【重要ニュースまとめ(6/12~6/18)】テスラがビットコイン決済の再開条件に言及、Dapper Labsが独自ステーブルコインを発行開始

今回は、6/12~6/18の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. テスラがビットコイン決済の再開条件に言及
    1-2. マイクロストラテジーが巨額資金を調達してビットコインを追加購入へ
    1-3. ビットコイン取引で利益を得た国ランキング
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. Dapper Labsが独自ステーブルコインを発行
    2-2. Twitterでビットコインの小額決済を実現へ
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. イーサリアムのガス代が下落した要因を分析
    3-2. ビットコインの大型アップデートTaprootが11月に実装
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

テスラがビットコイン決済の再開条件に言及

テスラのCEOイーロン・マスク氏が、一時停止中のビットコイン決済の受付再開条件について自身のTwitterで言及しました。ビットコインマイニングにおけるクリーンエネルギー使用率が50%を超えることを条件に、テスラのビットコイン決済を再開すると示唆しています。

テスラは、ビットコインマイニングが膨大な電力を消費するとして、一時的に決済を停止していました。実際のところ、ビットコインマイニングの環境負荷問題は日に日に大きな議論を巻き起こしています。

テスラがどのようにビットコインマイニングのクリーンエネルギー使用率を測定するかは定かではありませんが、ビットコインマイニングの調査を推進するBitcoin Mining Council(BMC)などの業界団体も設立されていることから、何かしらの中立的な指標を参考にすると思われます。

テスラでビットコイン決済が再開されたとして、どのぐらいの人がビットコインを支払いに使用するかわかりませんが、市場を後押しする材料としてはポジティブに働きそうです。

【関連記事】テスラがビットコイン決済の再開条件を示唆

マイクロストラテジーが巨額資金を調達してビットコインを追加購入へ

米マイクロストラテジーが、ビットコインを追加購入するために10億ドルもの巨額資金を調達する計画を明らかにしました。

マイクロストラテジーは、上場企業の中で最も多くのビットコインを保有しており、その量は92,079BTC(約37億ドル)に及びます。今回の資金調達を経て、初の1万BTC超えが確実視されています。

これだけ多くの資金をビットコイン投資に費やす理由について、CEOのマイケル・セイラー氏は、ビットコインへ投資することで実際に株価も上昇していると主張しました。ビットコイン投資を開始する以前のマイクロストラテジー株は、1株120ドル前後を推移していましたが、現在は600ドルを超えています。

【関連記事】マイクロストラテジーが1,100億円規模の資金調達を実施、ビットコインを追加購入へ

ビットコイン取引で利益を得た国ランキング

ブロックチェーン分析サイトのChainalysisが、2020年にビットコイン取引で利益を得た国をランキングしたレポートを公開しました。

トップは米国の41億ドルとなっており、11億ドルで2位となった中国に約4倍もの差をつけています。3位には9億ドルで日本が入りました。中国は、国内での暗号資産取引を全面禁止しているにも関わらず2位に位置する結果となっています。

Chainalysisによると、GDPと暗号資産取引は必ずしも相関するわけではないといいます。具体的には、GDPの小さいチェコやトルコ、スペインといった国が、今回のランキングで上位に位置している点をあげました。

一方で、急激にGDPを拡大しているインドは、ビットコイン取引で大きな利益をあげることはできていません。

【関連記事】ビットコイン取引で利益を出した国は?日本が第3位にランクイン

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

Dapper Labsが独自ステーブルコインを発行

NBA Top Shotなどを運営するDapper Labsが、独自ステーブルコイン「Flow USD(FUSD)」の発行を開始しました。同じく自身の運営する独自ブロックチェーンFlow上で発行されるといいます。

FUSDは、米ドルを担保に発行される法定通貨担保型のステーブルコインです。発行・管理を行うサードパーティは、金融インフラを提供するPrime Trustが採用されています。

ステーブルコインを発行した理由としては、既にFlow上に流通しているネイティブトークンFLOWを補完するためだといいます。価格変動の激しいFLOWにアクセスできないユーザーのためにステーブルコインを発行することで、Flowエコシステムの拡大を目指す戦略です。

Dapper Labsは、これまでにCryptoKittiesやNBA Top Shotといった人気ブロックチェーンゲームを市場に提供してきました。いずれもイーサリアムを基盤としており、ガス代の高騰などに悩まされてきたことから、ゲーム領域特化の独自ブロックチェーンFlowを開発し、外部のゲームに対しても提供しています。

【関連記事】NFT市場を牽引するDapper Labs、Flow上に独自のステーブルコインを発行

Twitterでビットコインの小額決済を実現へ

TwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏が、Twitterへのライトニングネットワーク導入可能性に言及しました。ユーザーからの質問に対して「時間の問題だ」と回答しています。

ビットコインは送金のための仕組みとして発明されたものの、投資的な文脈での需要が高まったことで取引手数料が高騰し、小額決済(マイクロペイメント)を実現できないようになってしまいました。

この問題を解決すべく開発されたのがライトニングネットワークです。ライトニングネットワークを活用することで、1円未満の送金も可能になると期待されています。

Twitterはライトニングネットワークを導入することで、プラットフォーム上で小額送金を実現する構えです。Twitterに統合された外部のサービスでは、既にビットコインの小額送金ができるようになっていますが、公式での導入となれば大きなインパクトがあるでしょう。

【関連記事】Twitterでビットコインの小額送金を実現へ、ライトニングネットワークの実装を示唆

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

イーサリアムのガス代が下落した要因を分析

米暗号資産メディアThe Blockが、最近のガス代価格が安定して下落している要因について分析しました。

イーサリアムのガス代は、この1ヶ月で90%以上下落し4ドル前後を推移しています。1トランザクションあたり4ドルかかると考えると改めて高いと感じますが、1ヶ月前は40ドルかかっていたので大幅に下落していると言えます。

The Blockによると、主に次のような要因があげられるといいます。

  1. イーサリアムのトランザクション数が減少:165万件→120万件
  2. 主にDeFiとNFTのトランザクション数が減少
  3. セカンドレイヤーソリューションPolygonの台頭:150万件→750万件

特に3つ目の要因は大きな意味を持ちます。昨今のガス代高騰に伴い、イーサリアムから他のブロックチェーンに乗り換えるプロジェクトが増えてきました。しかし、セカンドレイヤーの台頭によりガス代が抑えられるのであれば、イーサリアムエコシステムが息を吹き返す可能性が十分に考えられます。

【参照記事】Ethereum gas fees have plunged to a six-month low. Here’s why Gas fees on the

ビットコインの大型アップデートTaprootが11月に実装

ビットコインの大型アップデートである「Taproot」が、マイナーの95%以上の賛成を経てロックインされました。実装時期は11月を予定しているといいます。

Taprootには、目玉となる「シュノア署名」の実装が含まれています。シュノア署名では、本来ブロック内に格納される署名部分を外部の専用領域に切り出します。

こうすることで、ブロック内部のデータ容量を削減できるだけでなく、トランザクションと署名を分離させることが可能です。その結果、スケーラビリティと匿名性の向上に寄与することが期待されています。

ビットコインのような非中央集権型プロジェクトの場合、コミュニティ(多くはマイナー)による投票によって意思決定が行われます。今回のTaprootでは満場一致で実装が決まりましたが、前回の大型アップデートであるSegwitの際は、マイナーからの反発が強く、結果的にハードフォークすることになりました。こうして誕生したのがビットコインキャッシュです。

【参照記事】Taproot.watch

まとめ、著者の考察

今週はテスラのビットコイン決済再開条件やマイクロストラテジーの資金調達、Dapper Labsの独自ステーブルコインなどが話題になりました。

大まかな傾向ですが、ビットコインは投資対象として、イーサリアムはアプリケーション開発プラットフォームとしてそれぞれ地位を明確にしつつあるように感じます。

ビットコインに投資対象以外の活用例が考えられるとすれば、それはマイクロペイントや小額送金の文脈だと言えそうです。そういった観点では、ジャック・ドーシー氏の取り組みは理に適っているかなと思います。

Taprootによるスケーリング性能の向上が後押しすることで、ビットコインの小額送金は少しずつ普及していくかもしれません。

【関連記事】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法

The post 【重要ニュースまとめ(6/12~6/18)】テスラがビットコイン決済の再開条件に言及、Dapper Labsが独自ステーブルコインを発行開始 first appeared on 金融・投資メディアHEDGE GUIDE.

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
【重要ニュースまとめ(6/12~6/18)】テスラがビットコイン決済の再開条件に言及、Dapper Labsが独自ステーブルコインを発行開始