【2019年レビュー】Dapps業界を総まとめ
2019年が終わり、新たな年がやってきました。そこで、昨年流行した業界トップ Dappsや開発者を振り返っていきたいとおもいます。
それでは、2019年のDapp.comを彩ったDeFiからBAppまでを紹介していきましょう。
この一年をDiFi色に染めたDapps
DeFi (Decentralized Finance) ムーブメントは2018年後半から台頭し、2019年に一気に広がりました。以下の数字から、これまでのDeFiエコシステムを概観できます。
- 我々の四半期市場調査によると、第3四半期のDeFiでは5億2500万ドルを超える資金が流通しました。
- DeFi dappsは第3四半期のイーサリアムDappsのうち58%を占めました。
- 合計6億5000万ドルがDeFiでロックされました。
MakerDaoのステーブルコイン・Daiがよりポピュラーなグローバル通貨になり、Dharmaは過去最高の利子率を提供、Compoundはイーサリアムベースのアセットの貸与や利息所得を可能にし、ETHLendはP2Pの融資契約を実現、それに加えてUniswapやdYdX分散型取引所が出現しました。
さらに、ステーキングも2019年新たに流行したもののひとつです。我々は7月に第一回目となるStakingイベントも開催しました。
「DeFiは従来の金融商品をオープン分散型エコシステム上にもたらし、革新的な応用・ブローカーを必要としないユースケースを生み出しました。2019年はまさにDeFi元年といえるでしょう。Nuo, Fulcrum, InstaDApp, DeFiSaver, Melonなどのプロジェクトは特に飛躍しました。また、今日のDeFi業界の重要な要素となっているMaker’s Multi-collateral DAI のローンチもありました。Kyberは、購買者にとって最高のトークンレートを提供し分散型流動資産と繋げることで業界をサポートしています。」— シェーン・ホン, Kyber Network
今後、我々の資産はブロックチェーン上で測られうようになり、DeFiエコシステムは止まる所を知らないでしょう!
Dappsは全てのアプリを変える
昨年我々は、なぜDappsを選ぶべきか、なぜ普通のアプリを使う習慣を捨てるべきかについて、その理由を紹介しました。
たしかにこれらは容易く実現できることではありませんが、2019年が過ぎ状況は変わりつつあります。Dapp開発者は日々の生活からGoogle MapsやGmailを捨てることが困難だということを理解し、それらに変わるDapp版のGoogle MapsやDmailsを開発しました。その他にも、Booking.com, Servey Monkey, Evernote, Product Huntなどに変わるDappsが登場してきています。これらは顧客の分散型セーフゾーンへの切り替えを容易にし、我々の仕事も効率化してくれます。
Dappsは私たちの暮らしを変える
Dapp開発者は驚くべきDappsを開発し続けています。毎週のように新たなDappsがDapp.comコミュニティに加わり、ユーザーにプライバシー・セキュリティ・自由をもたらしています。私たちは、自身のデータを利用されることなく、より良い生活を送ることを望んでいます。Blockstack dappsやKlaytn BAppsなどは、日常的に思いのまま、そして自分で自身のデータを管理することができるのです。
NoteRiotを使えば日々のインスピレーションを逃すことはありませんし、Unstoppable Domainsは解読可能かつ中央集権的なドメインに取って代わり、Dmailsはユーザーのプライバシーを保護します。Travalaはホテル予約などの仮想プラットフォームとなりますし、もしGoogleに居場所を特定されたくなければArcane Mapsを使ってみてください。コミュニティを運営したければBlockServeyを、MumbleはDiscordやSlackを凌駕します。そして、Hawk, the e-scooterとともにヒッピー旅行者として旅に出かけましょう。
今や、Dappsは私たちの日々の生活を支え、新たな友人やコミュニティと繋げ、そしてプライバシーを守ってくれるのです。
Dappsがゲームの主流に
今年はまた、ブロックチェーンゲームが次々と生まれ、業界初となるNFT “1-1-1”のオークションを5月に行ったレーシングゲームF1 Deltaは419.5イーサリアム(当時10万ドル相当)を記録しました。その他にも、NBA Top ShotはDapper Labs、CryptoSpaceCommandersはStar Trek、そしてPower RangersはAnimoca Brandsによってブロックチェーン上で再ブレイクしました。これらの出現により、多くのF1・NBAファンがただレースや試合を観戦するだけでなく、ブロックチェーンゲームに乗り出すことが予想されます。さらに、Redditの共同設立者であるアレクシス・オハ二アンは今年初頭から「ブロックチェーンゲームクラブ」に所属し、トレーディングカードゲームのSkyWeaverに投資しています。もしアレクシスのファンなら、ゲームで会える可能性もありますよ!
Dappsはソーシャルメディアに革命を起こす
ソーシャルDappsの最大の利点は、ユーザー主権のデータ管理を可能にし、彼らの貢献度に応じて対価が支払われるということです。Steemitのような多くのプラットフォームがユーザー体験に力を入れ、主流アプリになりつつあります。
2019年12月19日時点で、185のブロックチェーンベースソーシャルメディアがDapp.comに名を連ねています。我々は2019年最も人気のあるソーシャルDappsを集めました。自分に合ったものを選び、すぐに始めることができます。
分散型ソーシャルメディアがスケールアップを試みる際、それは確実に仮想世界の新たな風となりブロックチェーン技術を利用する良い機会となります。ソーシャルメディアDappは次世代の10年を担う存在になるのではないか?そう考えざるを得ません。
まだ「様子を見ている」だけの方、2020年が行動を起こす時です。Block.oneが、来たる2月にEOSベースのソーシャルネットワーク・Voiceのローンチを目指していることを発表したように、今後より多くのユーザーがクリプトベースのソーシャルプラットフォームに乗り出すでしょう。
Dappsは分散型業界にインフルエンサーをもたらす
今年4月のビッグニュース「人気ユーチューバーのピューディパイがDLiveに参加、限定コンテンツを配信」。この発表の直後、ニューヨークタイムズ紙を始めとした主流メディアはDLiveの紹介のみならずブロックチェーンの利点についても特集しました。
Dliveのブロックチェーンを開発しているLino Networkは、ピューディパイ参加後の飛躍的な成長について、12月19日時点で4,500を超えるデイリーアクティブユーザーを抱えていると報告しています。
またLBRYなどの分散型ライブ配信プラットフォームも、ユーチューバーやコンテンツ作成者、その他のインフルエンサーをサポートするプログラムを提供し、現行の主流ソーシャルチャンネルからの移行を促しています。
多くのDappsがクリエイティブな市場を展開
私たちは常にクリエイティブな心をくすぐる新しい物を求めています。
今年初頭、我々はSteem blockchainによるThe Creative Crypto Magazineとコラボし、AMAイベントを共同で開催しました。アートコレクティブルの分散型取引所であるPortionから集客し、クリプトアート業界での情報共有を行いました。
我々が既に明るいSuperRareやKnowOriginなどのデジタルアート市場に加えて、MakersPlaceやBreaker,Audius,BitPatronなど多くのクリエイティブDappsが今年登場しました。これらはテクノロジーを利用して作品をより入手しやすくするとともに、公正なシェアとクリエイターの著作権を守ります。
特にSuperRareは、72.1イーサリアム(10,027.5ドル)記録しました。クリプト市場はまさに発展の最中にあるのです!
定評のあるDappゲーム
Dapp.comには既に685ものゲームがあり(12月19日時点)、Dappsゲームが急激に発展していることは疑いようがないでしょう。そして同時に、一年前にローンチされたGods UnchainedやSplinterlands、そしてもちろんCryptoKittiesはいまだに定評があります。
CryptoKittiesの人気はもやは説明不要でしょう。依然としてDapps業界を引っ張っていますが、今年になってCheeze Wizardsというバトルロワイヤルを始めました。
WINkは、TRON上でローンチされた最も人気のあるDapp・TRONBetの新たなブランドです。ギャンブル要素のある大人向けゲームに見えますが、高額な投資は必要なく、リラックスしてプレイしたい人にもってこいです。
懐かしさを思い出すDapps
鉄腕アトムやスーパーマリオなどの大ヒットゲームを覚えていますか?今や、My Crypto HeroesやBlockArcade、JustSnakeを通してその懐かしさを思い出すことができます。
My Crypto Heroesはイーサリアムゲーム最大の売り上げとなっています。キャラクターリストに鉄腕アトムの有名キャラクターが追加されるなど、ユーザーの心を常に刺激しています。ビギナーの方にとっては始めるのは少し難しいかもしれませんが、ゲーム内キャラクターから得られるノベルティはこれらのDappsの価値をより高めています。
幼い頃の記憶を思い起こしている任天堂ファンには、The Ledger of Szaboがおすすめです。ゼルダの伝説にインスパイアされた「サボ」という8ビットパズルゲームで、イーサリアムやビットコイン・ライトニングを利用したゲーム体験をすることができます。来年は、このDappがより多くの任天堂ファンをクリプト業界に誘うことでしょう。
このような豪華でアクションに溢れたオンラインゲームの影で、シンプルな蛇ゲームなどは忘れられがちです。だからこそ我々は、2019年ブロックチェーン業界に登場したJustSnakeのようなゲームを推したいと思います。プレイヤーはBlockstackネットワーク上でアカウントにサインインすることで簡単にアクセスでき、昔ながらの懐かしさとともに最高のゲームとなっています。
Dapps業界はよりNFT化される
今年のNFT業界は、Gods UnchainedとGryptoKittiesのパイオニア的なコラボによって始まり、同時にブロックチェーン特有の機能である相互運用性を示しています。それに続き、CryptoKittiesとCrypt-Oink、Battle Racers・Neon District・Axie Infinityの相互利用可能なNFT、AxieとThe SandBoxのコラボなど、多くのプロジェクトが進行しています。
Blockchain Cutiesや0xGamesなどのDappゲームは多様なブロックチェーンを統合し、異なるコミュニティのゲーマーを繋いでいます。
OpenSeaは、現在もデジタルアイテムのトレーディングにおける人気市場となっています。10月にはDAPPTとともに、OpenSeaで初となるオークションを開催しました。
頼りになるDapps
EveripediaやSteemhuntのようなコミュニティDappsは、私たちの生活において重要な役割を果たします。これらは我々に知識を与え、インスパイアし続けてくれるのです。
Everipediaは分散型データベースとして、情報とリソースを提供しています。10月にはモバイル版がリリースされ、自身のデバイスからの編集・投票が可能になりました。SteemhuntはReviewhuntという新たなプラットフォームをリリースし、暗号通貨を稼ぎつつ新たなプロダクトを探し出せるようになりました。
Dappsで毎日が楽しくなる
Dappsは自身のデータを持ち出すことなく、日々の生活に笑顔をもたらしてくれます。最も面白いYoutubeクリップを提供するLOL Huntは、最近Blockstack上でローンチされました。
ShitCoinは、ミームやパロディー、ERC-20トークンを通して楽しみを届けてくれるシミュレーションゲームです。
Secreth Santaは、自らNFTを配布できる新たなDappです。Secreth Santaがあれば、ホリデーシーズンのギフト贈りがより楽しくなります。また、ドローイングゲームが好きな方には、Dcasso Duelがおすすめです。
1日で最大ユーザー数を記録したDapp
Cosmochainは、顧客と企業をマルチエコシステム上でつなぐKlaytnベースのDappです。11月27日、Cosmochainの利用者は1日で175,198名となり、史上最大のデイリーユーザー数を記録しました。
最大デイリー取引額を記録したDapp
888TRONは3月15日、3,633,628,139 TRXトランザクション、CoinGeckoにおいて83,375,513.37ドルの売り上げを記録しました。この日、888TRONのおかげでTRON Dappは急上昇し、イーサリアム・EOS関連Dappsの中で史上最大となりました。
最速で成長したDapp
Dapp.com Rankingでは、各Dappのアクティビティやパフォーマンスを収集・動向を評価しており、ユーザーはランキングスコアを通してDappについて深く知ることができます。そのランキングによると、Betfuryは過去2ヶ月で最大の成長率を記録しています。11月2日のローンチ以来、Betfuryは100点満点中94.71となり、12月16日には過去最高の95.37点を叩き出しました。
莫大な取引額のDapp
TRONは2019年に最も成長したDappエコシステムのひとつで、その代表がWINkです。12月19日までにWINkの取引額は2,354,088,312.05ドルとなり、66,772ユーザーという並外れた数字を記録しています。
最大トランザクション数を誇るDapp
EIDOSのエアドロップはネットワーク上で送金詰まりを引き起こしました。12月19日までに、EIDOSはEOSブロックチェーン上で1,580,070,115トランザクション数、11,704名の利用者を記録しました。いまだにCPU問題の影響は続いていますが、我々はDapp Storeにフォーカスし価値ある物をEOSエコシステムに提供していきます。
Dapp.comコミュニティのDapps
先月、我々は引き続きオープンなコミュニティを運営しつつ、Dapp.comの新たなモデルチェンジをしました。ユーザーがお気に入りのDappsに対してコメントやレビューを残すことで、コミュニティとして優良Dappsを提供できるようになります。
CryptoKitties, Kyber Network, Endless Games, WINk, EOS Bet,Ethermon, EOS Knights, IDEX, Newdex, Trust Diceは多くの閲覧数を獲得したトップ10Dappsです。中でもCryptoKittiesは727コメントを記録、Ethermon, Kyber Network, Decentralandがそれに続き、それぞれ100コメントを超えています。
2019年はDapp元年?2020年はどうなるのか?
例年通り、2019年年次市場調査で詳細を報告し、2020年のトレンドについても共有させていただきます。乞うご期待!
いよいよ今年も終わります。
Dapp.com一同、良いお年をお迎えください。
2018年レビューはこちらから。
Source: 仮想通貨ニュースサイト
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