しては上記サイトを御覧ください。

OwnersBookが2019年8月から抽選方式を採用した理由を同社のプレスリリースから確認してみましょう。

1-1.人気の過熱で応募できない投資家が増えていた

OwnersBookのWebサイトでは、『案件募集に関する抽選方式の導入のお知らせ』という見出しで抽選方式の採用について発表しています。

抽選方式を導入した主な理由は以下に記載しています。

OwnersBookはおかげさまで大変多くの投資家の皆さまよりご関心をお寄せいただいております。一方で過熱する応募状況により、投資家の皆さまのご希望にお応えできない状況が続き、大変なご不便をおかけしております

2019年に入ってOwnersBookは投資案件の告知で何時から募集を行うのか、時間を告知していませんでした。その理由として同社は、投資案件の募集開始直後に投資家のアクセスが集中し、サーバーが落ちる可能性があることからこのような措置をとったことを述べています。

しかし、平日の何時から募集されるかが分からなければ、投資家は常にウェブサイトをチェックする必要が生じます。投資家からは「手間がかかる」「時間がわからなかったから投資できなかった」などの声が挙がりました。

そのため、「アクセスが集中することを防ぎ、また、どの投資家でも公平に投資の機会が得られるようにこのような措置を行った」と、OwnersBookは話しています。

2.いつから抽選方式になるのか

では、このOwnersBookの抽選方式ですが、いつから採用になるのでしょうか。

2-1.8月14日に抽選による最初の案件を募集

抽選案件の第1号は、2019年8月14日から16日まで募集されました。

投資に関しては以下のような条件が設けられています。

  • 抽選方式を採用する案件
    すべての案件が抽選方式になるわけではなく、募集時には従来のように選択方式も並行します。
  • 方式の組み合わせ
    一つの案件において抽選方式と先着方式が同時に採用されることはありません。抽選方式による案件は抽選で投資が可能かどうかを決定し、先着による案件は先着順で投資が可能かどうかを決定します。
  • 申込できる金額
    申込が可能な金額は一人当たり募集総額の1/2、そして、各自の投資口座残高の額が条件になっています。また、案件によっては一人当たりの投資上限額が定められるとしています。
  • 申込回数
    申込が可能なのは一案件につき一人一回です。
  • 抽選結果
    結果は募集締切後、1営業日以内に告知するとしています。

3.抽選方式のメリットとデメリット

では、この抽選方式の採用による投資家のメリットとデメリットを考えてみましょう。

3-1.誰にでも平等に投資の機会が与えられる

まず最大のメリットは、OwnersBookに登録しているどの投資家も平等に投資の機会が与えられる点です。例えば平日の日中に募集があった場合、日中に手が離せない仕事に就いている人は投資したくてもできません。募集開始のタイミングにスマートフォンやパソコンで投資できないことも多かったのです。

また、通信環境の違いによって投資の成否が左右されますし、日中が自由の人でも募集開始時間にたまたま所用があって投資できないことも起こり得ます。しかし、抽選方式になれば投資のタイミングを選ばず、投資期間内ならいつ投資を申し込んでも大丈夫です。

時間やインターネット環境に左右されることなく、自分が投資したい案件に応募できるのが最大のメリットです。

3-2.投資したくてもできない事態が起こりえる

一方で、デメリットがないわけではありません。抽選方式では応募したとしても、必ずしも投資できるとは限りません。そのため、せっかくの投資の機会が与えられても、チャンスを逃すことがあるのです。

投資で継続的に安定した利益を得ていきたい専業投資家にとっては、投資ができないことによって収入が減ってしまう事態に陥ってしまいます。安定した収益を求めたい人にとっては、必ずしもメリットばかりではないのです。

その意味ではサラリーマン投資家にとってはメリットが大きいですが、専業投資家の方には必ずしもメリットばかりとは言えないかもしれません。

4.Fundsでも抽選方式を導入済み

ソーシャルレンディング案件における抽選方式ですが、OwnersBookに先んじてFundsでもこの方式を導入しています。Fundsは2019年1月に運営を開始したばかりのソーシャルレンディングサイトですが、当初から投資案件に対する人気が過熱しています。

その状況を受けてFundsでは、6月末に抽選方式を採用するとのリリースを行っています。Fundsに関してもOwnersBookと同様に、新規案件への投資を募集してもあっという間に資金の上限に達してしまうことから、投資家がゆとりをもって投資できるように抽選方式を採用したとしています。

投資家が順調に増加している様々なソーシャルレンディングサイトが、投資家離れを避けるために今後はこのような抽選方式を採用していく可能性もあるでしょう。

まとめ

OwnersBookとFundsが採用した投資の抽選対応方式。案件の募集時間にスマートフォンやパソコンに触れている必要がなく、募集期間内であればいつでも投資できることで安心感が生まれました。

一方で、必ずしも希望の案件に投資できるとは限らないとも言えます。抽選に落ちてしまったときを考えて、専業投資家の方などは様々なソーシャルレンディングサイトを併用する必要があります。

安定した利益をソーシャルレンディングで獲得したいのであれば、自身の投資スタイルに合わせて色々なソーシャルレンディングサイトを利用し、効率良く案件を探していきましょう。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース