【暗号資産投資初心者向け】現物スプレッドの比較と暗号資産取引所の選び方
証券会社を経て、暗号資産(仮想通貨)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。
目次
コロナショック以降、暗号資産のマーケットは拡大の一途を続けています。去年から機関投資家の参入が報告されているほか、G20が現金に変わる決済手段としてデジタル資産の容認したことや、日銀がデジタル資産の利用方法の検討を開始したことなど、業界にとって追い風となるニュースが出ている状況です。
日本でも暗号資産取引所の新規口座開設数が増えてきており、この傾向は今後も継続すると期待されています。FX(外国為替取引)や株式のトレード経験者の中には、暗号資産市場に参入する流れも期待できる反面、リスク特性の違いのために大きな損失を被る投資家も出てくると予想されます。
ここでは、これから中長期的に暗号資産を保有したいという方に向けて、暗号資産取引所3社のスプレッドに焦点を当て、どこが割安なのか?という点を解説したいと思います。
①暗号資産取引所の「販売所」について
暗号資産市場で初心者が一番利用しやすい取引サービスは「販売所」でしょう。暗号資産を購入するには「販売所方式」と「取引所方式」という2つの取引方法があります。
販売所方式とは、取引所を運営している会社が相対して取引を成立させるものであり、取引相手はその企業となります。一方の取引所方式は暗号資産取引所が提供する「板」を舞台に、他のユーザーを取引相手に資産の売買を行う仕組みです。
初心者にとって取引所方式は複雑な注文方法など仕組みを理解するまでに時間がかかる場合もあり、嫌がる投資家もいるようです。それに対して、販売所方式はワンクリックで注文を出すことができ、画面もシンプルなので、初心者の方はまず販売所取引で行うことが多いと言われています。
上図はコインチェック(Coincheck)の販売所取引の購入画面です。数量を入れるだけでレートが表示され、円換算の合計金額が出てくるため、初心者にとっても利用しやすくなっています。
コインチェックは暗号資産が流行した2017年に大きな取引高を占めていました。日本人にとって、こうした取引画面の利便性に対するニーズはとても大きいと言って良いでしょう。
それでは次に、現物取引にかかるスプレッドについて解説したいと思います。
②現物取引のスプレッド
上図はGMOコインの販売所です。スプレッドというのは、画面中の「買い値」と「売り値」の価格差を指します。このスプレッドは暗号資産取引所の収益の源泉となるため、ユーザーにとっては実質的な取引コストとなります。
それでは次にコインチェック、GMOコイン、SBIVCトレードのスプレッドをみていきたいと思います。
③現物ビットコインのスプレッド比較
コインチェックの場合、スプレッドは色々なサイトから総合的にみて約6%程度となっています。
GMOコインの場合、先ほどの画像中のデータを見ると売り買いのレート差が約5万円となっており、4%前後のスプレッドとなっています。このようにしてみるとコインチェックのスプレッドが大きいことが理解できるでしょおう。
そしてSBIVCトレードの場合、以下の決算資料を用いて確認することができます。
画像中のGMOコインやコインチェックのスプレッドは、先ほどの数値と異なっています。スプレッドは市場環境に応じて変動するため、違いが生じることはご理解ください。
さて、SBIVCトレードのビットコイン販売所のスプレッドは2%を切っており、競合他社と比べて現物の販売所方式のスプレッドとしては最も狭くなっています。SBIVCトレードは暗号資産をスタートさせたい時に良い暗号資産取引所と言えるでしょう。既にSBI証券で証券口座を開設していると色々と使いが手が良い面もあります。
スプレッドについて解説したところで、最後にこの3社の使い方について考えてみたいと思います。
④3つの暗号資産取引所の利用方法
今回は現物取引のビットコインのスプレッドについて比較した結果、SBI VCトレードが最も狭いことがわかりました。しかし、3社の中でSBIVCトレードが一番良いかと言うと、それはユーザーの目的によって異なります。
まずコインチェックの場合、確かに現物の販売所の手数料(スプレッド)は高いと言えます。しかし、コインチェックはユーザーフレンドリーなインターフェイスを備え、「Coincheckつみたて」や「貸仮想通貨」などのサービスが充実しています。初めて投資を経験するユーザーが中長期的に利用したいと思えるようなサービスを複数提供しています。
「Coincheckでんき」や「Coincheckガス」もその一つのサービスと言えます。コインチェックは、初心者が「最初に選択する場所として最適」との定評がある取引所です。現物のスプレッドのみで判断せず、同社のサービスを考慮した上で判断することをおすすめします。
- アルトコインレバレッジの通貨数が豊富
- 取引所レバレッジ取引とFX取引が用意されている
どちらかといえば、レバレッジ取引を積極的に行って資産効率を上げたいトレーダーに向いている取引所と言えます。
こちらはGMOコインの暗号資産FXの画面ですが、銘柄数が豊富な点は大きなメリットです。レバレッジ取引で自己資産以上の取引を行いたい方は是非利用してみるといいでしょう。
最後はSBI VCトレードです。こちらは先ほど紹介したように、3社の中でも現物ビットコインのスプレッドが最狭なので、現物取引に利用しやすい取引所です。
SBI VCトレードはレバレッジ取引を提供していない点、そして銘柄数が3種類(ビットコイン、イーサリアム、XRP)に限定されている点がデメリットになっています。SBI VCトレードのメリットを享受できるのは、現在のところ3つの資産の投資家に限定されている様です。
このように、暗号資産取引所には一長一短があります。そのため投資家がそれぞれの目的応じて、暗号資産取引所を選ぶと良いでしょう。口座開設は無料ででき、管理手数料もかかりません。とりあえず口座を開いて各社サービスや機能を覗いてみるというスタンスで、利用してみることが大切です。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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