寄付の使われ方・使い道は?支援テーマごとに3つの事例を紹介
NPO法人や公益財団法人、地方自治体など寄付先は多くありますが、寄付したお金は一体どのように使われているのか気になる方も多いのはないでしょうか。
寄付金の使い道は大きく分けて、災害があった時に被災者に直接送られる「義援金」と法人への活動資金の2つがあります。
本記事では、寄付金の使われ方や災害救援活動・医療などテーマ別の3つの事例、NPO法人における寄付金の額と活動費用についてお伝えしていきます。
目次
- 寄付金はどう使われている?
- 寄付金が利用されている3つの事例
2-1.2016年の熊本地震における災害救援活動
2-2.京都大学iPS細胞研究所の医療活動
2-3.一般財団法人あしなが育英会の教育支援 - NPO法人の寄付金の割合と活動費用
- まとめ
1.寄付金はどう使われている?
寄付は大きく分けて、台風や地震など災害が起こった時に被災地へ直接お金を送る「義援金」、もしくは認定NPO法人や公益財団法人など支援団体の「活動資金」として使われます。
義援金は主に災害の被災者に対して、寄付を募った団体(政府・地方自治体・NPO法人など)を通じ直接渡されるお金を指します。
例えば、日本政府を通じ2014年4月1日から受付が始まった東日本大震災の義援金の件数は2万1802件、総額は38億7194万7138円(2020年11月30日時点)に上ります。(※参照:内閣府「東日本大震災義援金の受付及び送金状況」)
東日本大震災の義援金は岩手県・宮城県・福島県などに義援金配分割合決定委員会が決定した基準で配分され、送金されました。
一方で金銭や物資を無償で支援団体に寄付すると、活動に対しての費用の他にスタッフを雇う人件費や広報活動など運営資金として用いられることがあります。
災害救援活動や医療などテーマ別でも寄付金の使い道は異なります。具体的な事例と共に紹介していきます。
2.寄付金が利用されている3つの事例
2016年の熊本地震(災害救援活動)、京都大学iPS細胞研究所(医療)、一般財団法人あしなが育英会(子供達への教育支援)の事例を見ていきましょう。
- 災害救援活動
- 医療
- 子供達への教育支援
2-1.2016年の熊本地震における災害救援活動
ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」では「ふるさと納税 災害支援寄付」として台風・豪雨など自然災害で被災した自治体へふるさと納税を活用して寄付が出来る活動を行っています。
2016年4月に起こった熊本地震により多数の世帯が半壊以上の被害を受けた南阿蘇村では、地震の2ヶ月後集中豪雨により地震で緩んだ山からの土石流が発生し阿蘇大橋の崩落や住宅を巻き込んだ大規模な地すべりが起き大きな被害を受けました。
これに伴い、さとふるでは「平成28年熊本地震災害緊急支援募金」サイトを開設し、寄付を募りました。
2016年4月17日~10月14日の間に、サイトを通じて集まった南阿蘇村への寄付総額は約1億8千万円となりました。寄付の全額を熊本県南阿蘇村に送金し、南阿蘇村の一般会計予算に組み込まれました。
南阿蘇村を通じ、寄付金は地震により人的被害又は家屋の被害を受けられた方に対し「災害見舞金」として直接支給されています。(※参照:さとふる「南阿蘇村 復興計画報告」)
また、大規模な地すべりにより流出・破損した配水池への送水管の修繕工事費として活用されました。災害から1年経過・5年経過後の報告レポートもあり、被災者の生活再建状況や交通機関の復旧状況が載せられています。
2-2.京都大学iPS細胞研究所の医療活動
2012年にノーベル賞を受賞した山中伸弥氏が所長を務める「京都大学iPS細胞研究所」では、2009年にiPS細胞研究基金を設置しました。
寄付金はiPS細胞を用いた再生医療や創薬など新しい医療を提供するための研究や研究者、研究支援者の雇用確保などに用いられています。
Yahoo!ネット募金を通じてTポイントによる1円からの寄付や、100円からの毎月寄付を受け付けています。2021年8月28日時点で寄付人数は422,276人、寄付総額は約1億7千万円となり継続寄付人数は2,107人に及びます。
2020年にはポイント寄付の増加や継続寄付などにより、1年間の寄付件数は約3万件、寄付合計額は約49億円となりました。
2-3.一般財団法人あしなが育英会の教育支援
一般財団法人あしなが育英会では、街頭募金やインターネットにより寄付を受け付けています。主に、親が亡くなった・障がいで働くことができないなどの場合に、家庭の子供達に対する奨学金への交付を行なっています。
なお、あしなが育英会への寄付では、選択肢の中から寄付金の使い道を指定する事が出来ます。
2019年には一般の寄付⾦による収⼊が約43.6億円、東⽇本⼤地震の寄付金収入は約2.8億円となっています。奨学金を受けている子供は6,551人に上り、交付額は48.2億円(貸与29.4億円、給付18.8億円)です。
3.NPO法人の寄付金の割合と活動費用
2018年3月に内閣府が公表した「平成29年度(2017年度)特定非営利活動法人に関する実態調査報告書」を見ていきましょう。NPO法人の収益の内訳は以下の通りです。
NPO法人の主な収益の内訳
寄付金は全体では8.0%、認定を受けていないNPO法人では2.1%、認定・特例認定を受けているNPO法人では15.9%となっています。認定・特例認定をうけているNPO法人では重要な財源となっていることが分かります。
認定NPO法人は、事業年度中の寄付額が3,000円以上である寄付者の数が、年平均100人以上であることが認定条件の一つとなっていることに加えて、認定を受けていることで社会的な信用度が高くなること、寄付金控除を受けられるという税制メリットがあることなどを背景として、寄付金による収益割合が多くなっていることが考えられます。
NPO法人の活動費用
続いてはNPO法人の活動に関する費用です。全てのNPO法人で1000万円超~5000万円以下が一番多い結果となりました。
同調査では常勤職員の年間総人件費の平均値が全体で1228万円(中央値で300万円)であることから、活動費用において人件費が多くを占めているという結論になります。
金銭の寄付だけではなく、プロボノやボランティア活動を行うことによって、NPO法人にとって支出の多くを占める人件費を抑制できる可能性があると言えるでしょう。
まとめ
寄付金の使われ方、テーマ別の寄付金の使い道の事例3つとNPO法人における収益の内訳・事業の費用を解説してきました。
寄付金は2016年の熊本地震では南阿蘇村を通じて「災害見舞金」が人的被害、家屋の損壊に応じて支給され、京都大学iPS細胞研究所では創薬の研究や研究者の人材育成などに使われています。
また、NPO法人の収支内訳を見てみると、寄付金は支援活動で重要な収益である一方、主な活動費用として人件費の割合が大きいという傾向が見られました。自身のスキルや専門性を活かしたプロボノや、空いた時間を活用したボランティアなども、支援を行ううえで重要なポイントであると言えます。
The post 寄付の使われ方・使い道は?支援テーマごとに3つの事例を紹介 first appeared on 金融・投資メディアHEDGE GUIDE.
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
寄付の使われ方・使い道は?支援テーマごとに3つの事例を紹介