五常・アンド・カンパニー、シリーズD資金調達の第1回クローズで23.3億円調達。コロナ対策の資金も確保
新興国向けの小口融資事業を手掛ける五常・アンド・カンパニー株式会社は4月16日、シリーズD資金調達の第一回クローズで23.3億円を調達し完了、2014年7月の創業からの累計資本調達額が100億円に達したと発表した。シリーズDは、19年10月に発表した42.2億円のシリーズCラウンドに引き続き、既存7社のグループ会社の成長に向けた財務基盤の拡充と今後のアジア・アフリカ地域における拠点拡大を主な資金使途として資金調達を実施。既存株主である株式会社セブン銀行やSBIグループ、20年2月よりレンダーに加わった株式会社クレディセゾン、さらに個人投資家複数名が、優先株式と転換社債型新株予約権付社債の引受けの組み合わせで参加した。20年前半の最終クローズに向け、国内外の投資家候補との協議を継続する。
2019年末から2020年初頭にかけ、既存のグループ会社に対し合計16.5億円超の投融資を行った。インドのマイクロファイナンス機関Satya MicroCapitalには18年7月の初回出資以降、インドにおける中央銀行であるインド準備銀行(RBI)の承認が必要な持株比率26%を上回らない範囲で追加出資を行っている。RBIからの承認プロセス完了の目処が立ったことから、このタイミングで5億円強を追加出資し、認可取得後には更に10億円規模の投資を実行して五常社の持分を更に引き上げる。
同じくインドのAviom India Housing Financeには20年2月にRBIより五常社の持分比率を引き上げる承認を得て、同年3月に約4億円を追加出資した。Aviom社は、インドの主に郊外地域で暮らす低所得者層が住宅を手に入れるため必要なマイクロ住宅ローンを供給。借入人は女性で、女性の家庭内の地位向上の観点からも社会的インパクトが大きい事業だ。また、Ananya Finance for Inclusive Growthへは、株式持分を引き上げるために既存株主が保有する株式の買い取りと約1.7億円の追加出資を行った。同社は主に小から中規模のマイクロファイナンス機関に対する法人融資、農業関連事業や社会的インパクトの創出を目指す中堅企業への融資も行っている。
カンボジアではMAXIMA Microfinance へ5.5億円相当のインターカンパニーローンを実施。同ローンはクレディセゾンからの融資が原資となっている。同社は個人事業や中小零細事業を営む女性向けの融資の拡大に加え、実験的に開始しているエージェントバンキングモデルを活用した少額融資のオペレーション構築にも注力する。
新型コロナウイルスの影響に対しては「外出禁止令等により、世界中の同業者と同様、融資資金の回収業務や新規融資を一時的に見合わせざるを得ない。まずは顧客と従業員の安全を第一に考え、リモートワークの実施や追加の支払利息や遅延金を猶予したうえで延滞を一部認める」といった対策を講じている。また、五常グループの各社は、必要な流動性資金を五常からの追加投融資により確保する。
五常・アンド・カンパニーは「すべての人に金融包摂を届ける」をミッションとして2014年7月設立。2030年までに50カ国で1億人に廉価かつ高品質な金融サービスの提供を目指す。20年3月末時点でインド・カンボジア・スリランカ・ミャンマーに3400名を超えるグループ従業員を擁し、顧客数は57万人を突破している。
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