仮想通貨はどのようなテクニカル分析が有効?プロが徹底解説!(応用編)
現在仮想通貨取引所でトレーダーを行なっており仮想通貨の市況をチェックする際にテクニカル分析は必ず用いています。日々のトレーディング業務から得た分析手法やテクニカル分析の勉強法について経験を元に解説していきます。
筆者は前職で3メガ系証券会社で外国為替のスポット、フォワードトレーディング、そしてEM通貨建(トルコリラ、南アフリカランド、インドルピー、ブラジルレアル等々)クレジットトレーディングを行なっており、世界経済の分析をしながら日々マーケットと対峙していました。相場の世界でテクニカル分析というものは必須なものであり、ここを勉強せずして仮想通貨含めて相場の世界で継続的に利益を積み上げることはできないでしょう。
前回は基礎編として移動平均線の使い方やメジャーなテクニカル分析等行いました。今回は応用編として少し仮想通貨寄りの見方をご紹介したいと思います。
目次
仮想通貨はどのようなテクニカル分析が有効?プロが徹底解説!(応用編)
未決済建玉とテクニカル指標を併用して相場の強さをチェックしよう
最初に未決済建玉とテクニカル指標を併用した利用方法をご紹介します。まず未決済建玉とはopen interest(OI)と英語で呼ばれており、現在取引されているマーケットでまだどの程度決済されていないポジションが残存されているのかを指しています。
使い方の前にこの未決済建玉がどこでチェックできるのかを2社ご紹介します。まずはビットコインL/Sチェッカーと呼ばれるサイトです。2つ目はCME(シカゴマーカンタイル取引所)で公表されているレポートになります。この未決済建玉の見方については別途記事でご紹介しておりますのでご参照ください。
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記事をご覧いただくと理解できる通り、未決済建玉がロング、ショートどちらかに傾いている場合なぜその傾き方になっているのか、そしてどの価格帯でそのポジションが作られているのかをチャートから推測します。
例えば現在の状況は下記のようになっているとします。
ご覧頂くとわかる通り全体のポジションはロングに傾いているものの、1日の間で見るとショートポジションが大きく増加しているのが理解できます。しかしこれはBITFINEXの動きであり、ここの特徴は急激にポジションの上下が大きいこともあることから参考にすべきではないでしょう。
次にBITMEXのポジションもチェックしましょう。
トレーダーの大多数が利用しているBITMEXはショートが比率として多いと判断できます。仮想通貨は先物手動で動くことが多いため、できればBITMEXの中心にトレード判断をすることが望ましいと言えるでしょう。
また1日の間でロングポジションのロスカットが多いというデータもあることからロングポジションはある程度減少したと言えそうです。
つまりBITMEX中心として考えた場合にショート勢が足元は多いという整理になります。
最後にCMEをチェックしましょう。
CMEを見ても大口のファンド勢はショートに傾いているのがポジションからわかると思います。fundsの部分がフローの大きな部分を占めているためCMEをチェックする時はfundsのフローをチェックするようにしましょう。その次に大きいポジションはotherとなっており、この両者が大体同じ方向性のためマーケット全体のポジションもショートに傾いていることが理解できます。
L/SチェッカーのBITMEXのポジションの傾きとCMEからマーケット全体のポジションの傾きが把握できるためここまでが未決済建玉を把握する理由となります。
この未決済建玉をチェックする理由とそこからポジションの傾きを把握する理由は、反対方向に動き始めた時のインパクトを把握するためです。
ここまでマーケットを理解した状態でチャート分析に入ります。まずここの前提条件として抑えておきたいのはショート方向へのポジションに傾いているということはチャートも下落基調を辿っていると漠然とでもイメージすることです。
ここからチャート分析に入ります。まずビットコインの日足チャートを確認しましょう。
チャートでは昨年の安値と今年の高値を結んだフィボナッチ、単純移動平均線の60日と200日を表示しています。オシレーターは上からMACD、究極のオシレーター、ストキャスティクスの3つを表示しています。
まず現在L/SチェッカーやCMEのポジション動向からショートポジションを保有している投資家が多いことを理解しましたが、チャートでもやはり直近150万から90万円割れの水準まで下落してきています。これはポジション動向と動きが合致しています。
チャートでは明らかに100万割れの水準で相場がストップロスを巻き込み急落しており、それがトリガーとなって上値の重い動きが継続しています。
上値抵抗線をチャートでは引いていますが、ここを越えれば上昇トレンド入りとなり、逆に100万円を割れると一気に相場が走りやすいチャートということがローソク足から判断できます。
そこを割れてきていることから下落トレンドが続いていると判断するのがローソク足の動きから推測しましょう。そしてその見立てが正しいのかオシレーターでもチェックするようにします。オシレーターではMACDがデットクロスした状態で0よりも下で位置していることから、引き続き下落基調が継続しています。一方で少しずつゴールデンクロスしつつあるような形となっているためそこが転換点となるかしっかりと見極めましょう。
究極のオシレーターをチェックしても同様に下落基調は継続しているものの、下落トレンドの強さは弱まっていると判断できるためMACDの動き方と一致していると言えます。
最後にストキャスティクスは売られ過ぎの水準まで下落してきており、ゴールデンクロスはしていないものの下落基調がここから強まる可能性が低下しているものの、トレンドはまだ下落基調ということがオシレーターからも判断できます。
ではこのポジションバランスとローソク足、フィボナッチ、そしてオシレーターから判断できることは下落基調が弱まっているものの、まだトレンドは継続中ということです。
ここから考えることができるトレード手法は2つになります。
- トレンドについていく形でショートポジションを構築する
- 下落基調が弱まっていることから上昇トレンドに転換したと判断できるサインが出た時点でロングポジションを構築する
去年の安値からはまだ半値程度の位置のため下落トレンドが継続すると判断するのは時期尚早です。とはいえこのタイミングでロングを強気でポジション構築するのも博打と言えるでしょう。
長期的にはまだ上昇トレンドは崩れていないことや、ポジション動向がショートポジションで傾いている以上ショートカバーが起きると上に動きやすくなります。そのため個人的にはこの両者から判断できることは上方向へのチャンスを待つことが大事という判断になり、早めのエントリーも控えるようにするでしょう。
またフィボナッチからも次の下落が止まる目処が61.8%戻しの80万円の位置と判断できるためあまり利幅がないことからリスクリワードは合わないと判断しチャンスがくるまで待つ選択肢を取ることが賢明な判断かと思います。
ファンダメンタルズの方向性と捉えて長期的なトレードをするには
ここまでは未決済建玉(Open Interest)とチャートからのテクニカル分析を材料に色々な視点から細かく解説していきました。ビットコインを含めて仮想通貨は需給が全ての商品です。需要が強ければ価格は上昇し、需要が低ければ価格は低下します。シンプルな話ですがこの需給バランスを読むことが仮想通貨には一番重要なことでしょう。
そして大きなトレンドを考える上で大事なのは仮想通貨特有のイベントやニュースのインパクトを押さえておくことです。仮想通貨にはハードフォークや新しい商品の登場等色々な話題が日々公表されています。このようなニュースのインパクトをしっかりと的確に把握することは最初は難しいものでしょう。ハードフォークであればハードフォーク前によく上昇しやすいと言われていたりします。
このようにマーケットの需給に大きく影響を与えるものがあれば当然ながらプライスに反映されるため価格が大きく変化します。またその変化の賞味期限を考えて投資家はトレードしています。最初は難しいですが一つ一つニュースが出て価格が動いている場合や投資家動向の変化の兆しが見られる場合は自分自身で予想しながら常に勉強を兼ねて考えてみましょう。
特に長期的なマクロトレンドは色々なニュースを組み合わせて判断するものです。ポジティブインパクトのニュースからネガティブインパクトのニュースまで千差万別でこの判断はとても難しいものですが、日々の積み重ねがある意味大事と言えます。
ニュースを追いながら自分なりに仮説を立てて、違った場合はなぜ違ったのか検証することが大切です。是非ニュースを楽しみながらゲーム感覚でいいので予想するように癖をつけてみることがおすすめです。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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