つみたてNISA、どの銘柄を選べばいい?手数料や投資国などを分析

つみたてNISAは、2018年1月にスタートした「少額投資非課税制度」です。最長20年の非課税期間が設定されています。また、投資初心者の方でも利用しやすいように、金融庁が厳選した181本の銘柄の中から金融商品を選ぶことが可能です。

金融庁が厳選しているとはいえ、銘柄の数は181本もあります。とても数が多いので、どのような基準で選べば良いかは迷ってしまうことでしょう。そこで、この記事ではつみたてNISAの銘柄を3種類に分けて解説していきます。つみたてNISAの銘柄選びお悩みの方はぜひ参考にしてください。

※この記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の商品の購入を推奨・勧誘するものではありません。実際の投資判断にあたってはご自身でも情報収集のうえご検討ください。

目次

  1. つみたてNISA購入時のポイント
    1-1.分散投資をする
    1-2.信託報酬(手数料)の安さに注目
  2. つみたてNISAの銘柄解説・指定インデックス投資信託編
    2-1.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
    2-2.eMAXIS Slim先進国株式インデックス
  3. つみたてNISAの銘柄解説・アクティブ運用投資信託編
    3-1.ひふみプラス
  4. つみたてNISAの銘柄解説・ETF編
    4-1.ダイワ上場投信
  5. つみたてNISAで銘柄を購入するときの注意点
  6. まとめ

1.つみたてNISA購入時のポイント

つみたてNISAで購入できる対象商品は3種類あり、それぞれの本数は以下の通りです。

  • 指定インデックス投資信託……156本
  • 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)……18本
  • ETF(上場株式投資信託)……7本

この3種類の計181本です。投資経験がない人にとって、3種類181本の中から自分に合った銘柄を選ぶのは難しいでしょう。ここからは、つみたてNISAを選ぶときのポイントについて解説していきます。

1-1.分散投資をする

つみたてNISAの銘柄を選ぶ際、商品の性質が偏った銘柄の購入はおすすめできません。

たとえば、投資信託でもアメリカ関連の銘柄だけを買っていると、アメリカの経済が悪化して下落してしまった場合には損失を回避することは難しくなります。

つみたてNISAは長期的に分散投資を行うことでリスクを軽減できる投資です。しかし、市況や選択する商品によっては元本割れをする可能性はあります。銘柄を購入する場合は、先進国やアジアなどといったさまざまな地域や種類を分散的に選んで購入すると良いでしょう。

1-2.信託報酬(手数料)の安さに注目

つみたてNISAでは、口座開設費用や運用管理費などはかかりません。しかし、運用するファンドごとに信託報酬などの手数料がかかります。信託報酬は0.1%以下のものから1%を超えるものまであり、最長20年、毎年手数料を支払い続ける必要があります。

例として、100万円を積み立てた場合の信託報酬については、以下のような計算となります。

  • 信託報酬が0.1%の手数料……1,000円/年
  • 信託報酬が1%の手数料……10,000円/年

このように、同じように100万円を投資したとしても大きな差が生じます。実際は基準価額や残高などは毎日変化するので単純計算はできないものの、目安として手数料の違いは利益の違いに直結することを意識しておきましょう。

2.つみたてNISAの銘柄解説・指定インデックス投資信託編

指定インデックス投資信託とは、日経平均株価やTOPIXという投資の基準となる指数(インデックス)と連動する運用が行われるものです。別名でインデックスファンドとも呼ばれています。

米国の経済成長を味方につけたい方や手数料を抑えたい方は検討されてみるとよいでしょう。

2-1.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

信託報酬 純資産総額 委託会社 販売証券会社
0.0968% 1,133.7億円 三菱UFJ国際 SBI証券楽天証券GMOクリック証券松井証券マネックス証券auカブコム証券など

信託報酬の安さが魅力のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、楽天証券やSBI証券などの証券会社の公式サイトでも人気ランキング上位に位置している銘柄です。

米国大型株で構成されているインデックスファンドで、米国の主要産業の約500社が網羅されています。米国の経済成長を味方につけたい方や手数料を抑えたい方は検討されてみるとよいでしょう。

2-2.eMAXIS Slim先進国株式インデックス

信託報酬 純資産総額 委託会社 販売証券会社
0.1023% 1,075.92億円 三菱UFJ国際 SBI証券・楽天証券・GMOクリック証券・松井証券・マネックス証券・auカブコム証券など

信託報酬が0.1023%と低コストで、長期運用をするつみたてNISAにぴったりな銘柄です。

Fund of the Year 2019」という、人気投資ブロガーが選ぶファンドランキングでも2019年の3位に選ばれており、安定した人気があります。商品として取り扱っている証券会社も多く、利用しやすい銘柄です。

3.つみたてNISAの銘柄解説・アクティブ運用投資信託編

アクティブ運用投資信託は、アクティブファンドとも呼ばれています。指標を上回る運用を目指す投資信託で、指定インデックス投資信託(インデックスファンド)に比べるとコストが高い傾向にあります。指標に従わない資産運用であるため、インデックスファンドに比べてハイリスクハイリターンになりやすく、大きな利益を生む可能性がある反面、元本割れのリスクは高くなります。

上記をふまえたうえで、アクティブ運用投資信託18本の中から、具体的な銘柄をみていきます。

3-1.ひふみプラス

信託報酬 純資産総額 委託会社 販売証券会社
1.078% 5,406.83億円 レオス・キャピタルワークス SBI証券・楽天証券・松井証券・マネックス証券など

ひふみプラスは、楽天証券やSBI証券の人気ランキングで上位に位置しているアクティブファンドです。インデックスファンドに比べて信託報酬は高めであるものの、より積極的に資産を増やす運用に向いています。

主に日本企業に投資しているので、国内に投資をしたい人や日本の企業を応援したい人は検討されてみるとよいでしょう。

4.つみたてNISAの銘柄解説・ETF編

ETF(Exchange Traded Fund)は上場投資信託の略です。日経平均株価の値動きを追うことで、所持しているETFの値上がり・値下がりが簡単に把握できるようになっています。ETFは複数の銘柄で構成されており、1つ購入するだけでも分散投資につながります。

以下では、ETFの銘柄もみていきましょう。

4-1.ダイワ上場投信

信託報酬 純資産総額 委託会社 販売証券会社
0.11% 56,725.61億円 大和アセットマネジメント 大和証券野村證券ゴールドマンサックス証券など

ダイワ上場投信は、信託報酬の安さが魅力のETFです。長期の運用も低コストで行えます。組み入れ銘柄にはトヨタなどの日本企業が多いのも特徴です。しかし、ETFでは株式の売買と同様の購入手数料が必要となるので、投資信託とは料率が異なることに注意しましょう。

ダイワ上場投信は多くの証券会社で取り扱われているので、購入しやすい点がメリットです。

5.つみたてNISAで銘柄を購入するときの注意点

つみたてNISAを購入する際の注意点としては、元本割れの可能性があることと、一度購入してしまうとなかなか銘柄変更ができないということです。

同じ積立投資であるiDeCoでは、投資信託の入れ替えを行うスイッチングがいつでも簡単に可能です。しかし、つみたてNISAでは事実上スイッチングはできません。銘柄を変更する場合は、購入していた銘柄への投資をストップさせて売却し、新たに別の銘柄を購入する必要があります。仮に資産を売却してしまうと非課税枠を消費してしまうため、つみたてNISAのメリットが削がれてしまうので注意しましょう。

つみたてNISAで銘柄を購入する際は、慎重に選ぶことをおすすめします。

まとめ

つみたてNISAは、これまで投資経験がなかった人でも気軽に始められる少額投資非課税制度です。元本割れのリスクはあるものの、金融庁が厳選した銘柄ばかりなので通常の投資信託購入よりも選びやすく、投資初心者でも長期的な資産形成を目指せます。

それぞれの銘柄の性質を理解し、リスクを軽減させつつ、長期運用を行っていきましょう。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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