「海外不動産投資に興味はあるけど、騙されたという話をよく聞く」「海外の物件の管理なんて到底無理」「しっかり配当や利回りが出るのか不安」。海外不動産投資に関心はあっても、なかなかハードルが高く実行できないという方も多いでしょう。

経済成長の著しいASEANのなかでも、インドネシアは特に魅力的な国のひとつ。しかし、実際に投資をするには規制の障壁がある国です。魅力的ではあるものの手の届かない国への投資が、スマホから簡単にできるようになる可能性があります。

記事目次

  1. なぜ今、インドネシア不動産投資なのか
  2. インドネシア史上初の外資系企業による不動産投資信託(REIT)ライセンス
  3. 不動産投資信託(REIT)に組み込まれる物件とは
  4. 早期に1000億円規模の組成を目指す
  5. スマホで買えるくらいに海外不動産投資のハードルを低く

1.なぜ今、インドネシア不動産投資なのか

筆者は、インドネシアで独自にアパートメントの運営に関わったビジネスをしています。アパート経営を始めたきっかけは、現地の地主さんや建設会社とのご縁があったためですが、客観的にみてもインドネシアは有望な市場の一つです。例えば、

  • 人口が世界第4位(2.64億人、2017年の国連人口統計)
  • 平均年齢が29歳と若い
  • 親日指数が82%と世界第1位(英国BBCによる2013年の調査)
  • ASEAN経済の35%のシェア(IMF予測)
  • 資源(石油、天然ガス、各種鉱石)が豊富

などの理由があります。

意外と知られていませんが、インドネシアの人口は中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4位です。経済力は「人口(数)」×「生産性(稼ぐ力)」ですから、インドネシアでは今後も経済成長が続くと考えられます。GDP成長率は5%ほどを推移しており、かつての中国のような急成長とまではいかないものの順調な成長を続けています。

親日指数については、さまざまな統計データがありますが、日本に対して憧れや敬意を持ってくれているインドネシア人の方が圧倒的に多いのは事実です。一度インドネシアに行ってみれば、日本に対してポジティブな人が多いことは実感できるはずです。

また、インドネシアはその人口の多さから、経済成長中のASEANのなかでも大きな経済圏を持っています。ASEANのなかでインドネシアの次に人口の多い国はフィリピンですが、それでも1億人ほどです。2.64億人という人口は、とてつもない可能性を秘めています。

人口ピラミッドはきれいな三角形を描いており、平均年齢は29歳。内需もあり、順調に経済成長していますから、購買意欲も旺盛です。さらに、石油や天然ガスなどの資源大国でもあります。投資先として、十分な魅力を備えている国と言えるでしょう。

2.インドネシア史上初の外資系企業による不動産投資信託(REIT)ライセンス

東京都港区に本社を置く、株式会社シノケングループは、2019年7月29日に、インドネシア現地子会社であるシノケン・アセットマネジメント・インドネシア(以下 SAMI)が、インドネシア金融庁(OJK: Otoritas Jasa Keuangan)から不動産ファンドの運営を企図した投資運用業のライセンスを正式に取得(同月23日付)したことを発表しました。

不動産ファンドの運営を企図した投資運用業のライセンスとは、一言でいえば不動産投資信託(REIT)ライセンスのことです。

同ライセンスが外資系企業に認められたのは、インドネシア史上初のこと。インドネシア政府は、2007年にREIT組成を解禁。インドネシアの内資系企業では、チプタダナ・キャピタル、バウスプリット、シナルマス・アセット・マネジメントの3社がREITを取り扱っています。しかし、わずか3社に留まっているのが現状です。

2016年にジョコ・ウィド(通称ジョコウィ)大統領が発表した経済政策パッケージ第11弾では、REITにかかる所得税や土地、建物取得税の引き下げが盛り込まれました。そして、シノケンは長年に渡るインドネシア金融庁との協議の末、ライセンス取得に至ったとのことです。

日本で投資用不動産開発を手掛けてきた実績を活かし、シノケンはインドネシアで2019年内にも不動産投資信託(REIT)の運用を開始します。SAMIの役員には、インドネシア金融庁元長官らを迎え入れ、「不動産開発と投資、売却までを一貫して行う『総合不動産事業』をインドネシアで確立したい」としています。

3.不動産投資信託(REIT)に組み込まれる物件とは

シノケンが組成するREITの物件には、ジャカルタで不動産開発を手掛けるシノケン・デベロップメント・インドネシア(以下SKDI)が2019年3月にオープンしたサービスアパートメント「桜テラス」が含まれています。

シノケン・桜テラス

第1号がすでに完成し、5棟分の用地も取得しています。高層マンションの開発・運営も構想しており、これらも将来REITに組み入れられる計画のようです。

桜テラス以外の候補物件には、日系企業の展開する工場や倉庫、インフラ設備、工場団地、ホテル、ショッピングモールといった商業施設などを想定しているようです。

「年5~7%の配当利回りが期待できる」としています。国際決済銀行(BIS)のまとめによると、インドネシアの住宅用不動産価格は、名目でこの10年で約5割上昇。これに対して、日本の伸び率は約1割ですから、大幅に上回っています。年5~7%の配当利回りは実現可能性がある水準です。

4.早期に1000億円規模の組成を目指す

同REITは、インドネシアの経済成長を取り込みながら、REITの投資額を「組成1年目で100億円、3年目で4~500億円、早期のうちに1000億円まで伸ばしたい」としています。

発表後、すでに多くの日本人投資家が関心を示しているほか、インドネシア人やシンガポール人など東南アジア、欧米の投資家も高い関心を示しているようですが、なぜこのREITは注目を集めているのでしょうか。その理由はシンプルです。

インドネシアでは、原則としてインドネシア人個人しか土地の所有権が認められていません。外資系企業や外国人が投資目的で不動産を取得することは、実質的にできないのです。さらに、インドネシア財閥資本のREITに比べ、独立性や信頼性の観点からもシノケンのインドネシアのREITは評価を受けています。日本国内では、事業法人や金融機関に販売していく計画です。販売網は、日本だけでなく世界に展開する可能性もあります。

5.スマホで買えるくらいに海外不動産投資のハードルを低く

インドネシアでの不動産投資REITをスマホで買えるようにインドネシアにおけるREITだけでなく、シノケンは日本におけるREIT組成も手掛けたい、と準備中のようです。安定した利回りが期待できる日本国内の物件(主にインカムゲイン)と、成長性の高いインドネシアの物件(主にキャピタルゲイン)を組み合わせることで、シナジーを生み出すことが狙いです。

また、不動産テックやフィンテックを積極的に導入して、将来的には、「日本やその他の国からでも気軽にインドネシア不動産に投資できるプラットフォームを整え、スマートフォンでも買えるようにしたい」としています。

シノケン・インドネシアREITライセンス取得

シノケンHPプレスリリースから画像を引用

ハードルの高かったインドネシア不動産投資をもっと身近にすることができれば、インドネシア国内に限らず、世界の経済にも良い影響を与えることができるでしょう。ぜひ大きなビジョンを持って、インドネシアでのREIT組成を実現してほしいですね。

【関連サイト】シノケンのアパート経営  セミナー情報へ

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