成果連動型契約/ソーシャル・インパクト・ボンドに関する研究会開催
成果連動型契約(Pay for Success、PFS)やソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)の組成に取り組む財団、中間支援組織、企業や金融機関、行政などが参画する「成果連動型契約/ソーシャル・インパクト・ボンドに関する研究会」が発足、10月から活動を開始した。主催は特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパン、共催は株式会社日本政策投資銀行、一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)で、49団体(委員12団体、オブザーバー 37団体)が参画する。
SIIFによると、社会的投資やPFSによって民間の事業ノウハウや資金を活用し、社会的サービスを効果的に実施し、社会イノベーションを促進する動きが広がっている。政策モデルは1980年代に英国やニュージーランドでの導入が発端となったNPM(New Public Management)の潮流を組んでいる。近年は、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング(根拠に基づく政策形成)の流れと相まって、公的サービスを民間事業者に委託するにあたり、民間投資を活用、委託事業の実施による社会的成果(アウトカム)についての評価を実施し、その結果に連動した委託費の支払いを行う仕組みによって、公的サービスの社会的生産性を向上させる「成果連動型SIB」が普及、世界で132件、委託金額にして431百万ドル以上の導入実績(2018年末時点)がある。
日本でも、少子高齢化による社会的資源のひっ迫から、限られた予算を活用して最大限の社会的成果を達成する必要性が指摘される。2017年の神戸市の糖尿病性腎症の重症化予防、八王子市の大腸がん検診の受診率向上を先行事例に、広島県でも同じく大腸がん検診の受診率向上事業が実施されるなど、複数の自治体で実験的な取り組みが続いており、検討中を含めると全国で30以上の自治体で案件形成が進んでいる。内閣府でも、19年度にPFSやSIBを推進する成果連動型事業推進室が設置され、省庁横断での推進が行われている。
同研究会は内閣府・経済産業省・厚生労働省・法務省の中央省庁、10自治体、7社の金融機関を含む49社、団体で構成し、今月から12月まで計3回にわたって日本における成果連動型契約やソーシャル・インパクト・ボンドによる社会課題解決の取組について、課題と今後の取組の方向性について議論を行う。PFSやSIBの組成、資金提供に実績がある日本政策投資銀とSIIFの共催に加え、特別協賛として、「サステナビリティ宣言」のもと、環境・社会課題の解決やSIBへの取り組み姿勢を打ち出している株式会社三井住友銀行が参画。ステークホルダーのネットワーク形成にも寄与することを目指す。日程は10月12日、11月9日、12月8日。
本事業は、国際交流基金日米センターによる助成対象事業である「社会的投資と成果連動型契約(ソーシャル・インパクト・ボンド)についての日米交流プログラム」の一環として実施されている。
【関連サイト】一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)
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