日本のCBDC構想は2022年末に明らかとなる、自民党座長の見解

自民党所属の村井衆議院議員が、日本における中央銀行デジタル通貨(CBDC)の構想について7月2日にロイターのインタビューに答えたことが、5日に明らかとなった。2022年末にかけてイメージが明確になってくるとの見解を示している。

村井議員は、自民党の金融調査会デジタルマネー推進プロジェクトチームで座長を務める人物だ。同プロジェクトでは、2020年末に他国の状況を考慮して日本でもCBDCに対する取り組みを急ぐ必要があるとの提言をまとめている。

村井議員は、2022年末にかけてイメージが鮮明になってくるとしつつも、そのタイミングで即座に発行するかどうかの判断に至るわけではないと言及した。その上で、欧米で発行されるCBDCとの相互互換性が重要になるとし、中国に技術のスタンダードを握られないようにしなければならないと主張している。

日本におけるCBDCの動きとしては、2021年3月に連絡協議会を設置し、4月より概念実証の第一段階をスタートさせている。現時点でCBDCを発行する計画はないとしつつも、各国の取り組みに遅れを取らないよう調査および研究を進めてきた。

村井議員はロイターのインタビューに対して、「このまま行けば来年の終わり頃にはだいぶ日本型のCBDCの姿が見え始めてくる」と展望を明らかにしている。また、日本の財政が持続可能でいられるかどうかは、日本円への信頼が維持されるかどうかにかかっていると主張した。

日本円はスイスフランとともに安全通貨としての位置付けを保っているものの、人民元の存在が大きくなった場合にその地位が脅かされかねないという。CBDCを導入するにしても、日本円の信頼に悪影響を与えないよう注意する必要があるとした。

村井議員は、CBDCの展望について語るとともに通貨主権を脅かす存在には注意が必要だと述べている。具体的には、ビットコインやFacebookのDiem、ステーブルコインを例にあげ、一定の規制が必要だろうとの見解を示した。

「日本であれば、日本人の命と生活を守る責任を国が負い、それに伴い通貨主権を行使している。このため通貨主権はその国の経済のありように直結してくる。それを脅かす存在には注意が必要」と述べている。

【参照記事】中銀デジタル通貨、欧米と連携し標準技術の確立を=村井・自民座長

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