不動産案件だけで大丈夫?分散投資に使えるソーシャルレンディング会社3社
日本のソーシャルレンディング市場の中で特に人気を得ている案件と言えば、不動産関係の投資案件です。海外と比べた日本のソーシャルレンディング市場は、個人向け融資のシェアが非常に低く、その代わりに流動性と換金性を有する担保として不動産を設定する不動産投資案件に人気があります。
しかし、不動産関係の案件でもリスクがないわけではありません。そこで、今回は不動産関係の案件に投資を集中するリスクを整理した上で、不動産関係の案件以外を多く扱うソーシャルレンディング会社についてもご紹介していきたいと思います。
目次
- 不動産案件に絞って投資することの3つのリスク
1-1.不動産市況の変動の影響を受ける
1-2.担保の売却に時間を要する
1-3.自然災害などで被害を受ける可能性がある - 不動産案件以外も多く扱うソーシャルレンディングサイトは?
2-1.ネクストシフトファンド
2-2.Funds
2-3.クラウドクレジット - まとめ
1.不動産案件に絞って投資することの3つのリスク
不動産担保を有する案件では貸し倒れリスクが低くなるため、不動産関係の案件に集中投資を考える人もいるでしょう。しかし、不動産関係の案件に絞って投資をすることには危険が伴います。なぜそう言えるのか、まずはその理由を見ていきましょう。
1-1.不動産市況の変動の影響を受ける
不動産関係の案件ばかりに投資すると、日本の不動産市場で市況が大きく変動した時に元本を損なう可能性が高くなります。
不動産の購入や開発に必要な資金を募集する会社に投資した場合、投資先の会社は最終的に不動産を売却して利益を得ています。しかし、不動産市場の変動で相場が下落すれば、不動産を売却しても利益を得ることができず、投資家は投資金(元本)を回収できなくなる、という可能性が出てくるのです。
それに、貸し倒れや返済遅延が発生する確率も上がります。さらには、担保を売却して元本を返済するにしても、担保自体の価値が下がっているため、満足に返済用の資金を回収できなくもなるでしょう。事業の遂行だけでなく、担保の売却による資金回収の面でもリスクが生じるのです。
1-2.担保の売却に時間を要する
不動産担保の売却に時間を要することも、リスクの1つに挙げられます。数千万円のワンルームマンションであれば、想定通りの値段で売却でき、しかも、時間を要しない場合もあります。しかし、数億円を超す土地やビルになると、購入先が見つかるまでに時間がかかるケースが多いのです。
実際に不動産関係の案件で返済不能に陥ったソーシャルレンディング会社では、物件の売却先が見つからず、換金に苦労しているとの報告が行われています。高額な不動産を買う資金力を持つ会社は限られています。募集金額が大きな不動産関係の案件ほど、担保の売却と返金までに時間がかかると思っておきましょう。
1-3.自然災害などで被害を受ける可能性がある
また、不動産は市況の変化に伴うリスクだけではなく、自然災害などで被害を受ける可能性もあります。例えば、2019年は関東地方、特に大規模な台風や大雨により、多くの建物が被害を受けました。
大家が火災保険に入っていても、ビルやテナント、ホテルなどが自然災害でダメージを受けてしまえば、想定した収益が得られなくなる可能性は高くなります。不動産を売却しようとしても、元の担保価値と同じ値段で売れないことも考えられます。
海外の不動産案件でも、ハリケーンや竜巻といった自然災害の被害を受け、収益性が低下した事例が存在します。事業が進展しないリスクだけではなく、事業が順調に運営されていても、自然災害によって思わぬ損害を被る可能性があるのです。
2.不動産案件以外も多く扱うソーシャルレンディングサイトは?
では、不動産関係以外の案件に投資したい時には、どのように投資先を分散をすれば良いのでしょうか。以下では、不動産関係以外の案件を多く提供するソーシャルレンディングサイト数社をご紹介します。
2-1.ネクストシフトファンド
「ネクストシフトファンド」は、鳥取発のソーシャルレンディング会社で、鳥取の地場企業への融資案件やカンボジアの農家への融資案件など、不動産関係の案件以外のソーシャルレンディング案件を多く取り扱っています。
決して規模が大きいとは言えないソーシャルレンディング会社ですが、社長は様々な金融業界での勤務経験がある人物で実績も豊富です。ソーシャルレンディングで投資資金を分散する上では、選択肢として検討したい会社の一社です。
2-2.Funds
「Funds」は不動産に関係した会社への融資案件を取り扱っていますが、大阪王将やM&Aクラウドのような飲食業、また、IT関係の会社にも事業資金を融資しています。
融資先の会社も、株式市場に上場している会社や有力なベンチャーキャピタルに出資を受けている会社など、厳しい審査を突破した会社のみです。不動産関係以外の様々な会社に投資したい時は、Fundsを選んでみることを検討してみましょう。
2-3.クラウドクレジット
海外案件を専門に扱うソーシャルレンディング会社が、「クラウドクレジット」です。クラウドクレジットは海外での事業資金を必要としている個人、また、様々な事業を営む法人に向けて融資案件を取り扱っています。
個人への融資は無担保などのリスクが高いものもありますが、融資先を分散することでリスクをカバーしています。投資家側でも、複数の案件に分散して投資すれば、リスクをおさえて利益を出せる可能性は高くなります。融資先の業界を分散するだけではなく、融資先の国まで分散投資できるのがクラウドクレジットの強みです。
<!–
2-4.CAMPFIRE OWNERS
購入型クラウドファンディングでは高い知名度を持つCAMPFIRE。そのCAMPFIREの関連会社が運営するソーシャルレンディングサイトが、「CAMPFIRE OWNERS」です。
CAMPFIRE OWNERSは、障害のある人たちが働く施設の事業資金の融資や化粧品の開発事業への融資、カンボジアの農家への融資など、社会貢献性の高い様々な種類の案件を取り扱っています。
クラウドクレジットのように業界や国を分散することができるソーシャルレンディングサイトとしても、利用価値が高いと言えるでしょう。
–>
3.その他のソーシャルレンディングサイトは?
その他の有力なソーシャルレンディングサイトも不動産関係以外の案件を多く扱っています。
「SBIソーシャルレンディング」は、不動産関係と太陽光に関する案件が中心です。同様に「クラウドバンク」も、不動産関係と太陽光に関する案件が大半を占めています。しかし、最近では徐々に事業資金の融資が増えています。「オーナーズブック」の場合、ほぼすべての案件が不動産関係です。
「レンデックス」も、ほぼ全ての案件が不動産関係ですが、2019年11月には格闘技イベント「RIZIN」の運営資金の融資を始めるなど、不動産関係以外の案件を取り扱うようになりました。
このようにソーシャルレンディング各社の状況をチェックし、不動産案件とそれ以外の分野の案件への投資を分散してリスクを軽減していくと良いでしょう。
まとめ
不動産案件は担保の換金性や流動性が高く、投資家に人気があります。しかし、不動産市況の影響を受けやすく、担保の売却に時間がかかるため、必ずしも不動産は安全であると言い切れません。自然災害によって被害を受け、収益性が急激に悪化する可能性も含んでいます。
不動産関係以外の案件を提供するソーシャルレンディング会社も併用し、分散投資を行うことでポートフォリオの保全性を高めていきましょう。
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
不動産案件だけで大丈夫?分散投資に使えるソーシャルレンディング会社3社