松井証券、信託報酬の一部を現金還元する「投信毎月現金還元サービス」開始

松井証券は4月1日から「投信毎月現金還元サービス」を開始する。投資信託の販売会社として受け取る信託報酬の一部を顧客に現金で還元するもので、日本の証券会社としては初のサービスという。

投信の購入・保有に伴って投資家が負担するコストには、主に販売手数料と信託報酬がある。同社はこのうち、投信購入時に支払う販売手数料について、個人投資家のコスト負担軽減を目的に、2019年12月に大手オンライン証券で初めて完全無料化を実施した。

信託報酬は、投信を保有する間、運用会社・販売会社・受託会社に支払う手数料。その水準は銘柄毎に異なり、現在当社が販売する投信について、販売会社である同社が受け取る信託報酬は0.02%~1.00%。しかし、同社は「インターネットを通じた投信サービスの提供に特化しており、提供するサービスや当社の事務コストは投信の銘柄毎に差がない」として受け取る信託報酬の上限を0.3%とし、それを上回る部分については毎月、顧客に現金還元することを決定、サービス化に踏み切った。

国内で純資産総額が最も大きい「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」を例に挙げると、信託報酬は1.1%(税抜)で、このうち販売会社が受け取る分は0.7%。同社では0.4%分を現金還元する。この投信を保有し、月間の平均保有残高が3000万円の場合、月毎の現金還元額は1万円、年間では12万円となる。この還元額は、大手オンライン証券が行っているポイント還元と比較(同社調べ、預かり資産残高の条件があるサービスやキャンペーンを除く)しても最大。

サービス開始に伴い、同社が取り扱う1200 本超の投信のうち7割以上が信託報酬の現金還元の対象となる。申し込みは不要で、既に同社で保有している投信だけでなく、他社で保有している投信を同社に移管した場合も対象になる。他で投信を保有する顧客は、他社から移管元の金融機関に支う手数料を同社が負担する「移管手数料負担サービス」も利用できる。

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