外国株式の投資信託、メリット・デメリットは?具体的なファンドも解説

外国株式の投資信託を購入することは、日本以外の国や地域の企業への投資を意味します。全世界・先進国・新興国など、さまざまな地域に対して分散投資が可能です。

しかし「外国株式のメリットは?」「外国株式の投資信託を利用する上で気を付けておくことはある?」といった、疑問の声も多く聞かれます。この記事では、外国株式の投資信託について詳しく見ていきます。外国株式の投資信託のメリット・デメリットや購入できるファンドについて知り、購入を検討する際の参考にしてください。

目次

  1. 外国株式の投資信託の種類
  2. 外国株式の投資信託のメリット
    2-1.少額から外国株式に投資できる
    2-2.成長が期待できる
    2-3.世界的大企業へ投資できる
    2-4.分散投資でリスク軽減
  3. 外国株式の投資信託のデメリット
    3-1.為替変動のリスクがある
    3-2.値動きが大きい
    3-3.情報量が少ない
  4. 外国株式の投資信託ファンド解説
    4-1.SBI・全世界株式インデックス・ファンド
    4-2.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース 為替ヘッジなし
    4-3.UBS中国新時代株式ファンド(年1回決算型)
  5. まとめ

1.外国株式の投資種類

外国株式とは、日本以外の外国の企業が発行している株式のことです。昭和40年代半ばから、日本の証券会社を利用して外国株式を購入できるようになりました。そして、外国株式に関する投資信託には主に以下の形式があります。

  • 米国株など国単位の株式
  • 先進国株
  • 新興国株
  • 全世界株式

購入できる投資信託は、米国や中国など、国単位でのものだけではありません。地域別に外国株式の種類があり、それぞれに特徴を把握しなければなりません。

投資信託における先進国株式とは、経済や技術などが発展していて、国民の生活水準が高い国々の株式を投資対象とするものです。日本を除くアメリカ・カナダ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スペインなど、22か国程度の上場企業で構成されています。

新興国株式は、今後の成長が期待できる国の株式のことです。投資信託の新興国株式の区分として、主なものには中国・ブラジル・ロシア・インドといった国が挙げられます。政治経済などの面では先進国にもかかわらず、投資信託では新興国として扱われる国も多いのが特徴です。

そして、上記の先進国株式・新興国株式を含む投資信託として、全世界株式があります。全世界株式は日本を除くもの・日本を含むものの2種類に分かれます。

2.外国株式を投資信託で購入するメリット

外国株式の投資信託は、種類ごとの特徴を把握したうえで投資を行うことがポイントです。ここでは、外国株式の投資信託のメリットを見ていきましょう。

2-1.少額から外国株式に投資できる

投資信託を利用した場合、少額から外国株式への投資が可能です。投資信託は月々100円からの購入が可能な証券会社も多くあります。一方、株式投資の最低投資額は数万円~数十万円が必要となります。

株式投資では、自身で運用を行うため売買手数料は安価です。対して、投資信託は信託報酬がかかるものの、プロが運用します。そのため投資信託は、投資対象に迷う場合や、分散投資を手軽に行うのに適した手段だといえます。

2-2.成長が期待できる

世界には、今後の成長も期待可能な国や地域が多くあります。外国株式の投資信託を購入することで、成長が見込める国や地域へ分散投資が可能です。加えて、日本よりも成長幅が大きい国や地域の投資信託を購入した場合、将来的に大きなリターンも期待できます。

外国株式を扱う投資信託を購入することで、間接的にそれぞれの国や地域を代表する数十社以上の企業に投資することができます。有力銘柄を選ぶ手間なく成長株を狙えるのもメリットです。

2-3.世界的大企業へ投資できる

外国株式の投資信託には、世界的大企業の株式も多く組み入れられている場合がほとんどです。例えば、米国株式や先進国株式には、Google・Amazon・Facebook・Apple・コカコーラといった大企業が名を連ねていることが多くあります。

大企業への投資は、上場して日が浅い新興企業に比べると大きな値上がりは期待できないものの、リスクは軽減できます。堅実に資産運用をしたい場合は、先進国の主要企業を対象とした投資信託が向いているといえます。

2-4.分散投資でリスク軽減

分散投資とは、値動きの異なる複数の投資対象に資産を分散することで、リスクを軽減させる手法です。例えば、1つのファンドに集中して投資すると、そのファンドが値下がりした場合は資産額全体の減少に直結します。

投資信託は単体でも分散投資効果がありますが、例えば先進国株式だけを扱うファンド1つに投資するよりも、債券型ファンドを合わせて購入したり、株式・債券・コモディティなど様々な対象に投資を行うバランス型ファンドを購入したりすることで、より分散効果が高くなります。

このように、投資信託の分散効果は通常の株式投資に比べて高く、リスクを抑えた資産運用がしやすくなります。

3.外国株式の投資信託のデメリット

外国株式の投資信託には、デメリットも存在しています。投資信託で株式を保有する際のリスクを把握することは重要です。

3-1.為替変動のリスクがある

為替変動リスクとは、2つの通貨(円と米ドルなど)の為替レートが変動することで、資産価値が変わるリスクを意味します。為替レート次第では、利益が増減するリスクは常にあるといえます。

「為替ヘッジあり」の投資信託を選ぶことで、為替変動の影響を減らすことが可能です。ただし、為替ヘッジがある投資信託は、為替ヘッジがないファンドに比べてコストがかかる点には注意が必要です。

3-2.値動きが大きい

外国株式には経済成長率が高い国が多いため、国内株式と比べて高い利回りが期待できます。一方で値動きが大きく、安定しない点はデメリットです。特に新興国株式は国内政情が安定しない・内戦があるなど、多くのリスク要因があり、大きく値下がりする可能性は無視できません。

また、国独自のリスクは、「カントリーリスク」と呼ばれています。外国株式を購入する場合は、カントリーリスクがあることを知っておきましょう。日本株や他の国・地域の株を購入する分散投資を行うことでリスク軽減が可能です。

3-3.情報量が少ない

日本株式や米国株式の場合、ニュースで株価や国の情勢を知る環境がある程度揃っています。しかし、南米やアフリカなどの国は情報を手に入れることも容易ではありません。

株価や国の情勢を知るためには、能動的に動く必要があります。投資家自らニュースサイトを見に行く、当該国の言葉で書かれている記事を翻訳するといった行動も必要です。そのため、外国株式の情報が少ない点はデメリットだといえます。

4.外国株式の投資信託ファンドを解説

ここでは、外国株式の投資信託で、日本国内で購入できる具体的なファンドの解説をします。それぞれの投資信託を確認していきましょう。

※2020年7月21日時点の情報です。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

4-1.SBI・全世界株式インデックス・ファンド

信託報酬 0.1102%
純資産総額 8,189百万円
基準価額 10,733円
委託会社 SBIアセットマネジメント
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISA・つみたてNISAあり
購入できる金融機関 SBI証券
楽天証券
岡三オンライン証券
auカブコム証券
SMBC日興証券
マネックス証券
松井証券
GMOクリック証券
筑邦銀行

SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))は、全世界を対象とした外国株のファンドです。主に「グローバル株式インデックスマザーファンド」を通じて、日本を含む世界の株式へ投資を行います。

FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指し、運用を行います。FTSE グローバル・オールキャップ・インデックスとは、全世界の株式市場の指数です。

NISAやつみたてNISAでも取り扱われている投資信託です。日本を含む全世界株式に投資できる外国株式となっており、信託報酬が0.1102%とコストが低い点が特徴です。

4-2.アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース 為替ヘッジなし

信託報酬 1.727%
純資産総額 171,414百万円
基準価額 32,787円
委託会社 アライアンス・バーンスタイン
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISAのみ
購入できる金融機関 LINE証券
SBI証券
auカブコム証券
SMBC日興証券
マネックス証券
楽天証券
大和証券
野村證券
東京スター銀行
三菱UFJ銀行など

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコースは、アライアンス・バーンスタイン・米国大型グロース株マザーファンドを通じて、成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資します。ベンチマークはS&P500株式指数です。

S&P500株価指数とは、アメリカの投資情報会社であるS&Pが算出、公表している株価指数です。S&P500株価指数は時価総額加重平均型であるため、米国の主要500銘柄のうち時価総額の大きな銘柄(大型株)の動きに大きく影響されます。

500銘柄の中にはMicrosoft・アップル・Amazonといったアメリカの上場企業が組み入れられています。

4-3.UBS中国新時代株式ファンド(年1回決算型)

信託報酬 2.083%
純資産総額 31,738百万円
基準価額 14,062円
委託会社 USBアセット・マネジメント
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISAのみ
購入できる金融機関 SBI証券
auカブコム証券
LINE証券
楽天証券
野村證券
東洋証券
新生銀行
東京スター銀行
三菱UFJ銀行など

中国籍、香港籍もしくは主に中国に活動拠点を置く企業等の株式(預託証書等を含みます)が主な投資対象です。 成長が期待される中国・香港の中から、市場シェアやブランド力を背景に、業界内で圧倒的な競争力を有する企業を選別して投資を行います。

なおUBS中国新時代株式ファンド(年1回決算型)は、つみたてNISAでの取り扱いはありません。

まとめ

外国株式の投資信託は、分散投資や少額投資に対してメリットのある金融商品です。日本国内の証券会社など多くの場所で購入することができます。投資信託は元本割れのリスクがあるものの、分散投資をすることでリスク軽減が可能です。

投資信託は基本的に、中長期的な目で投資する金融商品です。購入や運用にあたっては、投資する国の情勢の確認など、広い視野を持って情報収集が必要です。

外国株式の投資信託の中には、値動きが大きいファンドや比較的安定しているファンドなど様々あります。先進国株式や新興国株式といったタイプごとの特性を知り、購入する投資信託を検討してみましょう。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
外国株式の投資信託、メリット・デメリットは?具体的なファンドも解説