貸付ファンドのFUNDS(ファンズ)、2020年3月期決算の内容は?

Fundsは上場企業を中心とした融資案件を取り扱っているソーシャルレンディングです。そのFundsを運営しているファンズ株式会社が2020年3月期の決算内容を発表しています。

運営企業の事業者リスクが課題となるソーシャルレンディング投資において、運営企業の業績がどのような状態にあるのかを確認することは重要なポイントとなります。

そこで本記事では、Fundsの決算内容から募集金額の推移や業績を確認し、今後の展望について考察してみます。Fundsでの投資を検討している方は、ご参考下さい。

FUNDS(ファンズ)

サイト名 Funds
URL https://funds.jp/
運営会社名 ファンズ株式会社
本社所在地 東京都港区西麻布3-2-1 北辰ビル 7F
設立 2016年
代表取締役 藤田雄一郎

【代表経歴】
早稲田大学商学部卒業後、株式会社サイバーエージェントに入社。2007年にマーケティング支援事業を行う企業を創業し、2012年上場企業に売却。2013年に大手ソーシャルレンディングサービスの立ち上げに経営メンバーとして参画。2016年11月にファンズ株式会社を創業。

資本金 11億6,500万円
上場有無 未上場
サービス開始年月 2019年1月
参考利回り 1.5%~6%
投資金額 1円から
累計応募金額 30億円超(2020年10月末時点)
運用期間 4ヶ月~12ヶ月程度(案件により異なる)

※最新情報に関しては上記サイトをご覧ください。

目次

  1. Fundsの第4期(2020年3月期)の決算を確認
    1-1.第4期は3億円を超える赤字
    1-2.前期に次いでの赤字
    1-3.資本剰余金は約4億7千万円
  2. Fundsの決算から分かる3つのポイント
    2-1.ソーシャルレンディングは黒字化に時間がかかる
    2-2.Fundsは多数の企業と資本業務提携を行っている
    2-3.自己資本比率は50%近い
  3. Fundsの2021年3月期はどうなる?
  4. まとめ

1.Fundsの第4期(2020年3月期)の決算を確認

Fundsの第4期となる、2020年3月期の決算の数字を確認してみます。

1-1.第4期は3億円を超える赤字

FUNDS第四期決算公告決算の数字を見ると2020年3月期の当期純損失は約3億3,565万円となっていますFundsの資産合計額が約8億6,500万円であることから、この当期純損失の金額は大きな数字であると言えます。

また、創業からの累計の赤字・黒字を表す利益剰余金の金額は約5億8,578万円となっています。つまり、累計の利益剰余金のうち、半額以上の損失は第4期で発生していることが分かります。

1-2.前期に次いでの赤字

FUNDS第3期決算公告第4期(2020年3月期)決算の内容を2019年3月期と比較してみましょう。

2019年3月期の利益剰余金は約2億5,013万円、第3期の当期純損失は1億6,152万円となっており、Fundsの赤字額は拡大をしています。

1-3.資本剰余金は約4億7千万円

一方で資産合計は第3期の4億556万円から、8億6,500万円までに増加しています。その数字の増加へ主に貢献しているのは資本剰余金で、1億3,816万円から、4億7,315万円にまで増えています。

資本剰余金は資本取引からの剰余金のことを指し、配当や返済など経営に必要な用途に使える性質があります。そのため、資本剰余金が多いことは、会社にとっては一定の資産力があることを示します。

2.Fundsの決算から分かる3つのポイント

Fundsの第4期の赤字決算について、今後の展望やリスクについて考察していきます。

2-1.ソーシャルレンディングは黒字化に時間がかかる

他のソーシャルレンディング事業者の経緯を見てみると、ソーシャルレンディングは黒字化に時間がかかる事業とも言えます。

例えば、海外の融資案件を扱うクラウドクレジットも、これまで短期の黒字化を達成したことがありません。

一方で、オーナーズブック(OwnersBook)を運営するロードスターキャピタルや、クラウドバンクを運営する日本クラウド証券は黒字化を達成しています。しかし、ロードスターキャピタルは不動産開発や販売事業という主事業があり、クラウドバンクも太陽光施設などの発電事業やコンサルティング事業を行っている背景があります。

Fundsのこの数字はまだ第4期であり、ソーシャルレンディング事業での黒字化までは、多少の時間を要すると考えられます。

2-2.Fundsは多数の企業と資本業務提携を行っている

事業者の赤字額が増大すれば倒産するリスクも増えていきます。一方、Fundsは多数の企業からの出資を受けており、資本剰余金を増加させています。

2020年にFundsはauカブコム証券、電通、三井住友信託銀行の3社と資本業務提携を行っています。これらの企業と資本業務提携を随時行っていることから、資本剰余金の金額も大きく増えていると考えられます。

2-3.自己資本比率は50%近い

また企業の体力を示す指標のひとつに、自己資本比率があります。自己資本比率とは会社の資産の中でも、借入資本などの他人資本と、資本金などの自己資本の割合を示す数字です。

Fundsの決算の数字を見ると、資産金額の合計が約8億6,500万円です。自己資本となる株主資本の数字は約4億1,000万円であることから、自己資本比率は50%近い数字になっています。

3.Fundsの2021年3月期はどうなる?

ソーシャルレンディングの売上は融資金額を増やすことで伸びます。つまり、融資を行う金額が増えれば、売上が増加しFundsの黒字化も近づきます。

Funds は、2020年10月から大幅に融資金額を増やしています。それまでは上場企業への融資案件を専門としていましたが、2020年10月からは銀行などから紹介を受けた融資先へも融資を行うようになりました。

2020年10月には初の単月募集金額5億円を達成しており、その後も3億円前後の募集ペースを続けています。募集金額を大幅に増やすことによって、Fundsの売り上げ、そして利益の増加が見込まれます。

一方、決算公告の数字では販促費や人件費など経費がどれくらい発生しているのかわかりません。Fundsは上場企業ではないため、IR情報は公開しておらず売上や経費などの詳細は不明です。

販促費など経費次第で、今後の売上や利益の金額は変化します。実際の利益が不透明である点は、Fundsのリスクであると言えるでしょう。

まとめ

Fundsの2020年3月期は、3億5,000万円以上の赤字となっています。決して小さな赤字ではなく会社経営においては、一定のリスクを考えなければいけないとも言えます。

一方自己資本比率は高く、また2020年にも有力企業から数多くの出資を受けていることから資本は強化されつつあるとも言えます。

また融資金額が増えており、売上の増加も見込めます。黒字化の達成は未知数ですが、数字が好転する可能性はあると言えます。今後も定期的Fundsの決算内容に注目し、投資判断の参考としてみましょう。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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