THEOの利回りとリスクは?2019年までの運用実績振り返りと利用の注意点
THEO(テオ)は、AI技術を活用して長期的な資産形成を支援してくれるロボアドバイザーです。2016年2月のサービス開始以降、預かり資産額は2019年10月31日時点で500億円、口座数は10万件を突破するなど、着実にその実績を積み重ねています。
そこでこの記事では、THEOの利回りやポートフォリオの内容などを含めた最新の運用実績、ロボアドバイザーを運用実績で選ぶ際の注意点について詳しく解説します。THEOの利回りやリスクについて詳しく知りたい方、ロボアドバイザー選びで悩んでいる方はご参考ください。
目次
- THEOの特徴・メリット
1-1.長期的な資産形成に向いている
1-2.最低投資額は1万円、自動積立も1万円から
1-3.運用の手間がかからない
1-4.231通りの資産運用パターンを提供
1-5.様々なリスク分散を図っている - 2019年までのTHEOの運用実績・利回り
- 運用実績でロボアドバイザーを選ぶ際の注意点
3-1.運用実績はあくまで参考程度にする
3-2.「単年の運用実績」だけでなく「通算の運用実績」も確認する
3-3.運用実績以外もチェックする - まとめ
1 THEOの特徴・メリット
ロボアドバイザーは、資産運用の提案や実際の運用を支援してくれるサービスです。AIがユーザーの投資環境やリスク許容度を診断し、その条件に応じた資産運用の最適なプランを提案してくれます。
さらに、プランに基づいて金融商品の発注や運用途中の最適化なども行ってくれるので、深い投資知識を必要とせず、投資初心者でも無理なく資産運用を始められるのがロボアドバイザーの強みです。
なお、ロボアドバイザーは、主に「アドバイス型」と「投資一任型」の2種類に分けることができます。
アドバイス型
サービス開始前に質問事項に答えるだけで、ユーザーの投資環境やリスク許容度を診断し、その条件に応じた資産運用の最適なプランを提案してくれます。なお、ユーザーは、提案された運用プランに基づいて実際の運用を行う必要があるので、ある程度の投資知識が求められます。
投資一任型
アドバイス型の機能に加えて実際の資産運用も行ってくれるのが「投資一任型」の特徴です。ユーザーの条件に応じた最適な資産運用プランを提供してくれるだけでなく、運用プランに基づいて金融商品の発注や運用途中の最適化などを支援してくれるので、投資初心者に向いています。
THEOは投資一任型のロボアドバイザーになるので、投資が初めての方でも始めやすく、各ユーザーの資産状況に応じた運用プランに基づいて、資産運用を行ってくれます。THEOの具体的な特徴やメリットは次の通りです。
1-1 長期的な資産形成に向いている
THEOは10~20年などの長期的な視点に立ち、結婚資金・住宅資金・教育資金・老後の生活資金などの資産形成を行うのに適したロボアドバイザーです。THEOでは将来的な成長が見込まれる分野に重点を置き、投資対象を選定しています。
また、THEOの積立投資では、毎月一定金額分を継続して購入することで平均購入単価を下げ、短期的な相場の変動に惑わされない長期的な資産運用を図ることができます。
1-2 最低投資額は1万円、自動積立も1万円から
THEOの最低投資額は1万円なので、手元にまとまった資金がない場合でも手軽に始められます。ロボアドバイザーの中には最低投資額を10万円に設定しているサービスもあるので、THEOはより少額で始めたい方やお試し感覚からトライしたい方にも向いています。
また、自動積立も1万円以上1000円単位から設定できますので、運用額をコツコツ増やしていきたいという方にも向いています。
1-3 運用の手間がかからない
THEOでは、ユーザーの年齢や資産状況、運用期間、リスク許容度などの諸条件に応じて資産運用プランを提案してくれ、さらに金融商品の発注・運用途中における資産配分の最適化などの作業も支援してくれるので、手間がほとんどかかりません。
1-4 231通りの資産運用パターンを提供
THEOでは、世界の株式ETFを投資対象とするハイリスク・ハイリターン型の「グロースポートフォリオ」、債券ETFを投資対象とするローリスク・ローリターン型の「インカムポートフォリオ」、コモディティ・不動産・物価連動債を投資対象とする資産防衛型の「インフレヘッジポートフォリオ」の3種類を組み合わせています。
各ユーザーの条件に応じて上記3種類の配分比率を変えることで、231通りの資産運用パターンを作成し、最適な運用プランの提案を可能としています。
1-5 様々なリスク分散を図っている
資産運用では、相場の暴落など不測の事態に備えて投資リスクの分散を図ることが重要です。THEOは、世界86の国・地域、11,000以上の豊富な銘柄を投資対象としており、「地理的な分散」「投資対象の分散」を行うとともに、長期的な視点から継続して金融商品を購入するなど「時間的な分散」も図っています。
なお、THEOは10~20年という長期的な視点に立って資産形成が行えるよう設計されているため、株やFXのように短期間で大きな利益を狙う投資方法には向いていません。
相場の下落時には、一時的に保有資産の評価額が下がることもありますが、短期的な相場の上下に惑わされずに運用を継続していくことで、相場が回復すれば評価額も上昇し、結果的にプラスの資産形成が期待できます。
2 2019年までのTHEOの運用実績・利回り
THEOは、投資対象を海外ETF(株式・債券・不動産などで構成される投資信託)としているため、その運用成績は、主要国の株価・債券価格の変動の影響を受けることになります。世界の株式相場は、2018年初頭および後半に大きく下落したことで、THEOも少なからず影響を受けました。
しかし、2019年には米国の利下げをはじめとする主要国の金融政策や米中貿易摩擦の鎮静化など複数のポジティブな要因を背景に、株式・債権相場が上昇に転じ、THEOの運用成績も改善しています。
上述した通り、THEOは「グロース」「インカム」「インフレヘッジ」の基本ポートフォリオの配分比率を変えることで豊富な資産運用パターンが用意しており、資産運用パターン別の年率利回り(年率リターン%)を公表しています。
2016年3月〜2019年12月までの運用実績において、年平均の利回りが最も高かったポートフォリオと最も低かったポートフォリオは以下の通りです。
項目 | ポートフォリオの内容 | 年平均利回り |
---|---|---|
最も成績が良かったポートフォリオ | グロース81% インカム17% インフレヘッジ2% |
7.48% |
最も成績が悪かったポートフォリオ | グロース5% インカム66% インフレヘッジ29% |
1.69% |
(注:公表されている年率利回りは年度別の数値ではなく、THEOが運用を始めた2016年3月1日からの通算利回りを年率に換算したもので、投資一任報酬(税込み)、配当税控除後の数値となります。)
上記数値にも現れていますが、ハイリスク・ハイリターン型の「グロース」重視のポートフォリオは、世界経済の影響を受けやすいため、世界経済の動きが好調な場合は高利回りを実現することがあります。
逆にローリスク・ローリターン型の「インカム」重視の場合は、世界経済の影響を受けることは少ないですが、好成長時の恩恵も少なくなるといった特徴があります。
※なお、THEOが運用実績と一緒に公開している期待リスクは、下記となります。
【リスクカテゴリ】範囲
- 【低リスク】9%〜12%
- 【中リスク】12%〜16%
- 【高リスク】16%〜19%
3 運用実績でロボアドバイザーを選ぶ際の注意点
ロボアドバイザーを選ぶ際に利回り重視で判断する場合があります。このように運用実績で選ぶ際は何に注意すれば良いのかについて見ていきましょう。
3-1 運用実績はあくまで参考程度にする
ロボアドバイザーの運用成績は、その時々の経済・景気動向の影響を受けます。つまり、景気が良好な時期には運用成績も好調で、逆に景気が悪化すると運用成績は低調になる傾向があります。
公表されているロボアドバイザーの運用実績は、過去の経済・景気動向に基づく実績となるので、過去に好成績を上げたロボアドバイザーであっても、将来的に良い実績を出し続けるという保証はありません。
将来的な経済情勢が今後どう動いていくのかを予測するのは困難なため、ロボアドバイザーの運用成績は、あくまでも参考程度にすることが重要です。
3-2 「単年の運用実績」だけでなく「通算の運用実績」も確認する
株式投資やFXなどの投資は短期的な利益を狙うのに向いていますが、ロボアドバイザーは長期間にわたって資産を着実に形成するのに向いた投資方法です。そのため、一時的に相場が下落しても、やがて持ち直した後には利益を積み上げていく可能性があります。
例えば、積立で定期的に一定額を購入しつづけることで、購入価格が平準化されるので損失リスクの回避につながります。これをドルコスト平均法と呼びます。THEOの自動積立は毎月1万円から決まった日に自動入金できるので、手間をかけることなく資産形成に取り組んでいくことも可能です。
このように長期の資産運用では、短期的な相場の上下変動に惑わされることなく、長い目で運用を継続していくことが重要です。ロボアドバイザーを運用実績で選ぶ場合でも、短期的な成績にこだわり過ぎず、長期的な通算実績を重視すると良いでしょう。
3-3 運用実績以外もチェックする
ロボアドバイザーを選ぶ際は、運用実績以外の特徴も把握することが大切です。サービスの特徴やメリット・デメリットのほか、投資対象の内容や手数料などの費用なども含めて総合的に判断しましょう。
ロボアドバイザーを選ぶ際にチェックしたいポイント
- 運営企業の安定性
- 資産運用プランの種類・内容
- 投資対象の種類・銘柄
- 資産の運用方法
- リスクの軽減方法
- 最低投資金額
- 手数料・コスト
- 特典・キャンペーン など
まとめ
THEOの投資対象は、海外ETF(株式・債券・不動産などで構成される上場投資信託)になるため、その運用成績は世界の株価・債券相場の影響を受けやすいという特徴があります。
2019年は、主要国の株価・債券相場が上昇したことにより、THEOの運用実績も好調に推移しました。2020年以降の世界経済については、IMF(国際通貨基金)によれば、2019年の経済成長率2.9%から2020年は3.3%、2021年は3.4%に上昇すると予測されています。
ロボアドバイザーは、長期的な視点から継続して資産運用・形成を行っていくのに適した投資法です。直近の運用成績に注意を払うことも大切ですが、一時的な相場変動や損益の上下にあまり惑わされることなく、長い目で資産形成を目指しましょう。
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
THEOの利回りとリスクは?2019年までの運用実績振り返りと利用の注意点