「おつり投資」のメリット・デメリットは?サービスの比較も

最近人気の資産運用を始めたいと思っても、従来型の株式投資や不動産投資などはまとまった資金が必要になるうえに手続きも複雑なため、難しいと感じている方は少なくありません。

そこで、おすすめなのが普段の買い物からのおつりを自動的に積み立てて手軽に運用できる「おつり投資」です。スマートフォンのおつり投資アプリでは、株式投資やFX投資などと比べると投資知識を必要とせず、少額で始められるので、投資機会のなかった若い世代の間でも注目されています。

この記事では、おつり投資について詳しく知りたい方に向けて、おつり投資の概要や利用サービスの情報を詳しく紹介するので、ご参考ください。

目次

  1. おつり投資とは?特徴・メリット
    1-1.キャッシュレス決済と家計簿アプリを連携する
    1-2.投資知識が不要で、手軽に始められる
    1-3.少額で始められる
    1-4.運用の手間がかからない
    1-5.お得なポイント連携やキャンペーンなどもある
  2. おつり投資ができるサービス3選
    2-1.THEO+docomo
    2-2.マメタス
    2-3.トラノコ
  3. おつり投資をする際の注意点・デメリット
    3-1.クレジットカードや電子マネーが必要
    3-2.投資先を選べない
    3-3.運用成績がプラスになるとは限らない
  4. まとめ

1 おつり投資とは?特徴・メリット

「おつり投資」は、その名の通りおつりを使って投資が行えるサービスです。買い物アプリなどによって取引記録から自動的におつり額を設定し、運用資金として自動的に積み立てるといったイメージで投資が行われます。どの程度積み立てるかは自分で設定することができるので、家計に負担のない範囲で積み立てることが可能です。

積み立てたお金は、投資の専門家やAI技術を活用したロボアドバイザー等が運用してくれるので、投資初心者でもコツコツと資産形成を狙うことができます。運用方針はサービスにお任せするタイプや、リスクとリターンのバランスを自分で選べるタイプ等があり、ユーザーの幅広いニーズに応えることができる仕組みとなっています。

このように投資知識が無く、少ない運用資金でも始められるのが「おつり投資」の特徴です。では、おつり投資の詳しいサービス内容やメリットを見ていきましょう。

1-1 キャッシュレス決済と家計簿アプリを連携する

おつり投資では、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を利用し、その取引記録を管理する家計簿アプリと連携して積み立てを行います。キャッシュレス決済を行うと、その取引記録が家計簿アプリに記録され、その記録から想定されるおつりが自動的に計算されて銀行口座から自動的に引き落としが行われます。

買い物をしなければおつりは発生しないため、定期的な積み立てと比較するとコントロールがしやすい面があります。いくらまでのおつりを投資に回すかは自由に設定可能なので、初めての場合は負担の少ない金額を設定するのがおすすめです。

1-2 投資知識が不要で、手軽に始められる

おつり投資は、誰でも手軽に始められることを目指したサービスで、サービスに申し込んで必要なアプリを入れればすぐに始めることができます。積み立ては普段通りに買い物をするだけで良いので簡単です。

また、多くのサービスが複数の家計簿アプリと連動しており、運用面もお任せできるため、投資初心者でも手軽に始めることが可能です。投資の知識がない人や、商品知識を覚えるのが面倒という方にも向いたサービスとなっています。

1-3 少額で始められる

おつり投資にかかるお金は、少額で済むのもメリットです。少額投資可能な資産運用サービスは最近増加していますが、おつり投資は毎日のお買い物から自動的に積み立てられるので、数円程度から積み立てて投資に回すことができるタイプもあります。サービスによっては運用金額が大きくなるほど手数料が安くなるタイプもあり、長期投資にも向いています。

1-4 運用の手間がかからない

おつり投資では、資産の運用をサービス提供会社に一任します。いわゆる投資信託の形を取ることになりますが、サービスの多くは複数のETF(上場投資信託)を組み合わせてバランスを図ったポートフォリオで運用されています。

そのため、ユーザーは運用の手間を気にすることなく、貯金感覚で資産形成が狙えるのが特徴です。普段は仕事や家事で忙しく、投資のための時間が取れない方でも、片手間で資産運用を続けることが可能になります。

1-5 お得なポイント連携やキャンペーンなどもある

おつり投資サービスの中には、他のポイントサービスと連携しているものや、キャンペーンによって特典が受けられるものもあります。運用益だけでなく、運用している金額に応じて普段の買い物に使えるポイントやマイルなどが支給される場合もあるので、おつり投資を始めるきっかけにもなるでしょう。

2 おつり投資ができるサービス3選

おつり投資は銀行などの一般的な金融機関などではまだ扱っていません。おつり投資を始めたい方のために、人気のサービスをご紹介します。

2-1 THEO+docomo

THEO+ docomoTHEO+ docomo(テオプラスドコモ)は、ドコモ利用者向けのおつり投資サービスです。「dカードおつり積立」と呼ばれることもあり、NTTドコモが資産運用会社であるTHEOと連携して運営しています。

THEOはいくつかの質問に応えるだけで、200を超える資産運用パターンからユーザーに適したポートフォリオを提案してくれるロボアドバイザーで、投資対象は主に海外ETFとなっています。THEO+docomoではdポイントを利用して購入した金額から自動的におつりを算出し、積み立てて増やすことができます。

THEO+docomoでは、最低投資金額としてまず口座に1万円の入金が必要で、その後はおつりだけで運用が行われます。THEO+ docomoでは年率1.0%の運用手数料がかかりますが、その他の利用や出金の手数料は無料です。

dポイントの利用者であれば、預かり資産1万円につき1.5%のdポイントが自動的にもらえるため、手数料を差し引いてもメリットを感じることができるでしょう。THEOの運用実績とポイント還元によって、実質的に年間2桁の収益率でのリターンを期待できるのも特徴です。

なお、THEO+docomoを利用するには、「本人名義でdカードまたはdカード GOLDを契約している」「本人名義でドコモ携帯回線を契約している」といった条件が必要になるので、事前によく確認しておきましょう。

2-2 マメタス

マメタスとは、ロボアドバイザーの利用者数が国内トップのWealthNavi(ウェルスナビ)が運営するおつり投資サービスです。ロボアドバイザーの中でも人気の高いウェルスナビが自動で運用を行ってくれる上、対応している金融機関が多いので使いやすいサービスとして注目されています。

ウェルスナビでは1,000億円を超える金額が常時運用されており、世界約50カ国1万1,000銘柄に分散投資することでリスクを抑え、運用額から収益が分配される仕組みとなっています。

ウェルスナビを利用する際は10万円の入金が必要ですが、マメタスでは1万円の入金があれば始められます。さらにマメタスではおつりの設定額が100円、500円、1000円と設定でき、利用や出金に手数料がかかりません(※運用手数料として年間に運用額の1.0%が必要です)。

また、マメタスでは「マネーツリー」という家計簿アプリを利用します。マネーツリーは株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するサービスで、国内2600超の金融機関、クレジットカード、ポイントサービス、電子マネーと連携して利用することができます。そのため、複数の金融サービスをひとまとめにして、おつり投資として運用することも可能です。

2-3 トラノコ

トラノコは業界最安値となる5円からおつり投資が可能なサービスです。ベンチャーのトラノテック株式会社が提供するサービスで、自分で運用方針を決められるなどのユニークな機能が多く提供されています。連携可能な家計簿アプリも多く、ポイントサービスとの連携も充実しており、さまざまなメリットを享受することが可能です。

トラノコでの投資資金は信託銀行に預けられて運用されるため、万が一、トラノコが破綻した場合でも信託銀行を通して運用資金が返還されます。

なお、トラノコの最低投資金額は0円です。ただし、あまりにも少額の場合は運用益がほぼゼロになるので、運用手数料(運用資金の年率0.3%+月額300円)を考えるとある程度まとまった金額を投資しないと収益化は厳しい点に注意が必要です。

トラノコはマネーフォワード、Zaim、マネーツリーなどの各家計簿アプリと連携しており、さまざまな金融サービスとの連携が強みです。すでにこれらの家計簿アプリを利用している方や、さまざまなサービスを利用しながらおつり投資をしたい方向けのサービスと言えるでしょう。

3 おつり投資をする際の注意点・デメリット

おつり投資はメリットも多いですが、利用にあたっては次のような点に注意が必要です。

3-1 おつり投資にはクレジットカードや電子マネーが必要

おつり投資には、家計簿アプリに情報が記録されることによって、自動的に積立金額を算出するシステムが搭載されています。そのため、家計簿アプリと連携させるクレジットカードや電子マネーなどの決済方法が必要です。また、積立額は銀行口座から引き落とされるため、対象の口座にある程度の預金があることも必要です。

THEO+docomoのように、家計簿アプリが対応している決済方法が限られている場合は、その利用によるメリットも大きい一方で、積み立てが思ったほど進まないケースもあります。普段の決済方法などをよく考慮した上で、ご自身の投資方針に合ったサービスを選択することが大切です。

3-2 投資先を選べない

おつり投資サービスは、ロボアドバイザーに運用を任せることによって運用を自動化できることが特徴・メリットです。しかし、投資先を自由に選ぶことができないのはデメリットとも言えます。

なお、投資している資金を引き上げることは可能なので、投資環境について見通しを立てることができる人は、口座から入出金を行ってリスクを管理するとよいでしょう。

3-3 運用成績がプラスになるとは限らない

ロボアドバイザーは、リスクを抑え、収益を最大化するようにAIによって自動運用を行うサービスです。しかし、前提となっている投資環境に大きな変化が生じた場合には、運用成績がマイナスになる可能性もあります。そのため、元本割れが生じるリスクもゼロではなく、その場合の保証などもありません。

しかし、数年以上の長期視点で見れば各社のロボアドバイザーの運用成績はプラスで推移しており、運用リスクを避けるための分散投資も図られています。

おつり投資は、このような特徴を踏まえて短期スパンではなく、長期スパンで運用を検討するのが向いているでしょう。

4 まとめ

おつり投資は、家計簿アプリなどと連携し、自動的に買い物時のおつり相当額を積み立てて運用することができるサービスです。投資に関する知識がない人や投資のための資金の準備が難しいという方でも、少額から手軽に積み立て投資を行うことが可能です。

おつり投資は、忙しくて時間の取れない方でも手離れの良い投資サービスになっています。興味のある方は、ご自身の投資方針と照らし合わせて検討してみてください。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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