高配当銘柄のメリット・デメリットは?選び方や代表的な企業も10社紹介

株式の利益には、売却益である「キャピタルゲイン」と配当などの「インカムゲイン」があります。高い配当が出せる企業は、配当の原資ととなる利益を生み出せる事業基盤や積極的な株主還元姿勢などがあります。

今回は、高配当銘柄の特徴と選び方、投資するメリット・デメリット、代表的な銘柄を紹介します。

目次

  1. 配当とは
    1-1.「高配当銘柄」は配当利回りで考える
    1-2.高配当銘柄の目安は配当利回り3%
  2. 高配当銘柄を選ぶポイント
    2-1.過去の配当を確認する
    2-2.長期的に利回りが期待できる銘柄を買う
  3. 高配当銘柄のメリット
    3-1.3-1.株式保有中にインカムゲインが得られる
    3-2.株価の変動に比べると配当の変動は少ない
  4. 高配当銘柄のデメリット
  5. 高配当の著名企業銘柄10選
  6. まとめ

1.配当とは

配当とは、会社が得た利益の一部を株主に還元することをいい、株主が保有する株数に比例して分配されます。たとえば1株当たりの配当金が100円なら、100株保有している株主は1万円、1,000株保有している株主は10万円というように、保有している株数に応じて受け取れる配当金も多くなるのです。

会社の利益が多ければ、配当も多くなる傾向があります。ただ、赤字のときや企業の方針によっては配当がでない場合もあります。

1-1.「高配当銘柄」は配当利回りで考える

高配当銘柄とは配当が多い銘柄のことですが、単純に配当金の額が多ければ高配当というわけではありません。A社の年間配当金額が50円、B社の配当金額が20円だとすると、A社の方が高配当のように見えますが、実際にはその株をいくらで買えるのかを考えなければいけないのです。

そこで、高配当銘柄を見極めるためには、「配当利回り」を計算します。配当利回りとは、株価に対する年間の配当金の割合を示したもので、計算式は以下の通りです。

配当利回り(%)= 1株当たりの年間配当金額 ÷ 1株あたりの株価 × 100

さきほどのA社の株価が2,000円、B社の株価が500円だとすると、それぞれの配当利回りは、次のようになります。

A社:50円÷2,000円×100=2.5%
B社:20円÷500円×100=4%

配当利回りで比べると、B社の方が高配当銘柄だと判断できるのです。

1-2.高配当銘柄の目安は配当利回り3%

東証一部の予想配当利回りは2.08%(2020年7月時点。日本取引所グループ調べ)です。一般的に高配当銘柄の目安は「3%」を超えていることとされています。

2.高配当銘柄を選ぶポイント

証券会社の検索ツールやWebサイトなどで配当利回りランキングを確認すれば高配当銘柄はすぐに分かりますが、以下のポイントに注意して銘柄を選ぶ必要があります。

2-1.過去の配当を確認する

業績変動が大きい銘柄では、直近の配当がたまたま高額だった可能性もあります。また記念配当などで一時的に配当金を増額している場合もあるので、過去の配当金を確認し、同じ水準の配当を継続して行っているかを確認するようにしましょう。

2-2.長期的に利回りが期待できる銘柄を買う

高配当銘柄への投資は、株式投資の基本の一つです。株式投資は会社にお金を提供し、その見返りとして会社の利益の一部から配当金を受け取るものだからです。

ただし配当は購入時点で確定しているわけではありません。業績が悪化すれば配当は減らされ、配当利回りは低下する可能性があります。そのため、高配当銘柄を選ぶ際は、たんに配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有しても業績悪化による減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切なのです。

3.高配当銘柄のメリット

高配当銘柄を購入するメリットは以下の通りです。

3-1.株式保有中にインカムゲインが得られる

高配当銘柄を保有する最大のメリットは、高い配当を受け取れることです。また株式を保有し、何年か後に値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資家でも、保有期間中に高い配当金をもらいながら、売却して値上がり益を得られるという投資が可能になるのです。

3-2.株価の変動に比べると配当は変動が少ない

株式の利益には値上がり益である「キャピタルゲイン」と、配当や株主優待などの「インカムゲイン」があります。株価は1日で10%変動することも珍しくありません。キャピタルゲイン狙いの投資では、大きなリターンを得られますが、大きな損失がでる可能性もあるのです。

しかし配当は、業績が堅調であれば減配するリスクは小さくなります。日々の株価の値動きで一喜一憂したくないという投資家にとって、配当収入は魅力です。業績の悪化に注意しなければいけませんが、四半期ごとの決算を確認しておけばいいので、あまり手間はかかりません。配当狙いなら、日中忙しい人でも投資しやすいといえます。

4.高配当銘柄のデメリット

高配当銘柄の注意点としては、株価が下落している銘柄の配当利回りが高く見えてしまうことです。株価が低いということは、なんらかの問題を抱えている可能性もあるので、財務諸表やニュースをチェックし、会社の状態を確認するようにしましょう。

また2020年のコロナショックのように、経済や経営環境が大きく変わると、配当が修正されて減配になったり無配になったりする可能性があります。そのような場合には、株価の大幅な値下がりが予想されます。ただし、これまで長期にわたって配当を出し続けていた企業の場合、業績が回復すれば増配や復配する可能性も高いので、一時的に減配や無配になった銘柄を買うのも一つの方法です。

5.高配当の著名企業銘柄10選

不安定な相場環境では、高配当銘柄の人気が高まります。今後の景気への不透明感から、利益が大きい企業やインカムゲインへの注目度が高まるからです。

以下では、高配当の有名企業銘柄を紹介します(下記数値はすべて2020年7月27日時点)。

JT(2914)

株価 1,897.5円
予想配当利回り 8.11%

たばこ事業が中核の企業。M&Aにより海外たばこ事業も拡大中です。予想配当利回りが8%台と高くなっています。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

株価 415.8円
予想配当利回り 6.01%

国内最大の民間金融グループで、銀行だけでなく証券や信託・カード・リースなども展開。アジアや米国での展開も進んでいます。

三菱商事(8058)

株価 2,253円
予想配当利回り 5.94%

総合商社の大手で、三菱グループの中核。資源を中心に、機械や食品、化学など事業基盤が厚くなっています。

住友商事(8053)

株価 1,252.5円
予想配当利回り 5.58%

住友系の総合商社。資源は非鉄が軸で、CATVなどメディア関連も強いのが特徴です。

NTT(9432)

株価 2,552.5円
予想配当利回り 3.91%

国内通信のガリバー。地域固定電話網を独占し、携帯や光回線でも高シェアを占めています。通信は景気動向に影響を受けづらい業種の一つです。

NTTドコモ(9437)

株価 3,000円
予想配当利回り 4.00%

国内の携帯電話で4割強のシェアを誇る国内最大手。NTTグループの中核で、非通信事業も拡大中です。

武田薬品(4502)

株価 3,807円
予想配当利回り 4.72%

国内製薬首位。消化器や希少疾患、がんなどに重点を置いています。シャイアー買収など、巨額買収で世界売上10強入りしています。

ソフトバンク(9434)

株価 1,429円
予想配当利回り 6.01%

ソフトバンクグループ中核の携帯会社。ソフトバンクとワイモバイルに加え、格安スマホも展開しています。

キヤノン(7751)

株価 2098.5円
予想配当利回り 7.62%(7月28日の減配発表により4.51%に低下)

事務機器やカメラの最大手で、ミラーレスカメラに注力しています。また、液晶露光装置や半導体、監視カメラも展開しています。

新型コロナウイルスの感染拡大によるオフィス閉鎖が響き、複合機などの販売が減少。第2四半期末配当を、前年同期比40円減の40円としたことで、予想配当利回りも低下しました。それでも、4%以上の高配当利回りとなっています。

野村不動産ホールディングス(3231)

株価 1,907円
予想配当利回り 4.19%

「ブラウド」ブランドなどのマンション開発や分譲が主力。また、自社ブランドのホテルや賃貸も展開しています。

まとめ

高配当銘柄は、長期的に保有していれば配当金を多く受け取れるのが魅力です。ただし配当の額は決まっているわけではなく、業績悪化により減配や無配になる恐れもあります。

高配当銘柄が気になっている方は、この記事の内容を参考に検討を進めてみて下さい。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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