ビットコイン上昇トレンド時に天井を判断する方法。元トレーダーおすすめのテクニカル指標とは?

証券会社を経て、暗号資産(仮想通貨)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。

目次

  1. 相場の基本的な特徴
  2. エントリーポイントの見分け方と利益確定のタイミング
    2-1. 出来高
    2-2. 抵抗線と支持線のブレイク
  3. 相場の天井の見分け方とエントリーポイント
  4. 下落相場で利益を出すことがFXの利点

ビットコインの投資を行う際にテクニカル指標を参考にされる方も多いのではないでしょうか。ですが、どのテクニカル指標を使えば良いのかをはっきりとは分からないという方も多いと思います。

そこで、今回の記事では「ビットコインの上昇時に天井を判断する手法」をご紹介しながら、筆者が一押しのテクニカル指標の紹介、そして正しい使い方について解説していくので、ぜひご覧ください。

元トレーダーがおすすめする暗号資産のテクニカル指標は?

ビットコインが上昇トレンド時に天井か否かを判断するために有用な指標は以下の三つです。

  • RSI
  • ボリンジャーバンド
  • 一目均衡表

以下では、それぞれの指標の概要と正しい使い方を解説していきます。

1-1. RSI

RSIとは、ビットコインが「買われすぎか売られすぎかを判断するための指標」です。一般的にRSIが30を下回る水準が売られすぎで、70を上回る水準が買われすぎであると言われています。

しかし、この説明は厳密にいえば正しくありません。正しい説明は、「RSIの値が70より上にあったものが70を下回った時が売りのタイミング、逆に30未満にあったものが30上回った時が買いのタイミング」です。つまり、天井だと判断できるタイミングは「70よりも上に位置していたRSIが70を下回ったタイミング」となります。

下記がその実例です。

BTCUSDの日足チャートでRSIが70以上から70以下に低下するタイミングでエントリーすることで、その後下落トレンドを享受することができます。

RSI80を超えるような過熱感がある場合には、天井知らずに上昇していくということもあります。そうした際には、RSIが70を下回ってくるタイミングを冷静に見極めるようにしてください。

1-2. ボリンジャーバンド

「ボリンジャーバンド」とは、統計学で使用される標準偏差の考え方を利用して、移動平均線の上下に2本ずつ描かれる線のことを指します。

「標準偏差」という用語を使いましたが、いきなり標準偏差と言われてもピンと来ない方もいるかもしれません。この記事の中では、標準偏差の意味=「線(ボリンジャーバンド)の中に統計学的に収まる確率」と理解していただいて構いません。

上下2本ずつで表示されるボリンジャーバンドですが、中心の線に近い上下1本ずつを「上下ボリンジャー①」、離れた上下一本ずつを「上下ボリンジャー②」とここでは呼ぶことにします。統計学的には、「上下ボリンジャー①」の中に収まる確率が68.27%、「上下ボリンジャー②」の中に収まる確率が95.45%とされています。

つまり、「上ボリンジャー②」を上回る水準でビットコインの価格が推移している場合、天井であるという判断をすることができます。

「上ボリンジャー①」を上回る水準でエントリーするという方も中にはいますが、着実に利益を出していきたいという方は、「上ボリンジャー②」を用いて天井か否かの判断をするようにしましょう。

1-3. 一目均衡表

三つ目に紹介するテクニカル指標が「一目均衡表」です。個人的には一番使用頻度の高いテクニカル指標になります。

かなり複雑な指標ですが、見ておくべき点は3つあります。

  • 遅行スパン
  • 転換線と基準線

以上の3つが一目均衡表をテクニカル指標として理解するための三つの重要なポイントです。これら3つの見るべき点すべてが「売り」を示唆するタイミングが「三役逆転」といわれる現象で、価格が天井であることを強く示唆しています。

今まで紹介してきた2つのテクニカル指標とは異なり、少々複雑なものにはなりますが、その分習得した際には非常に使い勝手の良いものになるので、ぜひ習得してみて下さい。

遅行スパン

遅行スパンとは現在の価格を、当日を含む26日前の位置に記入し、現在の価格水準と過去の価格水準を比較するものです。価格の推移を過去にずらして表示させているだけなので、非常に単純なものといえます。

天井であるかを判断するためには、「遅行スパンが日々の価格を下回ってきた時」です。これが一つ目の「逆転」なので、覚えておきましょう。

転換線と基準線

転換線と基準線の求め方は以下の通りです。

  • 転換線:当日を含む(過去9日間の高値+安値)÷2
  • 基準線:当日を含む(過去26日間の高値+安値)÷2

移動平均線と似たような意味合いで捉えられることが多いので、この数式を見て違いを理解しておきましょう。ただ、この数式は特に覚える必要はないので、こういう感じで線が引かれているんだという理解をしておけば十分です。

「逆転」と呼ばれるのは、転換線が基準線を上から下へと割り込むことを指します。移動平均線でいうところのデッドクロスと似たような考えと捉えていただいても構いません。

雲(抵抗帯)

雲(抵抗帯)とは一目均衡表を表示させた際に出現する影の様な部分のことです。価格水準が雲の上に位置していれば「強い相場」、逆に下に位置していれば「弱い相場」であると判断することが出来るという指標です。雲における逆転現象とは、今まで雲の上に位置していた価格が雲を突破し下抜けてきた時のことを指します。

以上の3つの逆転現象が満たされたとき、価格が下落していく勢いは強くなり、「売り」で入ることで大きな利益を獲得する可能性が高まるということになります。

3つ全てを満たす前にエントリーをしてしまうという方も多いですが、その場合テクニカル上の「だまし」が増えてくるので、堅実に利益を重ねたいという方は、しっかりと「三役逆転」が出現するまで待っておくことが重要です。

テクニカル指標使用上の注意点

ここまで、3つのテクニカル指標の概要及び使い方について紹介してきましたが、最後に使用する上での注意点についてご説明します。

それは、利益優先で焦るあまり、テクニカル指標の分析をおろそかにしないようにするということです。現在、記事を読んでいる心理状態では「当たり前のこと」と感じる方も多いのではないでしょうか。ですが、実際のトレードの場面で冷静に判断をするということは非常に難しいです。上手く利益を出すことが出来ず、気持ちが沈んでいる時には、ついつい自分の都合の良いようにテクニカル指標に関する判断をしてしまいがちになります。

そういった時には、ぜひこの記事を読み返していただいて、正しいテクニカル指標の使い方を復習するようにして下さい。

また慣れてきた場合、上記のテクニカル指標を併用して利用することも一手です。テクニカル指標は当然、一つを利用して勝てるほどの絶対的な力を持っているわけではありません。そのため、テクニカル指標はいくつか組み合わせて利用することが一般的です。

例としてはRSIとボリンジャーバンドの併用などが考えられます。下記がその併用例です。

ローソク足上でボリンジャーバンド②を突破しているタイミングでRSIは70以上を示唆しています。エントリーのタイミングで早めに仕掛けたい場合はこのタイミングもありでしょう。当然、上記で記載したようにRSIが70以下に戻る過程で仕掛けることでもOKです。

早期で仕掛ける場合はどうしても騙しが多くなりやすいため失敗も多くなることから、

  1. 早期のエントリーで半分のポジションを取る
  2. 少しシグナルを確認出来た段階で更にポジションを取る

という方法も考えられるありでしょう。

もちろんテクニカル指標の利用数を増やすことでエントリーチャンスは減少しますが、勝率も高くなります。この組み合わせ方を考えるのがテクニカル分析の面白さでもあるので、色々種類を勉強し組み合わせながらチャートを見て判断してもらうと自分にあったテクニカル分析が可能となるでしょう。

天井を見分けるのは至難の技だがシグナルをしっかりチェックすること

ビットコインの価格が天井であるか否かを判断するために有用なテクニカル指標の概要、および正しい使い方についてここまで解説しました。

相場の天井や大底を見分けるのは至難の技です。しかし、「天井」であるというシグナルはいくつも発生します。例えば、上記のRSIの使い方も一つの例です。「70以上になったから売り」ではなく「70以上から70低下すれば売り」というように一つ一つをしっかりとチェックすれば、勝率を高めることができます。

覚えておくべきこととしては「天井をしっかりと捉えることを狙うのはやめましょう」ということです。プロであってもそうしたことをできる人はいません。大事なのは継続的に利益が上がるトレードを行うことであり、天井を捉える快感を得ることではありません。投資はギャンブルではなく投資ということを常に考えておきましょう。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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