サラリーマンの副収入におすすめの投資は?メリットと注意点まとめ

新型コロナウィルスによる企業の業績悪化などで収入が減り、給与以外の副収入を得たいと考えるサラリーマンは増えています。時間的な制約のあるサラリーマンにとって、投資は取り組みやすい手段の1つです。

この記事では、サラリーマンに適した投資の方法を紹介し、それぞれのメリットや注意点について解説していきます。

目次

  1. 副収入と副業の関係
    1-1.副収入とは本業から以外の収入のこと
    1-2.企業側が労働者に制限を課すのが許される場合
  2. サラリーマンに適した投資とは?
    2-1.なるべく手間のかからない方法であること
    2-2.少額から始められる方法であること
  3. サラリーマンの副収入向けの投資5選
    3-1.まとまったお金がなくても始められる「投信積立」
    3-2.投信積立をおまかせできる「投資一任型ロボアドバイザー」
    3-3.インカムゲインを狙う「株式投資」
    3-4.金利が毎日受け取れる「FXスワップポイント投資」
    3-5.レバレッジの活用でサラリーマンでもできる「不動産投資」
  4. まとめ

1 副収入と副業の関係

最初に、副収入と副業の意味について確認しておきます。

1-1 副収入とは本業から以外の収入のこと

副収入とは一般的に本業以外からの収入を意味し、サラリーマンであれば給与以外の収入を指します。副業や投資は、副収入を得るための手段です。

副業と副収入などには法的に明確な規定はありません。しかし、就業規則により副業が禁じられている企業でも、投資を副業とみなすことは難しいと言えます。なぜなら、厚生労働省によれば「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由」であるとされているからです(厚生労働省2020年(令和2年)9月「副業・兼業の促進に関するガイドライン」)。

1-2 企業側が労働者に制限を課すのが許される場合

サラリーマンが投資で副収入を得ることが企業側から禁じられる可能性は少ないと言えますが、注意すべき場合もあります。

先述した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」から、企業側が労働時間以外に労働者に制限を課すことが許されるのは、次のような場合です。

  1. 勤務する企業での業務に支障が出る場合
  2. 勤務する企業の機密情報の漏洩のおそれがある場合
  3. 同業他社での就労や勤務する会社と同業を営むなど、会社に不利益を与える場合
  4. 勤務する企業の名誉や信用を傷つけたり、信頼関係を損なったりする場合

投資を始めるにあたり会社とのトラブルにつながらないよう、上記の内容を一度頭に入れておくと良いでしょう。

2 サラリーマンに適した投資とは?

サラリーマンという属性に適した投資とは、どんな方法でしょうか。

2-1 なるべく手間のかからない方法であること

既に述べた会社とのトラブル防止にも関連しますが、本業に支障をきたすほど手間暇のかかる投資方法はサラリーマンには向きません。常に値動きを追わなければならないような取引では、本業がおろそかになる可能性もあります。

業務中は仕事に集中できる、手間のかからない方法がサラリーマンに向いている投資です。

2-2 少額から始められる方法であること

投資にかけられる資金がそれほど潤沢ではないという方も少なくありません。そのため、多額の資金を必要とする投資は資金が貯まるまでに時間がかかり、他の方法を実践できなくなることで機会損失につながります。

現在は小口の資金で手軽に始められる投資がたくさんあるので、それらを活用しましょう。

3 サラリーマンの副収入向けの投資5選

それでは、具体的にサラリーマンの副収入向けの投資を紹介します。

3-1 まとまったお金がなくても始められる「投信積立」

投資信託は、投資家から集めた資金を運用の専門家(ファンドマネージャー)が運用し、その成果を還元する仕組みの金融商品です。投資信託(ファンド)の選び方によって、投資の初心者も上級者も自分に合ったリスク許容度の運用ができます。

投信積立とは、毎月1万円ずつのように定期的に一定の金額で投資信託を買い付ける投資です。少額の資金でも長期で積み立てることによって徐々に利益も大きくなっていきます。

投信積立のメリット

現在、100円から積立ができる証券会社もあり、少額から始められます。また、一度積立の設定をしておけば自動的に買い付けが行われるため、手間もかかりません。

さらに、投信積立の仕組みには「分散投資」「時間分散」という投資のリスクを減らす仕組みが備わっています。

投信積立を始める場合、「つみたNISA」を利用すれば専用口座からの運用益と分配金に税金がかかりません。つみたてNISAの非課税枠は年間40万円で、最長20年間で最大800万円までとなっています。非課税枠まではつみたてNISAを活用するようにしましょう。

投信積立の注意点

投信積立は、少額から始められて手間もかからないためサラリーマンにとって負担の少ない投資方法です。しかし、積立の場合は投資額が大きくなるのに時間がかかります。最初のうちは、運用が順調でも得られる利益は少ないことを頭に入れておきましょう。

3-2 投信積立をおまかせできる「投資一任型ロボアドバイザー」

ロボアドバイザーはAI(人工知能)を活用した投資の提案や運用代行を行ってくれるサービスです。ロボアドバイザーのサービスには投資のアドバイスのみを行う「アドバイス型」と、投資の提案から運用代行までを行う「投資一任型」の2種類があります。

投資一任型の運用商品は主に投資信託またはETFであるため、上述の投信積立を自動でできるサービスと言えます。代表的なサービスにWealthNavi(ウェルスナビ)THEO+(テオプラス)ドコモなどがあります。

投資一任型ロボアドバイザーのメリット

投資一任型のロボアドバイザーからの提案を投資家が承認すると、実際の運用から途中の資産配分の変更までお任せできます。そのため、投資家は自分で銘柄選びなどをする手間が省けます。

また、AIを活用した運用により人間の感情に左右されるリスクが軽減されるぶん、堅実な成果が期待できます。

投資一任型ロボアドバイザーの注意点

運用のすべてをお任せできる投資一任型ロボアドバイザーですが、投資信託の信託報酬以外に手数料がかかることに注意が必要です。また、投資一任型ロボアドバイザーはNISA口座では利用できません。NISAを利用したい場合は、アドバイス型のロボアドバイザーを活用すると良いでしょう。

3-3 インカムゲインを狙う「株式投資」

株式投資には安く買って高く売る、売買差益を求める投資と長期保有で配当金を得る投資があります。高配当株式を保有する手法は、差益を狙う手法に比べて取引の手間もかからず、リスクも低いため、サラリーマンに向いていると言えます。

例えば、JT(日本たばこ)の2021年(令和3年)度の予想配当は130円で、2021年(令和3年)5月7日の株価の終値は2,140円です。100株購入した場合の必要資金は21万1,400円で、1年間に得られる配当は1万3,000円になります。この場合の配当利回りは6.07%です。

JTは高配当が続いていることで有名な会社なので、長期で保有すれば比較的ローリスクで副収入を得られる可能性もあります。このような高配当の銘柄は探せば他にもあるので、なるべく高配当が続いている企業を見つけてみましょう。

配当狙いの株式投資のメリット

高配当株式への投資は売買差益を狙う方法と異なり、配当収入を期待して保有する投資手法です。また、売買する手間がないため、長期保有をしたいサラリーマンに適しています。

配当狙いの株式投資の注意点

売買に比べてローリスクな高配当株式への投資ですが、1銘柄に集中投資するのは避けたほうが良いと言えます。例えば、東京電力は高配当で人気の銘柄でしたが、2011年3月の原発事故で株価が暴落し、無配当に転じました。「電力株は安泰」というイメージがありますが、絶対安全なものはなく、分散投資が必要だということがわかります。異業種の銘柄を複数保有するなど、リスク分散を心掛けましょう。

3-4 金利が毎日受け取れる「FXスワップポイント投資」

FX(外国為替証拠金取引)は、証拠金を利用して実際の取引額より少ない資金での取引が可能な投資です。一般的には短期で売買差益を狙う取引が主流ですが、ハイリスクハイリターンであるためサラリーマンの副収入という目的にはあまり適していません。

しかし、FXにはスワップポイントという金利差を調整する仕組みがあります。スワップポイントは金利の低い通貨を売って、高い通貨を買った場合に受け取ることができ、反対の場合は支払わなくてはなりません。日本円はほとんどの通貨より金利が低いため、例えば日本円を売って米ドルを買った場合にはスワップポイントを受け取れます。

2021年(令和3年)5月現在、日本円を売って米ドルを買った場合のスワップポイントは1万米ドルあたり1日8円程度が相場です。1年間米ドルを保有すると2,920円(8円×365日)のスワップポイントが受け取れることになります。この例は、レバレッジが1倍だった場合で、2倍3倍とレバレッジを上げると受け取れるスワップポイントも2倍3倍になります。

FXスワップポイント投資のメリット

スワップポイント投資は外貨を長期保有するだけで毎日スワップポイントが受け取れます。そのため、チャートを読む必要もなく、初心者でも始めやすい投資です。また、高金利通貨を選んでレバレッジをかければ、より大きなスワップポイントが期待できます。

スワップポイントは同じ通貨でもFX会社ごとに異なりますので、比較して有利な会社で取引するようにしましょう。

FXスワップポイント投資の注意点

差益を狙う取引に比べローリスクなスワップポイント投資ですが、注意すべき点もあります。

トルコリラなどの高金利通貨は米ドルなどのメジャーな通貨に比べて価格変動の振れ幅が大きい傾向があります。そのため、売買の差損で、コツコツ貯めてきたスワップポイントが消えてしまう可能性も少なくありません。またレバレッジを効かせた場合、マイナス方向に大きく為替が動いた時には追加証拠金が発生したり、強制ロスカットされたりするリスクもあります。

高金利通貨にはあまり大きなレバレッジをかけず(一般的には3倍程度まで)、値動きのチェックも忘れないようにしましょう。

3-5 レバレッジの活用でサラリーマンでもできる「不動産投資」

効率的に副収入を得るためには、不動産投資も有効な手段です。不動産へ直接投資するには多額の資金が必要ですが、やり方次第ではサラリーマンでも大家さんになって家賃収入を得られます。

不動産投資のメリット

不動産投資の最大のメリットは「レバレッジを効かせられる」ことです。不動産投資におけるレバレッジ効果とは、借入の利用で自己資金より高額な不動産を取得して家賃収入を得ることを意味します。

例えば、都内のワンルームマンションで、家賃10万円、販売価格3,000万円の物件を購入したとします。入居率100%の場合の家賃収入は年間120万円(10万円×12カ月)、表面利回りは4.0%(120万円÷3,000万円×100)です。

低金利が続く現在、不動産投資ローンも有利な金利で利用できるようになりました。安定した収入の見込めるサラリーマンは、ローンの審査も個人事業主などよりは通りやすい傾向にあります。

家賃収入から、ローンの返済、税金、修繕費の積み立てなどの費用を差し引いた手残りが副収入ということになります。ある程度の利益が出るまでに時間がかかる投信積立などに比べて、最初から一定の収入が見込める点は不動産投資のメリットとなります。

不動産投資のリスク

不動産投資のリスクは空室が発生すること、建物の維持管理に手間がかかること、賃料や物件価格の減少など様々にあります。不動産を購入する前に勉強を進めるほか、有力な管理会社に委託するなどでリスク対策を講じる必要があります。リスクの範囲は多岐にわたるものの、事前に損失を想定・計算できるものが多いため、リスク精査を綿密に行うことで、収益を継続的にあげられるようになります。

不動産投資と副業の関係

不動産投資は他の投資とは扱いが異なり、副業に該当する可能性があります。不動産投資が事業的規模かそうでないかの基準は、所得税法や国家公務員の人事規則においては「5棟10室」が基準となり、戸建てなら5棟以上、集合住宅なら10室以上なら事業的規模という判断です。この基準により、所得区分が変わります。

事業的規模なら直ちに副業とみなされるとは必ずしも言えませんが、いずれにせよ管理会社に管理業務を委託することを検討するなどして、不動産経営のために会社の業務に支障が出ないように注意が必要です。

家賃収入の確定申告

不動産所得は家賃収入から必要経費を差し引いた金額です。この所得が20万円以上の場合、確定申告をしなくてはなりません。なお、不動産所得がマイナスになった場合、給与所得など他の所得との損益通算ができるため、やはり確定申告が必要です。

まとめ

サラリーマンが投資で副収入を得るのにネックになるのが、本業への影響です。手間や時間がかかるために会社を休んだり、仕事の生産性が下がったりしないような方法を選びましょう。今回紹介した投資は基本的に手間がかからない方法ばかりですが、元本が保証されているわけではないのでリスク管理はきちんと心掛けてください。

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