【仮想通貨初心者向け】イーサリアムの大型アップデート「イスタンブール」を徹底解説!
数ある仮想通貨の中で、イーサリアムは「いつ大型アップデートがおこなわれるのか?」という点でマーケットの注目が集中していました。
元々は夏の予定であったアップデートですが、それが秋に延期となり、それがまたまた延期となるなど、何度も延期になっていたアップデートですが、10月25日Ethereumコア開発者会議が行われ、次期ネットワークアップデート「イスタンブール」を12月4日頃に実施することを決定しました。
やっと正式日程が決まったことでイーサリアム保有者は価格が上がることを期待していますが、果たして本当に価格に影響するのかなどを考えてみると共に、そもそもこの大型アップデートが何かについてわかりやすく解説していきたいと思います。
目次
イーサリアムとは?
ではまずイーサリアムってどんな通貨なのかについて解説していきましょう。
仮想通貨に詳しくない方の中には、イーサリアムを「通貨」と思っている方が多いと思いますがこれは間違いです。イーサリアムというのはプラットフォームの名称で、そのプラットフォーム上で利用されている通貨のようなものが「イーサ」と呼ばれています。私達が仮想通貨取引所などで購入しているものはこのイーサなのです。
イーサリアムの最大の特徴は「スマートコントラクトの実装が可能」ということにあります。ブロックチェーン上に何かしらの契約内容をプログラミングしておき、実際にその契約条件が成立した時に自動的に履行されるような機能を持たせることができるのです。
この特徴からわかるように、イーサリアムではアプリケーションを稼働させることができます。このアプリケーションはDApps(分散型アプリケーション)と呼ばれ、管理者が存在しなくても稼働し続けることができるという特徴があります。現在ではこの機能を使った取引所やゲームなどもリリースされています。
イーサリアムの大型アップデート「イスタンブール」とは?
次に本題大型アップデートについて解説します。今回のアップデートは大きく分けて2つに分かれています。
第1段階のアップデート「Istanbul part1」で予定されている更新項目がいくつかあります。ここでは新しく6つのコード変更が導入される予定となっており、かなり重要なアップデートとなっています。このコード変更により、ジーキャッシュとの相互運用性を向上させる他、リプレイアタックなど不正アクセスに対して安全性を向上させるとされています。
第2階のアップデート「Istanbul part2」では、EIPsと呼ばれるイーサリアムの機能自体を大幅に刷新するアップデートが実施されてます。このアップデートではProgPoWと呼ばれるコンセンサスアルゴリズムへの変更も予定されていることから、マイナーはもちろん投資家からも注目を集めています。
報酬に関するメカニズムが変更になるため、少なからずイーサリアムの価値に影響を及ぼすことが想定されますが、どのように影響するかについてまで明確に述べることができる人はいません。そのほか、gasコストの削減やトランザクションコストの削減など、コスト部分に関してのアップデートが多いこともありますが、ネガティブなアップデートではないためマイナス要素とはならないと考えるのが妥当であるのではないでしょうか。
主な変更箇所は下記にまとめていますのでご覧ください。
イスタンブールは相場に影響するのか?
このような疑問を持った場合に考えるのは、「イベントが価格形成にすでに織り込まれているのかどうか?」です。結論から言うと、価格の値幅を大きくする要因にはなるものの、継続的な上昇要因にはならないだろうと考えています。
その理由をいくつかの例を挙げながらチェックしてみましょう。まず最初にBCHがハードフォークし価格が急騰した例を見てみます。2018年11月15日にビットコインキャッシュがABCとSVにハードフォークしました。この時にハードフォークを織り込む形で価格は上昇をしようとしましたが継続せず下記のような動きになっています。
相場では、何かしら確定しているイベントがある場合にそのイベントの影響度合いを織り込んでいく動きをすると考えるのが一般的です。相場の世界では「織り込み済み」という言葉をよく使いますが、この織り込み度合を判断するのがとても大事ということです。
次にイーサリアムのイベントに集中してチェックしましょう。まず最初にハードフォークしたメトロポリスハードフォーク時の動きです。これは2017年10月17日に行なっており予定されていたハードフォークでも一番重要度の高いものとして位置付けられていました。
こちらも一瞬上昇方向で反応しましたが、すぐに下落に転じています。
次に、今年3月1日に行われたイーサリアムの大型アップデート「コンスタンチノープル」時の価格の動きです。
この時のコンスタンティノープルの適用項目には、EIP-1234というディフィカルティボム(ブロック生成難易度の上昇アルゴリズム)の延期とブロック生成報酬の引き下げが含まれており、ある程度大きなアップデートでしたがそこまで影響を与えるものではありませんでした。
最後に、ハードフォーク「アトランティス」が今年の9月13日に行われた際のの価格の動きがこちらです。
ハードフォーク後に少し上昇しましたが、その後再度ハードフォーク前の水準まで下落しています。
このようにそれぞれのイベントからすると大型アップデートや、ハードフォークは価格形成にそれほど影響を与えないと結論づけられるでしょう。
今後注目されているイベントは?
仮想通貨のイベントには、イーサリアムで今回実施されるアップデート以外にも「半減期」や新機能の実装といったものがあります。仮想通貨の代表でもあるビットコインは2020年5月にマイニング報酬が半分になる半減期を迎える他、仮想通貨ネムにおいては「カタパルト」とよばれる大規模なアップデートが実施されます。
しかし、こうしたイベントがどのように影響するか、いつから価格に反映されるのかについてはマーケットのみぞ知るところとなっています。「この前は同様のイベントで価格上昇したけど今年は上昇しなかった」というようなことが頻繁に起こるのです。そのため、変に過信しすぎることなく、自分自身が取れるリスクの範囲内で投資を行うことがおすすめです。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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