【仮想通貨取引所元トレーダーが解説】 BATに投資する上で注目すべきポイントは?
今回は、BATに投資する上で注目すべきポイントについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- BATとは?
1-1. Braveブラウザで利用可能なトークン
1-2. Braveの特徴
1-3. Braveの開発動向
1-4. BATの価格推移 - BATの今後の注目ポイント
2-1. ブラウザとしての利用が広がるか?
2-2. アルトコインとしての流通量
2-3. 短期テクニカル分析は機能しにくい - BATを購入できる仮想通貨産取引所
- まとめ
今回は日本の取引所でも取扱いが多く、注目を集めている仮想通貨(暗号資産)である『BAT(ベーシックアテンショントークン)』を取り上げます。BATの特徴から今後の予測、取引における注意点について解説します。
①BATとは?
BATは2017年5月にアメリカのBrave Software, Incにより、イーサリアムブロックチェーン上のERC20規格で発行されたトークンです。供給上限である15億BATが既に発行されており、マイニングや半減期はありません。BATは2020年に、日本の仮想通貨取引所GMOコイン、bitFlyer、コインチェックで上場を果たしています。
1-1. Braveブラウザで利用可能なトークン
BATの最大の特徴としては、Webブラウザ「Brave」上で利用できる点です。「ブラウザ」とは、ウェブサイトを見るのに必要なソフトを指し、ウィンドウズのInternet ExplorerやグーグルのChromeブラウザが有名です。Braveブラウザは、仮想通貨BATを組み込んだリワードシステムを導入しています。
1-2. Braveの特徴
Webブラウザ『Brave』の特徴は、広告を排除し、軽快なブラウジングが可能な点です。ウェブサイトの表示にかかる時間が、PCで2倍、スマートフォンでは最大8倍も速くなると言われています。広告をブロックすることにより、WEBページの容量が軽くなり、読み込み速度が速くなるという仕組みです。
さらに「Brave Ads」機能は、ユーザーが広告を閲覧することで報酬としてBATを蓄積できます。獲得したBATは Braveと提携したコンテンツや投げ銭に使用したり、他の人に贈与することも可能です(※海外のみ)。なお、日本ではBAPと言われるポイントで配布され、現在は換金するシステムが整っていません。ビットフライヤーがウォレットを開発し、運用されることによって換金ができるように設計される見通しです。
1-3. Braveの開発動向
Brave Software, Incは2017年5月のICO(イニシャルコインオファリング)で、わずか30秒で35億円の資金調達に成功しました。2018年2月にはアフィリエイトプログラムを活用して、1200万ドル分のBATの配布を開始しました。
2019年11月にはBraveブラウザを正式リリース、独自の広告システム BRAVE リワードを開始しました。Braveの2021年3月の月間アクティブユーザー数は2900万人、1日あたりのアクティブユーザー数は980万人となっています。
1-4. BATの価格推移
こちらは、バイナンスに上場した2019年7月から2021年3月現在までの推移を示すチャートです。BATはバイナンス上場からしばらくは、20円台で推移していました。2021年に市場全体の強気相場を受けて上昇し、2021年3月末に104円~131円の間で推移しています。
②BATの今後の注目ポイント
革新的な仕組みで今後の成長が期待されるBraveブラウザ、及びBATですが、今後の価格を左右するポイントについて解説します。
2-1. ブラウザとしての利用が広がるか?
仮想通貨市場では、トークンの実用性の高さが価値の裏付けとみなされる傾向があります。BATに関しては、ウェブブラウザとしての利用がどこまで拡大するのかという点が、最も大きなファンダメンタルズ要因となりそうです。
革新的であればあるほど、既得権を持つ者からの抵抗は激しくなるのは世の常です。Webブラウザの世界では Google Chromeがユーザー数25億人と圧倒的シェアを誇っています。新参者が同大綱するかがカギとなります。
広告機能を停止するBraveは、広告収入が全体の売上の98.5%を占めるGoogleにとって無視できない存在です。このまま見過ごすとは考えづらいと思います。
2-2. アルトコインとしての流通量
ファンダメンタルズの別の注目点として、BATを上場する取引所が、今後どこまで拡大するかも重要です。取引所が増えるほど価格を上げる要因となりますので、BATの新規上場の情報が入れば価格を押し上げる要因となりそうです。
2-3. 短期のテクニカル分析は機能しにくい
テクニカル分析での注意点の一番はBATに限らず時価総額の少ないアルトコインにテクニカル分析で使用するインジケーターを適用するはかなり難しい作業となります。アルトコインは特にそのボラティリティの大きさから短期のテクニカル分析がしにくい傾向があります。
例えば、メジャーなトレンド系指標である移動平均線を例にとっても、平均を算出するデータの中に特異値が多く発生し、特異値を含んだ平均で正確な状態を見れるかと言うと少々疑問に感じます。
また、オシレーター系のインジケーターを用いた時も買われすぎ売られすぎの差が出やすくなるので細かい売買タイミングのチェックは難しくなるでしょう。
そのため、BATを取引するときは、ある程度長期的なスイングトレードを考えた方が良さそうです。
③BATを購入できる仮想通貨産取引所
BATの「貸仮想通貨」や「つみたて」も可能なCoincheck
Coincheckはマネックスグループ株式会社の子会社であるコインチェック株式会社が運営している仮想通貨取引所です。CoincheckはBATを含めて16種類もの暗号資産を取り扱っており、国内では最多となっています。Coincheckでは販売所でBATを売買できるだけでなく、「貸暗号資産」や「つみたて」サービスでも利用できます。貸仮想通貨というのは、ユーザーが保有している暗号資産を貸し出して最大年利5%を得られるサービスです。また「Coincheckつみたて」は、毎月最低1万円から自動積立を行うことができるサービスです。
BATのレバレッジ取引を利用できるGMOコイン
「GMOコイン」は、東証一部上場のGMOインターネット株式会社のグループ会社であるGMOコイン株式会社が運営する暗号資産取引所ですGMOコインは販売所でBATの現物取引に対応している他、暗号資産FXでレバレッジ取引も可能です。レバレッジ取引はショート(空売り)もできるため、資産価値の下落から利益を得ることも可能です。また、GMOコインは最大年利3%の貸暗号資産を提供しておりBATも対応しています。短期トレーダーだけでなく長期投資家にとってもおすすめです。
Brave ブラウザの仮想通貨ウォレットを共同開発しているbitFlyer
株式会社bitFlyerが運営するbitFlyerは、国内の主要メガバンクやベンチャーキャピタル(SMBCベンチャーキャピタル、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJキャピタル等)から出資を受けている暗号資産取引所です。bitFlyerはアルトコイン販売所でBATを取り扱っており、Web(PC/スマホ)とスマートフォンアプリ(iOS/Android)で売買できます。
③まとめ
BATに関して、時価総額の低さからテクニカル分析を利用した短期トレードは難しそうです。しかし、BATそのものが持つ革新的なWebブラウザという特徴が世間に受け入れられ、拡大し始めると大いに上昇が期待できる通貨と言えます。BraveとBATのビジネスモデルはインターネットの世界を大きく変える可能性があるため、今後もBATの動向には注目していきたいと思います。
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
【仮想通貨取引所元トレーダーが解説】 BATに投資する上で注目すべきポイントは?