初心者が米国債金利に投資するメリットは?トレードしやすい証券会社も
投資をしている方は、「米国債金利」という言葉を耳にすることがあるのではないでしょうか。国債は各国で発行されていますが、アメリカの国債金利の高さから取引されることが多くあります。
この記事では、米国債金利トレード未経験の方に向けて解説します。また、米国債金利トレードができる証券会社のひとつである、IG証券についても紹介します。
目次
1.国債金利について
まず、国債金利とは何かについて解説したいと思います。
1-1.国債の仕組み
国債は、国が投資家からお金を借りたい場合に発行され、「お金を借りた」という債務証券を発行し、満期が到来したら投資家に投資資金が返却される仕組みです。米国債金利とは、アメリカの財務省が発行する国債の金利のことを指します。
そして、満期が到来するまでは、あらかじめ設定された金利が投資家に対して支払われます。
アメリカの金融規模は世界でも大きく、米国債は世界の国々や投資家が保有しており、米国債は債券市場の中心とも言えます。
1-2.債券金利の価格と値動きの関係性
次に、債券価格の値動きと金利の関係性について説明します。
債券というのは満期が設定されています。満期というのは「発行する債券発行体(米国債であればアメリカ財務省)が借りた資金を一括で返却させることを約束した日」です。
つまり「5年満期で金利3%」という債券があった場合、5年後の満期日が到来したら、資金は一括で返却し、その間毎年3%の金利を投資家に支払うといった意味を示しています。
しかし覚えておかないといけないことは「金利3%」というのは金利の支払われる割合であり、実際の利回りではありません。発行してから5年間もの期間がありますが、米国債の価格は、満期まで値動きが生じており売り買いがされています。
その売り買いによって生じる価格の変動は下記のように整理されます。
- 債券価格が上昇=金利低下
- 債券価格が下落=金利上昇
満期までの売り買いの間、どの価格で米国債を購入するかによって実質利回りが変わります。
2.米国債金利の特徴
米国債金利の主な特徴は以下の2点です。
- 取引を行う投資家のメインは機関投資家
- トレンドが長く続きやすい
機関投資家のスタンスは短期トレードではなく、ファンダメンタルズ分析で方向性を把握して、大きなトレンドに乗ってトレードするスタンスが多いです。特に米国債を保有している投資家の多くは銀行や保険会社、証券会社となっています。
証券会社は、買い手である投資家に販売するための在庫として保有することもありますが、銀行や保険会社は長期的な視点で債券を保有します。
そのため逆張り(※)は行わず、大きな値動きに沿ってトレードを行います。一度保有すると数日で売却したりすることは、あまり見られません。厳密には小さな数量で売り買いはしている場合もありますが、大きな数量を常に頻繁に売り買いすることはケースとして少ないです。
※逆張り…株価が大きく下落したときに買い、反発のタイミングで売る投資方法
3.投資初心者でも米国債金利トレードは難しい?
投資初心者にとって、米国債トレードは難しいのでしょうか。この項目で解説します。
前述した通り、投資家の大きな割合は機関投資家が行っており、また短期売買で売り買いを繰り返す投資家は、マーケットでは少数派です。例えば外国為替市場(FXなど)のような市場は、短期で売り買いするプレイヤーもいれば長期で通貨金利を狙いに行く投資家など、様々なタイプが混在している市場です。そのため、大きなトレンドを把握できたとしても、その間に生じるノイズの把握や分析が難しい市場とも言われています。
しかし、米国債市場は一度トレンドが続くとある程度長期スパンで見た場合トレンドがわかりやすく明確に出る市場です。理由は、順張りの投資家が多いことから、チャートがとても綺麗なトレンドで推移することも多く、投資初心者がトレンドフォローを学ぶには米国債金利のトレードはとても学びやすい市場の一つです。
また、方向性の分析がしやすいことが挙げられます。米国債金利のトレンドは、アメリカの中央銀行を見ておけばある程度把握することができます。
コロナショックから現在までは緩和政策が中心となっていましたが、徐々に米国も年内テーパリング縮小や、政策金利の引き上げを予想する動きが強まりました。(2021年10月現在)
2022年には2回から3回の政策金利引き上げ期待が強まる中、「金利低下が発生するかどうかと言われると難しい」と予想するのは、投資初心者にとってもわかりやすい方向性ではないかと筆者は思います。
そのため、足元のゼロ金利に近い環境下で金利上昇方向でトレードするということは、とても初心者にとって投資を始めやすいタイミングだと考えられます。
4.米国債金利のトレードがしやすい証券会社は?
最後に米国債金利のトレードがしやすい証券会社の一つであるIG証券を紹介します。IG証券では、以下の銘柄を取り扱っています。
- 米国2年国債
- 米国5年国債
- 米国10年国債
- 米国30年国債
- ウルトラ米国長期債
上記は現物を取引するわけではなく、債券・先物・CFDという商品で提供されており、現物の取引はできないことは理解しておきましょう。また注意点としては、「米国債金利」ではなく「米国債価格」で取引する点を認識しておく必要があります。
例として、米国10年国債に投資する場合は以下の通りです。
ショート(売る) | 債券価格が下落すると利益が出る(金利上昇ポジション) |
ロング(買い) | 債券価格が上昇すると利益が出る(金利低下のポジション) |
ショート(売る)でエントリーした場合に債券価格が下落すると利益が出るというトレードです。つまり、金利の動きで考えると、金利上昇のポジションを保有しているということなります。
反対に、米国10年国債をロング(買い)で入った場合は、債券価格が上昇すると利益が出るというトレードです。金利の動きで考えると、金利低下のポジションを保有するということになります。債券価格と金利の動きの関係性はしっかりと頭に入れておきましょう。
日本でも米国債の現物を購入する取引が可能な証券会社は様々にありますが、米国債のトレードをCFDで行える証券会社というのは少ないのが現状です。
IG証券は米国債意外にも日本国債やイタリア国債やドイツ国債、フランス国債等まで取引が可能となっており、このようなIG証券の商品種類の豊富さが、中上級者のトレーダーにも利用されている理由となっています。
5.まとめ
米国債金利についてと、投資例について解説しました。米国債金利は中長期的にトレードしやすい投資対象であり、分散投資の一つに取り入れやすいものになっています。一度チャート等チェックしながら、どのような使い方ができるか自身でも考えてみるといいでしょう。
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