国内初の株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」を運営する株式会社日本クラウドキャピタルは、9月11日、都内で記者会見を開き、新しい投資オプション「ファンディーノ型新株予約権」サービスのリリースを発表した。これにより、ファンディーノは普通株と新株予約権の2種類を取り扱う、国内初の株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームとなる。
今回、新株予約権の導入により、企業側にはコストとスピードに優れた新たな資金調達手段が増えるメリットがあり、個人投資家には一般的な新株予約権よりも投資家が保護された仕組みで投資機会を得ることができるメリットがある。
期の若いベンチャー企業にとっては、コストとスピードといったニーズに対応した資金調達をするのが難しい。それに対し株式会社日本クラウドキャピタル代表取締役 柴原氏は、「海外では普通株だけでなく、新株予約権をはじめ株の種類が多様化しており、日本のベンチャー株市場においてもグローバルスタンダード化を進めたい」という。
一方、個人投資家にとっては、ファンディーノ型新株予約権を購入することで、M&A時の買収額の優先分配が受けられるメリットがある。ファンディーノ型新株予約権での買収額の優先分配は、企業が事業を売却する際に、借入などや優先株などに次いで買収額の分配を普通株式より優先的に受けられる仕組み。従来の新株予約権よりも、バッドケースを想定している点がポイントだ。
森・濱田松本法律事務所の増島氏は記者会見にて、「ファンディーノ型新株予約権は、エンジェル投資家向けではなく、一般投資家向けのサービスを提供している点はファンディーノが工夫している所。バッドケース(解散や7年間売却されない場合)の想定も設計上織り込まれているのが新しい。」と述べた。
新株予約権を利用した募集の第1号案件となるのは、旅行者の手荷物の空きスペースを活用したソーシャルショッピングアプリ「HAKOBIYA」を運営する株式会社PicUApp。2019年9月22日より募集を開始予定、期限は9月24日まで。目標額1,603万円、上限応募額64,05万円となっている。
同社代表取締役 田中悠斗氏は、今回の新株予約権での投資型クラウドファンディング募集に関して「今回の資金調達の形式であれば、今後VCなどとの交渉もしやすくなる。さらにクラウドファンディングという手法によって、多くの人にサービスを知ってもらえる機会になる。」とコメントした。
FUNDINNO(ファンディーノ)は、ベンチャー企業にとって資金調達手段が少ないという課題に対し、IPOやバイアウトなどを目指す未上場企業の株式を一般の投資家が10万円前後から購入できるサービスを展開している。累計成約額22億円、ユーザー数1万7千人を超え、株式投資クラウドファンディングの取引量は国内No.1(2019年9月時点)を誇る。
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