【投資スタイル別】2つの仮想通貨取引所を使い分けるコツとは?取引所の元トレーダーが解説
FXや株式投資に比べて、仮想通貨(暗号資産)は運用手段の幅が広い投資対象です。短期売買や積立投資、保有している仮想通貨からインカムゲインを得られるレンディングやステーキングサービスなどの長期運用向きの方法もあります。
慣れている仮想通貨投資家の中には、運用目的に応じて複数の取引所を賢く選択している方も少なくありません。今回は2つの仮想通貨取引所を使用する前提で、取引所の違いや、どのような考え方で取引所を選択すべきかについて解説します。
目次
- 仮想通貨取引所の違いについて
1-1. 採用している取引方式の違い
1-2. サービス内容の違い
1-3. 各種手数料の違い - 運用スタイルによる仮想通貨取引所の選び方
2-1. 短期運用に向く仮想通貨取引所の選び方
2-2. 長期運用に向く仮想通貨取引所の選び方 - 3つの仮想通貨取引所を使い分ける方法
3-1.「短期取引のみで積極的な運用を行いたい」方
3-2.「短期取引と長期取引を両方を行いたい」方
3-3.「長期投資のみでゆっくりと運用をしたい」方 - まとめ
①仮想通貨取引所の違いについて
まずはじめに仮想通貨取引所の違いについて解説します。
1-1. 採用している取引方式の違い
そもそも仮想通貨取引方法には「販売所方式」と「取引所方式」の2種類が存在あり、仮想通貨取引所によってどちらかのみを設置していたり、両方を提供していたりします。どちらも仮想通貨の現物売買を行うのですが、カウンターパーティ(取引相手)が異なります。くわしく違いを見てみましょう。
販売所方式
販売所方式は運営会社が仕入れた仮想通貨を、ユーザーが購入する形となります。一般的にスプレッドに実質的な手数料が5%前後含まれているので割高ではありますが、注文が簡単ですし、希望の数量の仮想通貨をすぐに手に入れられるので便利です。売却時には割安なレートになりますが、運営会社が価格変動リスクをカバーするための必要コストとなっています。
取引所方式
取引所方式はオーダーブックを介してユーザー間で仮想通貨を売買するものです。取引手数料は0.02%前後、中には無料に設定している事業者もあります。多くのユーザーを抱え、取引量が大きい仮想通貨取引所を選べばスムーズに売買できますが、そうでない取引所では自分の注文で大きく価格が変動する「スリッページ」が生じやすい、初心者は特に注意が必要です。
1-2. サービス内容の違い
取扱銘柄の違い
仮想通貨取引所により、取り扱っている銘柄は大きく異なります。中には特定の取引所でのみしか扱いのない仮想通貨も存在します。取引したい仮想通貨が決まっている場合は、必然的にその仮想通貨を取り扱っている取引所の口座を開く必要があります。
特に取扱銘柄の多い仮想通貨取引所としては、CoincheckやGMOコイン、bitFlyerなどが挙げられます。
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ステーキング
ステーキングとは、特定の仮想通貨を保有するだけでインカムゲインが得られるサービスで、年間3~6%と定期預金よりも高い利回りが期待できます。日本の仮想通貨取引所では、LSK(リスク)、DOT(ポルカドット)、XTZ(テゾス)などの仮想通貨のステーキングサービスを利用できます。
レンディング
レンディングサービスとは、保有する仮想通貨を一定期間貸し出すことによって貸出金利を得る投資法です。日本の仮想通貨取引所では、Coincheck、GMOコイン、BITPointで利用可能で料率は1%~5%、銘柄や貸出期間によって異なります。
積立投資
積立投資サービスは文字通り、仮想通貨の積立を定期的に自動で行うものです。複数の仮想通貨取引所は「自動積立サービス」を提供していますが、これらは概ね指定した仮想通貨を毎月(毎日)一定額ずつ購入していく仕組みとなっています。仮想通貨取引所の自動積立サービスでは、必要な資金を投資家が自分で入金しておく必要がありますが、中には毎月一定額を銀行口座から引き落とすサービスもあります。いずれにせよ、ルールに基づいて定期的に仮想通貨を購入してくれます。
1-3. 各種手数料の違い
取引にかかるコストも仮想通貨取引所によって違いがあります。仮想通貨取引所の主な手数料には以下の4種類があります。
入金手数料
日本円を仮想通貨取引所に入金する際に必要となる手数料が「入金手数料」です。入金手数料は入金方法によって変わってきますが、無料で入金ができる取引所も多くあります。
取引手数料
取引手数料とは、仮想通貨を売買する際の仮想通貨取引所の手数料のことです。販売所は取引手数料が無料とされていることが多く、取引所での売買は成行注文か指値注文によって変わってきます。
スプレッド
スプレッドとは売値と買値の差額のことです。仮想通貨取引所の「販売所方式」の取引手数料は基本的に無料ですが、スプレッドが販売所の実質的な取引手数料となっています。スプレッドの幅は相場環境や銘柄によっても大きく変動します、長期運用を考えている場合は取引回数が少ないのでそれほど気にならないかもしれませんが、スキャルピングなど短期で何度も取引する場合はスプレッドの狭い事業者を選びたいところです。
出金手数料
出金手数料は仮想通貨取引所から銀行へ、日本円を出金する際に必要な手数料です。取引所によって出金手数料が数百円かかるところもあれば、無料のところもあります。また仮想通貨を別の取引所やウォレットに出庫する際の手数料は「出庫手数料」と呼ばれ、出庫手数料も事業者によって有料のところもあれば、無料のところもあります。
②運用スタイルによる仮想通貨取引所の選び方
数ある企業の中から最適な仮想通貨取引所を選択するためには、運用スタイルによる選び方を把握しておくことが重要です。
2-1. 短期運用に向く仮想通貨取引所の選び方
短期的な運用を目的としている方は、以下の観点で仮想通貨取引所を選ぶと良いでしょう。
- スプレッドが狭い
- 取引対象の仮想通貨の流動性が高く、チャートの窓が少ない
- 自分が取引したい仮想通貨が揃っている
短期トレードのスタイルによっては、レバレッジ取引の有無も考慮する要素の一つとなります。レバレッジ取引を備え、多くの仮想通貨を取り扱っている事業者は、DMMビットコインやGMOコインなどがあります。
2-2. 長期運用に向く仮想通貨取引所の選び方
長期的な運用を目的としている場合は、仮想通貨取引所の選び方も短期運用と大幅に変わってきます。
- ステーキングサービスとレンディングサービスの両方、またはどちらかがある
- 積立投資サービスがある
この条件を満たしているおすすめの事業者は、Coincheck、GMOコインとなります。
③3つの仮想通貨取引所を使い分ける方法
最後に運用スタイル別のおすすめの仮想通貨取引所の組み合わせをご紹介します。
3-1.「短期取引のみで積極的な運用を行いたい」方
短期取引のみで積極的な運用を行いたい場合は、スプレッドの大きさやレバレッジ取引の有無から判断してDMM ビットコインとGMOコインの組み合わせが良いでしょう。
具体的な使い方としてDMM Bitcoinでは短期レバレッジ取引を行い、取引所の取り扱い銘柄が多いGMOコインでは複数の仮想通貨トレードを同時に行うことが可能になります。
短期取引で重要となる取引コストに関しても低く抑えることができる組み合わせです。
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3-2.「短期取引と長期取引を両方を行いたい」方
短期取引と長期取引を両方同時で行いたい場合は、短期取引でスキャルピングをメインで行う場合はDMMビットコイン、デイトレードをメインで行う場合はGMOコインを選択すると良いでしょう。
長期運用にはステーキングサービスなどのサービスも利用できるCoincheckとの組み合わせをお勧めします。
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3-3.「長期投資のみでゆっくりと運用をしたい」方
短期取引が不要で長期取引のみでゆっくりと運用したい場合は、GMO コインとCoincheckの組み合わせが良いでしょう。
どちらも長期投資向きであるステーキングサービス、仮想通貨積立、レンディングサービスを行う事ができます。
それぞれ取り扱っている仮想通貨が違うため通貨によって使い分けると良いでしょう。
③まとめ
仮想通貨取引所のサービス内容はFXに比べて大きな違いがあります。短期投資はスプレッドが狭く、レバレッジの取引の有無、取扱通貨の種類の多さなどによって選択肢し、長期投資はステーキング・レンディング・積立ができるかどうかという点で選択すると良いと思います。
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