ETFの買い方は?投資初心者向けに手順や商品の選び方まで解説

ETFとは、日経平均株価など特定の指数の動きに連動するように運用されている上場投資信託のことです。現時点では東京証券取引所には200銘柄以上の銘柄が上場しています。一般的な投資信託に比べ流動性が高く、取引所の取引時間内であればリアルタイムで売買が可能です。また、信託報酬が低く、さまざまな指数を対象とした銘柄が取引されています。

今回は、投資初心者向けにETF投資の手順や商品選びの方法を解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※この記事は2021年6月4日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。

目次

  1. ETFとは
  2. ETF投資の手順
    2-1.証券会社に口座を開設する
    2-2.投資目的にあった銘柄を選ぶ
    2-3.銘柄選びのポイント
    2-4.何口買うか決める
    2-5.注文を出す
  3. つみたてNISA対象銘柄も
  4. まとめ

1.ETFとは

ETFとはExchange Trade Fund(取引所で取引できる投資信託)の略です。1口から購入できる銘柄もあり、1,000円台から投資を始められます。

価格は、マーケットメイク制度(専門業者がETFの売り注文と買い注文を常に提示する制度)が導入されているため流動性が高く、リアルタイムに売買ができます。日経平均株価指数など、国内の指数を指標としているETFは指数の動きを観測しながらトレード(売買)することも可能です。

ETFの対象は、日経平均株価指数や東証REIT指数、マザーズ指数、S&P500指数、日経平均ダブルインバース・インデックス、金、パラジウム等さまざまです。

2.ETF投資の手順

ETFを売買するには以下の手順を踏みます。

2-1.証券会社に口座を開設する

ETFを取り扱っている金融機関は証券会社のみで、銀行や郵便局、信用金庫などでは購入することができません。それは、ETFが株式と同様、東京証券取引所に上場しているためです。

証券会社にはネット型と対面型があります。株式等の売買手数料はネット型が対面型より安い傾向があります。一方、対面型の証券会社は担当者と相談することができるため、一人で運用するのに不安があるという方は対面型証券で投資を始め、自信が持てるようになったらネット証券に移行するという方法もあります。

証券会社の口座には、特定口座と一般口座の2種類があります。さらに特定口座には、源泉徴収“あり”と“なし”があります。株式や投資信託の売買益は確定申告をする必要がありますが、特定口座・源泉徴収“あり”の口座は証券会社が代行するため、自身で確定申告をする必要がありません。

現在、株式や投資信託の売買益などの譲渡所得が年間20万円以内の場合は確定申告義務がなく、所得税の納付義務もありません。しかし、特定口座・源泉徴収“あり”口座では所得税と住民税を合わせた20%強が課税されてしまいます。

特定口座・源泉徴収“なし”口座の場合は、自身で確定申告する必要があります。しかし、譲渡所得が20万円以下の場合は確定申告の必要がありません。そのため年間20万円を超える譲渡益が見込めそうもない場合には、特定口座・源泉徴収“なし”を選択すると良いでしょう。仮に20万円を超えた場合は、証券会社が作成する年間取引報告書を用い確定申告ができます。

一般口座の場合は、年間取引報告書を自身で作成する必要があります。

投資初心者の方は、1~12月の1年間の売買益や分配金などが20万円以下の場合は特定口座・源泉徴収“なし”の口座を選び、20万円を超える目標を持っている場合には源泉徴収“あり”の口座を選ぶと良いでしょう。口座を開設したら投資に必要な資金を入金しましょう。

2-2.投資目的にあった銘柄を選ぶ

投資を始めるにあたり、投資目的を明確にしましょう。投資目的とは、老後の資金・子供の教育費・住宅の頭金を作るため、余裕資金の運用のため、などです。

20代、30代の方の投資目的が老後の資金の場合、年金受給の65歳までには運用期間に余裕があるため、リスクが取りやすいと言えます。一方、子供の教育費や住宅の頭金などの場合には、大きなリスクを取ることができないためリスクを抑える必要があります。

投資目的が老後資金などのような長期の場合は、株式指数に投資をすることで将来大きな資産を形成することができる可能性がひろがります。国内ならTOPIX、日経平均、日経400に連動するETFを、海外ならS&P500指数などの王道銘柄を選ぶようにしましょう。

ETFの中には、ブル2倍やベア2倍などリスクが高いレバレッジ型も取引されています。これらのETFは、値動きが大きいため短期投資家に人気が高い銘柄です。しかし、投機色が強く、信託報酬も高めに設定されているため、初心者の方にはおすすめできない銘柄です。

2-3.柄選びのポイント

投資目的にあった銘柄を選ぶことが重要です。また、ベンチマーク(指数)が同じ場合、運用成績は大きく変わらないため、信託報酬が低い銘柄を選ぶことがポイントです。信託報酬とは日々発生する手数料のことで、基準価額に反映されています。また出来高が多い銘柄を選ぶこともポイントです。出来高が多い銘柄ほど流動性が高く、売買しやすいためです。

以下は主なETFの概要をまとめたものです。投資の参考にご確認ください。

TOPIX連動ETF(6月4日引け)

コード 銘柄 信託報酬(%) 売買単位(口) 価格(円) 最低投資額(円) 出来高
1,306 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 0.088 10 2,056 20,560 979,820
1,305 ダイワ上場投信-トピックス 0.110 10 2,081 20,810 78,620
1,308 上場インデックスファンドTOPIX 0.090 100 2,032 203,200 185,700
1,475 iシェアーズ TOPIX ETF 0.060 1 2,013 2,013 155,257
1348 MAXIS トピックス上場投信 0.088 10 2,039 20,390 150,880

日経平均連動ETF

コード 銘柄 信託報酬(%) 売買単位(口) 価格(円) 最低投資額(円) 出来高
1321 NEXT FUNDS 日経225連動型上場 0.18 1 30,050 30,050 791,529
1320 ダイワ上場投信-日経225 0.16 1 2,990 2,990 43,600
1346 MAXIS 日経225上場投信 0.17 1 30,000 30,000 35,524
1329 iシェアーズ 日経225ETF 0.11 1 30,000 30,000 161,556
1330 上場インデックスファンド225 0.16 10 30,100 301,000 44,810
1578 上場インデックスファンド日経225(ミニ) 0.23 1 2,313 2,313 1,288

2-4.何口買うか決める

ETFの売買単位の多くは、1口か10口となっています。売買単位が1口の場合は、最低投資額は市場価格です。上記表のiシェアーズ TOPIX ETF(1475)の最低投資金額は2,013円に取引手数料を加算した金額となります。10口購入する場合は2万円強となります。

ETFの価格は、取引時間中に変動するので、投資金額には余裕をもたせるようにしましょう。

2-5.注文を出す

銘柄、売買単位が決まれば、証券会社に注文を出します。注文方法は、成行(なりゆき)と指値(さしね)の2通りがあります。買い注文の場合、成行はいくらでも良いから購入するという方法で、指値は購入価格を決めて注文する方法を指します。

注文を出す前に、銘柄の板(いた)とよばれる売買状況を確認するようにしましょう。板は各証券会社のホームページで確認できます。売りと買いの価格と枚数が表示されているので指値を入れる際の目安となります。

3.つみたてNISAの対象銘柄も

ETF7本がつみたてNISAの対象銘柄に指定されています。つみたてNISAは年間40万円(月最大33,333円)までの投資が、20年間にわたり売買益や分配金が非課税となる国の制度です。

売却益や分配金には約20%が課税されますが、NISA口座には課税されません。つみたてNISAは長期投資にぴったりの制度です。ETFの対象銘柄は7本です(下表参照)。

指定指数 コード 銘柄 信託報酬(%)
TOPIX 1305 ダイワ上場投信-トピックス 0.11
日経平均 1320 ダイワ上場投信-日経225 0.16
JPX日経インデックス400 1599 ダイワ上場投信-JPX日経400 0.18
MSCI ACWI Index 1554 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本 0.24
MSCI World Index 1680 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI KOKUSAI) 0.24
S&P500 1547 上場インデックスファンド米国株式 0.15
MSCI Emerging Markets Index 1681 上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCI エマージング) 0.24

まとめ

今回は、投資初心者向けにETF投資の手順や商品選びの方法を解説しました。

ETFのメリットは、流動性が高いことや信託報酬が低めに設定されていることです。銘柄数が多く、高リスク銘柄もあるため、初心者の方は値動きが分かりやすいTOPIXや日経平均株価指数、米ダウ平均や米S&P500指数に連動する銘柄から検討してみると良いでしょう。

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