【社長インタビュー】「国内で選択肢を増やしていく」GMOコインが目指す暗号資産のこれから

新型コロナ禍の影響で世界経済が不安定化する中でも、資産の安全な逃避先として金やビットコインの需要が高まっています。

そんな中、GMOインターネットグループで暗号資産交換業等を営むGMOコイン株式会社は、2020年5月でサービス開始3周年を迎え、新銘柄の取り扱い開始や貸暗号資産といった新サービスの提供など、積極的にサービス展開を行っています。

今回HEDGE GUIDE編集部は、そんなGMOコイン代表取締役社長である石村富隆氏に事業戦略や今後の展望をお伺いしてきました。

話し手:GMOコイン株式会社 代表取締役社長 石村 富隆(いしむら とみたか)氏

    1997年東洋信託銀行株式会社(現:三菱UFJ信託銀行株式会社)入行後、株式会社ライブドアにて外国為替証拠金取引ビジネスの立上げに従事。その後、OANDA Japan株式会社の設立および代表取締役に就任、GMO CLICK UK LIMITED(現:GMO-Z.com Trade UK Limited)の取締役CEOを経て、2017年12月よりGMOコイン株式会社の社長に就任。

インタビュー概要

  1. GMOコインの成長要因
  2. 初心者でも安心のセキュリティ体制
  3. 初心者は「少しずつ」始めることが大切
  4. 国内で暗号資産の選択肢を増やしていく
  5. 生きていく上で投資は避けて通れない時代
  6. 編集後記

1. GMOコインの成長要因

Q: サービスの開始から3周年、ここまで成長できた要因や、同業他社との違いや特徴を教えてください。

2017年にスタートしたGMOコインですが、2017年の年末から2018年にかけては暗号資産のマーケットが盛り上がっていたので、最初の立ち上がり時はマーケットの成長に助けられたと思っています。通常、立ち上がり時の顧客獲得は難しいのですが、GMOコインの立ち上げの際には対応するのが大変になるほどのお客様が来てくださいました。また、GMOフィナンシャルホールディングスではトレーディングサービスを行っており、今回お客様にさらに幅広くリーズナブルな金融商品を楽しんでもらうためにもともとGMOクリック証券で養ったノウハウを使い、GMOコインを立ち上げました。マーケットの成長とグループとしての経験の2つに後押しされて、GMOコインはここまで成長できたと思っています。

Q: 2020年5月1日法改正後に、他社よりも先駆けて第一種金融商品取引業者登録をされていた背景を教えてください

もともと1年前から法改正の前から法改正があることはわかっていたので、我々としては前もって準備しながら法改正に合わせて登録していったので、スケジュール通りでした。法律に合わせて対応しているという面では、「あたりまえにやるべきもの」として登録しました。

Q: 2020年5月1日法改正によって、どのような影響が出る想定でしょうか?

法改正には暗号資産特有のルールも含まれており、資本の要件や財務の健全性がかなり高い基準で問われています。それにより、どの業者も参入できるようなビジネスではなくなってきており、これは参入障壁になると思っています。いま残っている業者は、ある程度財務の状況や基盤はしっかりしていることを意味するため、お客様にはこれまで以上に安心してマーケットに参加してもらえるのではないでしょうか。

GMOコインランディングページ

画像提供:GMOコイン

2. 初心者でも安心のセキュリティ体制

Q: 初心者の方が持つセキュリティに対する不安に対して、どういった取り組みをされていますか?

暗号資産は、どうしても初心者の方にリスクが高いイメージを持たれてしまいがちですよね。我々はお客様の大切な資産をお預かりしていますので、そういった意味ではそれがキャッシュであれ暗号資産であれ、やるべきことは大きく変わらないと思っています。管理に関して責任を持っているので、お客様には安心してGMOコインを利用して欲しいですね。

具体的には、基本的にはお客様からお預かりした暗号資産はインターネットから隔離されたコールドウォレットで100%管理しています。お客さんの利便性を上げるにはホットウォレットも必要だとは思いますが、我々に預託していただければコールドウォレットで管理されますので、このことは安心できる要素の一つだと思います。

GMOコインのセキュリティ対策

GMOコインのセキュリティ対策 画像:GMOコイン公式サイト

3. 初心者は「少しずつ」始めることが大切

Q: 初心者の方へは、どのようなアプローチをしていますか?

我々のお客様には初心者の方も多く、「他の金融商品には投資していないけど暗号資産投資はやっている」といった方がいますが、既存の為替FXに近いサービスも提供しているので上級者の方もいたりと、お客様の層は幅広いです。初心者の方にとって暗号資産はややこしい部分もあるので、そこは丁寧にサポートしていきたいと思っています。GMOコインでは、お客様からの質問や困っていることも分析しながら、あったほうがいいコンテンツやサポートを用意し、どんな方でも気軽にストレスなく暗号資産投資を始めていただけるような体勢を整えています。

GMOコインのスマートフォンアプリは、実はもともと初心者向けではなく、既存の為替FXから来られた方がやりやすいモノを提供していました。しかし、そのままですと初心者の方が難しいと感じてしまう部分もあったので、お客様の声を聞きながらわかりやすく、初心者から上級者まで利用しやすいようにアップデートしています。

Q: 投資初心者が暗号資産を始める上で、気をつけなければいけないことはなんですか?

少しずつやってみることですね。書籍やWebメディアの記事などから、なんとなく暗号資産は「すごい儲かりそう」というイメージ持たれがちですが、やはり最初は少しずつ始めるべきです。暗号資産は数百円からでも始められますし、まずはアプリの使い方を学ぶために始めてみて、わかってきてからある程度まとまって余裕のある資金でお取引を始めてください。

GMOコインのサービスラインナップには「取引所(現物取引)」「取引所(レバレッジ取引)」、「販売所」と「暗号資産FX」の4つがありますが、基本的に初心者の方は現物取引から始めてみるのがいいと思います。販売所は一目見ただけで売り買いが出ているので、比較的簡単です。内容がある程度わかってきてから取引所に挑戦してもいいと思います。

為替や株と違って、暗号資産は価格が動く要素を見分けることが難しいです。株は企業の業績が良ければ上がっていくのでわかりやすいですが、暗号資産は株や為替というものと違った動きがあるので、その辺はニュースを見ながらマーケットを掴むことが大切です。

4. 国内で暗号資産の選択肢を増やしていく

Q: 暗号資産を世に広めるために行っていることはありますか?

暗号資産を世に広めるというよりは、世にある暗号資産の取引をいかに簡単にストレスなく安全に取引していただくことができるかが我々の使命だと思っています。コストも他社と比べて安く提供しているのは、どちらかというといかに取引しやすい環境を提供するかにフォーカスしているからです。マーケット的にもアセット的にも、今後暗号資産の重要度は増していくので、いかにスムーズに取引できるかを目指しています。

GMOコインの各種手数料

GMOコインの各種手数料 画像:GMOコイン公式サイト

日本では規制上取り扱いができない暗号資産も多く、現在GMOコインでは9つの暗号資産の取引が可能ですが、9つではまだまだお客様の選択の幅が狭いのは確かです。取引したい銘柄が日本の取引所にはないので、海外で取引しているという方もいらっしゃるのが現状ですが、やはり海外取引所での暗号資産投資のハードルは国内と比べても高くなります。そのため、お客様の保護を第一にルールに従いながらも、新しい銘柄は徐々に増やし、国内での暗号資産の選択肢を増やしていきたいです。

Q: 国内初でBATの取り扱いを開始し話題になっていましたが、それまでの背景や選定基準をお伺いできますか?

もともとBATは、海外ではブラウザ広告のリワードとして独自の方法で収益を得られるコンセプトがありました。「もしかして海外だけではなく日本にもBATを持っている人がいらっしゃるのでは?」と思い、そうした方が海外でしかBATを法定通貨に変えられないとなると、国内でのマーケットが広がりにくいですよね。日本の暗号資産の取引の強みは暗号資産を日本円に変えられることが大きいと思っていて、我々がBATを導入することで日本でBATを持っている方が日本円に変えられる利便性を得られればと思い、取り扱いを始めました。

そもそもユースケースとしてブラウザ広告のリワードとして貰うという使われ方が面白いですよね。数千という暗号資産がある中で、内容もやっていることもわかりやすいと感じたのが導入のきっかけです。

5. 生きていく上で投資は避けて通れない時代

Q: 新型コロナの影響はありましたか?

みなさん家にいることが増え、5月にはビットコインの半減期もあったので、取引量は増えました。ただ、この動きは暗号資産が特別そうだったというよりは投資全体に見られた現象で、株や為替は暗号資産より盛り上がっていました。暗号資産は株や為替とも違う動きをすることもあるので、別のアセットと組み合わせて取り入れていただくのもいいと思います。

Q: 投資初心者へのアドバイスがあれば教えてください

最近、投資の必要性を改めて感じます。銀行預金だけで利回りが出る世の中ではなくなっているので、投資は生きていく上でも避けては通れません。「知っていること」が何よりも大事だと思います。始めないと始まらないので、この機会に少しずつでも始めていただいて、楽しく暗号資産に触れていただければと思います。

GMOコインでも、取引高で業界一位になることを目標に、初心者の方にもわかりやすく取引してもらえる環境を作っていきます。

6. 編集後記

今回の取材で印象的だったのは、GMOインターネットグループとして堅実に粛々と事業に取り組んでいるGMOコインの姿勢でした。金融サービスを提供する会社としてお客様に安心・安全を提供しながらも、暗号資産を国内に浸透させるために選択肢を増やしていく、という一貫した考えのもと、投資初心者から上級者まで、幅広くアプローチをし、日々サービスの使いやすさを追求されていました。

新型コロナの影響でおうち時間が増え、投資に興味を持ち始めた方も多いと思います。この機会にぜひ、GMOコインでアプリをダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

GMOコイン
取扱暗号資産(販売所) 9種類
販売所・最小注文数(BTC) 0.0001BTC
法定通貨出金手数料 手数料無料(最低金額1万円/回、最大1,000万円/日)
暗号資産FX取扱銘柄 BTC/JPY、ETH/JPY、BCH/JPY、LTC/JPY、XRP/JPY、XEM/JPY、XLM/JPY、BAT/JPY、OMG/JPY
その他サービス 貸暗号資産、API
高機能トレードツール アプリ「ビットレ君」「GMOコイン 暗号資産ウォレット」
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