海外不動産投資、なぜ失敗?主な6つの事例と対応策について解説
不動産投資を検討されている方の中には、海外不動産投資に関する情報を目にした方も多いのではないでしょうか。しかし、海外不動産投資には想定した利益が得られず、投資に失敗してしまった事例があります。
不動産投資では、事前に多くの情報を集めてから実行するのが大切です。一方で、海外不動産投資においては言語の問題などもあり、どのような情報を集めたら良いかわからないという方も多いでしょう。
この記事では、海外不動産投資の失敗例にスポットをあて、失敗を未然に防ぐための確認点について解説します。
目次
- 投資先の物件が完成せず失敗
- 保証されていた賃料が入らず失敗
- 施工不具合のために賃貸できず失敗
- 家賃収入を日本へ送金できずに失敗
- 都市開発計画が頓挫した・政府の規制が変わったために失敗
5-1.実際にあった投資の失敗談:マレーシアのイスカンダル計画 - 周辺開発の工事が遅れたために失敗
1.物件が完成せず失敗
プレビルド(=工事完了前)の物件に投資する場合は、売主の不動産会社について調べるとともに、プロジェクト自体の売れ行きを確認する必要があります。
特に新興国のプレビルド物件は、売り上げを建設資金の補填に回しており、プロジェクト自体がいわゆる自転車操業状態になっていることがあります。
売主がその国では実績のある不動産会社だったとしても、プロジェクトの売れ行きが悪いと、資金繰りできずにプロジェクト自体が頓挫してしまいます。
もし、売れ行きを確認した時点で販売開始から数ヶ月〜1年など経過していると、そのプロジェクトは途中で頓挫してしまう可能性があります。
2.保証賃料が入らず失敗
賃料が保証されている物件を購入検討するのであれば、以下の内容を確認することが重要です。
- 実際にはいくらの賃料が入ってくる見通しなのか
- その賃料は相場と比較して高くないのか
- ターゲットとしているのはどのような入居者なのか
- 入居者ターゲットとなる人たちは物件周辺にどれほどいると見込まれるのか
なお、詐欺と叫ばれるケースの多くは、これらの確認を怠ったことが要因の一つと考えられます。海外不動産の中には、7%利回りを数年保証という物件や、なかには10%利回りを10年保証と謳っているものもあります。しかし、こうした高利回りの保証が実現されず、約束が守られないケースがあります。
このような失敗は特に東南アジアに多くみられますが、イギリスの物件などでも起こっています。したがって、先進国の物件でも事前の確認は必須です。
「保証賃料」といっても、入居者が入らなければ、保証する原資を確保できないため実現ができません。つまり、プロジェクトの中で空室が多ければ、実現しない可能性があると考えられます。
また、高級なコンドミニアムだと、元から現地に住んでいる人には払えない家賃設定に基づいて保証賃料が設定されている場合もあります。この場合の設定家賃は、現地の富裕層もしくは海外からの駐在員をターゲットにしているため、結果的に入居者が見つからず、保証が実現しないケースがあります。
保証賃料だけで判断するのではなく、投資先である不動産の収益性や将来性に向き合い、ひとつひとつ確認をしていくことが大切です。
3.施工不具合のために賃貸できず失敗
プレビルドの物件に投資する時は、物件自体に不具合があった場合に売主がどう対応してくれるのかを予め確認しておきましょう。
物件が完成したとしても、完成後に不具合が発覚して賃貸に出せないというケースもあります。海外のデベロッパーは、完成優先で工事をすることもあり、突貫工事で完成した物件に後々不具合が発覚するというケースがあります。
不具合が発覚したとしても、契約上の決め事がない限りは、日本のようにアフターサービスで対応してもらえない可能性があります。施工完了後に不備があった場合、どのような契約になるのか、売主はどのように対応してくれるのか、事前に確認をしておきましょう。
4.家賃収入を日本へ送金できずに失敗
海外不動産に投資する前には、必ずその国の海外送金に関する規制を確認しておくことが必要です。
例えば、ベトナムは米中貿易摩擦の影響などもあり経済発展著しい国で、海外不動産投資の対象国として注目されています。しかし、ベトナムでは海外送金に関する規制が多くあるため、事前に規制内容について詳しく確認をしておく必要があります。
このように、特に東南アジア諸国では自国通貨の海外送金に対して規制をかけている国があります。家賃収入はその国の通貨で得るものですが、現地の管理会社では海外送金まで対応してもらえない可能性が高くなります
家賃収入を日本で使うためには、家賃を得た国から日本へ海外送金する必要があります。しかし、海外送金に対する規制をクリアできないと、国外へ出せない資金となってしまうので注意しましょう。
5.都市開発計画が頓挫した・政府の規制が変わったために失敗
都市開発に伴う発展を期待して投資する場合には、できるだけ現地の情報を多く集めることが必要です。
特に発展途上国では、都市開発計画の進捗や、政府が掲げる政策の変化などが、投資に対して大きな影響を与えることもあります。
発展途上国の不動産では、都市開発計画に伴う値上がり益や人口増加を期待できるとして売り出されている投資用不動産があります。しかし、発展途上国は特に状況や政策が変わりやすく、結果として投資に失敗してしまった例があります。
5-1.実際にあった投資の失敗談:マレーシアのイスカンダル計画
マレーシアのジョホールバルでは、「イスカンダル計画」という都市開発計画がありました。イスカンダル計画は、2006年以降にジョホールバルのインフラ開発を進め、マレーシア人やシンガポール人のほか、海外からも人を呼び込むという計画でした。
しかし、実際のところは、出来上がった商業施設に現地人が買い物できるようなスーパーなどが入らず、都市としての生活利便性が上がりませんでした。
また、日本のタワーマンションに近いようなコンドミニアムが乱立し、住宅の供給過剰状態となっています。その結果、実際にジョホールバルの物件の多くが長期間続く空室に悩まされています。
このように、海外の都市開発計画や政府の規制を日本から判断することは難しく、想定した成果を得られないことがあります。海外不動産に投資する際は楽観的な視点ではなく、リスクについても慎重に検討し、判断することが大切です。
6.周辺開発の工事が遅れたために失敗
都市開発による利益を期待して投資する場合には、開発の進捗などを確認することが必要です。投資対象となる物件だけではなく、周辺地域の施設の工事が遅れる可能性があるためです。
周辺開発の工事が止まってしまうと、当初期待していた物件の値上がり益や、家賃収入が得られない可能性があります。なお、マレーシアのイスカンダル計画以外にも、都市開発による発展を見込んで売り出されている物件があるので注意しましょう。
まとめ
海外不動産投資で失敗の可能性を下げるためには、様々な情報を集める必要があります。その全てを一人で集めるのはとても大変なことでしょう。できる限り現地の情報などを集めるためには、物件を販売している業者だけでなく、現地の日本人会などに問い合わせてみるのも一つの方法です。
海外不動産投資は資産分散や外貨収入の獲得ができる有効な投資手段です。失敗事例と対策を確認し、情報を収集して進めてみましょう。
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
海外不動産投資、なぜ失敗?主な6つの事例と対応策について解説