ヘルスケア分野特化VCキャピタルメディカ・ベンチャーズ、「社会的インパクト評価レポート」第三弾発行

ヘルスケア分野に特化したベンチャーキャピタル、株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ(CMV)は7月9日、「ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンドのインパクトレポート2020」を発行した。一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)の支援のもと、ヘルスケア領域のスタートアップへ投資する「ヘルスケア・ニューフロンティアファンド」で、その投資先のベンチャー企業が創出する社会的インパクト評価をまとめており、今回が2018年度版から数えて第三弾となる。

CMVは病院の経営支援や高齢者施設を運営する株式会社キャピタルメディカのコーポレートベンチャーキャピタル。キャピタルメディカのネットワークを活かし、投資先ベンチャーに対し、全国の医療機関と高齢者施設を実証フィールドとして提供することができる日本で唯一のヘルスケア特化型ベンチャーキャピタルとして、ヘルスケア領域でのイノベーションを推進している。

超高齢社会に直面している日本では、政府による成長戦略「未来投資戦略2017」で、特に保険福祉分野における企業へのインパクト投資の取り組みを促進させることを目標の一つに掲げる。ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンドは、こうした国の方針を背景に神奈川県のヘルスケア・ニューフロンティア政策の一環で企画された。ヘルスケア領域に特化しているのが特徴で、広義のヘルスケア領域(医療・バイオ・介護・健康・保育・農業・スポーツなど)のシード(事業創成期)からアーリー(事業推進期)のスタートアップ企業を投資対象としており、そのサービスがQDC(Quality=質、Delivery=アクセス、Cost=費用)の点でどのような提供価値があるかを投資基準として重視している。

レポートでは、投資先が取り組む社会課題を明確に示し、社会的インパクトを含む事業の提供価値を「ロジックモデル」というフレームワークを活用して整理・分析。投資先による本業を通じた社会課題解決の戦略を明らかにしてきた。20年度版では、特別企画「VCとしてどういう世界を創りたいか~インパクトレポート制作のインパクト~」をテーマに、現役のキャピタリスト4名(CMV代表取締役青木武士氏、Eight Roads Ventures Japanパートナー香本慎一郎氏、D3 LLC | D3バイオヘルスケアファンド代表パートナー永田智也氏、株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズディレクター福島 智史氏)による対談を掲載した。

2つ目の特別企画「このファンドを通じて目指すもの」では、自治体がLP出資を行う意図について青木氏と、SIIFインパクト・オフィサー小笠原由佳氏、神奈川県政策局 いのち・未来戦略本部室担当部長の大木健一氏、同室主査の宇佐美徳真氏が対談している。

SIIFは、社会課題を解決する意図と財務的リターンとの両立を目指す「インパクト投資」の認知や取り組みをさらに加速させるべく活動中。同ファンドに関しては、ヘルスケア領域で財務リターンを出すためには投資先が本質的にアウトカム出し続ける事が必須という投資ポリシーに基づき投資支援活動を行っている。

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