ハワイ不動産投資の利回りは低い?メリット・デメリットを比較

ハワイは旅行先として人気があり、良いイメージを持つ人も多いことから、海外不動産投資をするならハワイで物件を購入したいと思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、日本人になじみの深いハワイとはいえ海外の不動産なので、利回りやメリットなどわからないことも多いものです。

そこで本記事では、東京やアメリカの都市と比較したハワイ不動産投資の利回りに加え、メリットやデメリットについて解説します。

目次

  1. ハワイ不動産投資の利回り
    1-1.オアフ島ホノルルエリアの利回り
    1-2.ホノルルと他のエリアで利回りを比較
  2. ハワイ不動産投資のメリット
    2-1.空室率の低い投資を期待できる
    2-2.ノウハウに長けた不動産エージェントが多い
    2-3.日本国内の不動産投資ローンを利用できる
  3. ハワイ不動産投資のデメリット
    3-1.利回り狙いの投資には適さない
    3-2.国内不動産投資よりも賃貸管理は難しい
  4. まとめ

1.ハワイ不動産投資の利回り

ハワイの中でも州都のホノルルに着目して、東京やその他アメリカの都市と利回りを比較します。

1-1.オアフ島ホノルルエリアの利回り

アメリカの国勢調査に該当するUS Census Bureauによると、2019年のホノルルにおける住宅価格の中央値は$678,200です。その一方で、賃貸住宅の家賃中央値は$1,745となっています。

住宅価格と家賃の中央値に基づいて計算すると、ホノルルの物件の表面利回りは約3.08%です。例えば東京23区内の区分所有マンションなどは、想定利回りが4%〜5%台となっているため、ホノルルの物件の利回りは東京23区の区分所有マンションよりも低いと考えられます。

1-2.ホノルルと他のエリアで利回りを比較

US Census Bureauを参照してアメリカのエリア別に2019年の物件価格や利回りを比較すると、以下の表のようになります。

物件価格 利回り
ホノルル $678,200 3%
ロサンゼルス $583,200 3%
ニューヨーク $987,700 2%
ダラス $174,900 8%
マイアミ $289,600 6%

※参照:US Census Bureau

ホノルルのほかにも、ロサンゼルスやニューヨークなど世界的な大都市では物件価格が高く、利回りは低くなります。その一方で、テキサス州の州都ダラスでは、物件価格が低めで利回りが高くなっています。

なお、ホノルルの家賃中央値は$1,745ですが、ニューヨークの家賃中央値も$1,740であり、両都市の家賃中央値はほぼ同じです。この2都市の比較では、物件価格の差がそのまま利回りの差になっています。

ホノルル・ロサンゼルス・ニューヨークなどの都市は、人口が多いため空室などのリスクは低くなりますが、利回りはそれほど高くない点に要注意です。

2.ハワイ不動産投資のメリット

ハワイ不動産投資には、現地に高所得者も多い特性から、空室や家賃回収に関する心配が少ないなどのメリットがあります。そのほか、投資先として世界的な人気が高いことから経験豊富な不動産エージェントが多いことも大きなメリットです。

2-1.空室率の低い投資を期待できる

US Census Bureauによると、ホノルルの持ち家比率は約56.1%であり、約44%の世帯は賃貸住宅で生活しています。賃貸住宅で生活している人の比率が比較的高いため、ホノルルでは空室率の低い投資を期待できます。

また、ホノルルでは2019年時点の世帯年収中央値が$85,857と比較的高めです。高収入世帯が多いため、入居者のスクリーニングができれば家賃の回収リスクも低いと言えます。

そのほか、ハワイは世界的な観光地なので、観光産業に従事する人が多いイメージもありますが、ホノルルで業種別の就業者数を見ると、最多割合を占めているのは教育産業です。ホノルルでは就業者のうちの約22%が教育産業に従事しています。

宿泊業や飲食業などに従事する人の割合は14.4%で、産業別の従業者数としては教育産業に次ぐ2番目になっています。

観光業や飲食業は景気動向に左右される要素も多いものです。一方で、教育産業は観光業や飲食業と比較すると景気動向の影響を受けにくいと考えられます。

空室や家賃回収のリスクを考慮すると、比較的リスクの低い投資をできるのがハワイ不動産投資のメリットです。

2-2.ノウハウに長けた不動産エージェントが多い

ハワイは世界的な観光地であり、不動産投資の投資先としても、世界中の投資家が投資対象として注目しています。投資用不動産の取引も活発で、投資家から見て良い物件はすぐに売れてしまう特徴があります。

エリア全体の取引量が多い分、個々の不動産エージェントが取り扱う取引数も多くなります。投資用不動産取引のノウハウに長けた不動産エージェントが多いのは、ハワイ不動産投資のメリットです。ハワイでは、専門的な知識や経験に富んだ不動産エージェントからアドバイスを受けやすいと考えられます。

そのほか、ハワイには長期間在住している日本人が多く、日本人の不動産エージェントも見つけやすい点もハワイ不動産投資のメリットです。

ハワイでは不動産の取引が多いこともあり、例えばテキサス州などと比較すると取引に関連する書類が多くなります。アメリカでは、州ごとに不動産投資に関連する取引書類が違うためです。

法律も関連する専門文書は英語で書かれていると読解が難しいものですが、日本人の不動産エージェントと契約できればこのような言語の問題も解決しやすいと言えるでしょう。

2-3.日本国内の不動産投資ローンを利用できる

海外不動産投資では、ローンを利用できる金融機関を探すことも1つの課題になります。海外現地の住宅ローンなどは、現地での継続的な収入がないと利用できないことも多いものです。

しかし、ハワイ不動産投資では、日本国内でローンを利用できる金融機関も複数あります。また、ハワイは日本人に馴染みが深いことから、日本人デスクを設けている現地の金融機関もあるので、資金調達について相談してみるのも1つの方法です。

ただし、海外不動産投資では、物件評価額の満額を借り入れられることはほとんどなく、日本国内の不動産投資よりも自己資金割合が多くなる点に注意を要します。

3.ハワイ不動産投資のデメリット

ハワイ不動産投資で注意を要するデメリットは、エリアの特徴から投資目的を選ぶ点と賃貸管理の難しさにあります。

3-1.利回り狙いの投資には適さない

すでに解説したように、ホノルルの物件は利回りが約3%と高利回りとは言えません。また、テキサス州ダラスなど他の都市と比較すると、利回りは低い点に要注意です。利回り狙いの投資を考えるのであれば、ハワイの物件はあまり適していないと言えます。

そのほか、2019年末に発表された税制改正大綱にて、2022年に実施する確定申告の分から、海外不動産投資の減価償却費を利用した個人の損益通算はできなくなりました。

ハワイ不動産投資は、家賃収入を多く獲得するインカムゲイン型の投資にはあまり向いていません。どちらかというと、物件の売却益を狙った投資に加え、資産性重視の投資や物件の自己利用も視野に入れた投資などに向いています。

ハワイ不動産投資で失敗を防ぐためには、ハワイ不動産の特徴と自らの投資目的とを合致させることが重要です。

3-2.国内不動産投資よりも賃貸管理は難しい

ハワイ不動産投資では、日本との時差が大きい点に注意を要します。東京とホノルルの時差は19時間です。東京とホノルルとでは昼夜が逆転するため、不動産エージェントや管理会社とリアルタイムでコミュニケーションを取るのが難しくなります。

また、物件選びから賃貸管理まで日本人のエージェントに一任せず、現地人のエージェントと取引する場合は、言語の問題にも要注意です。細かな意思疎通に苦労することもあるので、コミュニケーションは慎重に進める必要があります。

ハワイ不動産投資は、時差と言語の面で国内不動産投資よりも賃貸管理の難易度が上がる点に要注意です。

【関連記事】ハワイ不動産投資、失敗事例から分かる原因と対策は?ケース別に解説

まとめ

ハワイ不動産投資には、空室リスクの低さや高所得者の入居を期待できる点などにメリットがあります。しかし、利回りは想定で3%前後となっており、その他の都市と比較して高くありません。

ハワイ不動産投資は、長期的な物件の値上がりを期待した投資や、資産性を重視した投資などに向いています。ハワイ不動産投資で失敗を防ぐためには、投資目的とマーケットの特徴を確認することが重要です。

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