不動産投資でFIREを目指す方法は?シミュレーション付きで解説
2021年時点、メディアを中心として「FIREを目指すための方法」が注目されることも多くなりました。注目度が高まるにつれて、FIREを題材にした本も増えています。
FIREとは定年を待たずに経済的に自立して会社をリタイアし、自由な生活を送ることを指した言葉です。FIREを達成した方の中には不動産投資を軸に資産形成を進めていた方も多いため、これから不動産投資を始めようかと検討している方も多いのではないしょうか。
しかし、不動産投資にはリスクもあり必ずしも狙った利益を出せるとは限りません。事前にFIREに向けたシミュレーションを行うことで、実現可能かどうか慎重に検討することが大切なポイントとなります。
この記事では、FIREを目指すために不動産投資が適している理由を解説するとともに、簡易的なシミュレーションをしていきます。
目次
- FIREとはどういう状態のことを指すのか
- 不動産投資でFIREを目指すメリット
2-1.不動産投資ローンを利用できる
2-2.働きながら継続的な資産形成が可能 - 不動産投資でFIREを目指すデメリット・リスク
3-1.不動産投資ローンを活用するには金融機関の評価が重要
3-2.空室によって想定した収入が得られない可能性がある - 不動産投資でFIREを目指すための手順
4-1.資産形成・運用の計画を立てる
4-2.大まかなシミュレーションをする
4-3.FIREの条件に合った不動産を探す - まとめ
1.FIREとはどういう状態のことを指すのか
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略語で、経済的に自立してお金を稼ぐための労働からリタイアすることです。つまり、FIREとは「会社の給与収入とは別に十分な収入源を確保し自由に生きる」ことを指します。
単なる早期退職によって、早期退職後はパートやアルバイトをしながら生活するというわけではなく、資産の運用益によって会社に頼らない自由な生き方を選択できる状態になった時にFIREを達成したと言えます。
2.不動産投資でFIREを目指すメリット
FIREを目指すためには、日々の生活費を賄えるだけの給与以外の継続的な収入または貯金などが必要です。不動産投資によって資産規模を拡大し、FIREを目指すメリットを解説していきます。
2-1.不動産投資ローンを利用できる
FIREを目指すにあたって不動産投資のポイントとなるのは、不動産投資ローンを利用することで元手を抑制しながら資産形成できることです。
例えばサラリーマンは給与による一定の収入が見込みやすいことから、銀行による信用評価が高く、収入の変動が起きやすい個人事業主などと比較して不動産投資ローンの審査を通過できる確率が高くなります。
金融機関の評価が高いとローンの返済期間も最長で35年など長期間に設定できるケースもあります。時間をかけてローンを返済し純資産を増やせるため、長期的な視点で資産形成していく上では、FIREと不動産投資の親和性は高いものです。
2-2.働きながら継続的な資産形成が可能
不動産投資は入居者の募集や家賃の回収などといった賃貸経営の手間を管理会社に委託できます。働きながらでも資産形成が可能という点で、不動産投資はFIREを目指すための資産形成にも活用しやすい投資方法の一つと言えます。
3.不動産投資でFIREを目指すデメリット・リスク
ここまで不動産投資でFIREを目指すメリットについて見てきましたが、注意しておきたいデメリットやリスクもあります。それぞれ確認していきましょう。
3-1.不動産投資ローンを活用するには金融機関の評価が重要
不動産投資ローンを金融機関の評価が必要になります。一定の収入が無い場合や、初期費用として捻出できる頭金が少ない場合には不動産投資ローンの審査を通過できず、物件購入のための資金調達に苦戦する可能性があります。
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3-2.空室によって想定した収入が得られない可能性がある
不動産投資で注意しておきたい重大なリスクに「空室リスク」があります。想定よりも空室期間が長引いてしまうことで家賃収入が確保できず、キャッシュフローがうまく回らなくなってしまうケースもあります。
日本では人口減少が続いており、賃貸需要が大きく減少してしまっているエリアも少なくありません。長期的な視点をもち、将来の賃貸需要が見込めるエリア選定が重要となってきます。
なお、空室リスクの低いエリアでは将来的な賃貸需要が見込みやすいために、利回りが低くなる傾向があります。好立地の物件は低リスクとなる反面、リターンが少なくなってしまうデメリットがあるということです。
FIREを検討するのであればリスクとリターンのバランスを取りながら、計画的に収益性のある物件を選択することが重要となります。
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4.不動産投資でFIREを目指すための手順
闇雲に不動産投資を始めても、効率的にFIREを目指すことはできません。FIREの達成には大きな資産形成が必要となる以上、最初に計画を立てることが重要です。投資におけるリスクにも注意しながら、計画の考え方と大まかなシミュレーションの仕方について解説します。
4-1.資産形成・運用の計画を立てる
FIREを目指すためには、FIRE実現後の年間生活費といつまでにFIREを実現したいかという期限を設定することが必要です。例えば現在の年齢が35歳で50歳までにはFIREを実現したいと考えるのであれば、15年間で必要な資産形成を済ませることが目標となります。
また、現在の生活費などを考慮して、FIRE実現後には毎月40万円の所得があれば十分など、具体的な金額を設定します。この場合、不動産投資による手残り額が毎月40万円に達する仕組みを作るか、FIRE後に必要な金額の総額を貯金するかの2通りの方法が考えられます。
4-2.大まかなシミュレーションをする
期間と目標額とを決めたら大まかな試算をします。なお、手残り額を大きくしていくためには、1戸単位のマンション投資を拡大していくか、複数の住戸を同時に賃貸運用できるアパート投資を検討するなどの方法が検討できます。
試算は例えば以下のようなイメージで行います。
FIREを達成するための目標例
- 目指す年間収入:480万円
- 想定表面利回り:6.4%
- アパート経営の経費率:15%
- 空室率:15%
- 毎月の収入に対するローン返済の比率:50%
- 物件購入時の自己資金比率:10%
FIREを達成するための投資シミュレーション
- 480万円÷0.7÷0.5=年間収入約1,372万円
- 1,372万円÷6.4%=必要投資額約2億1,430万円
- 2億1,430万円×10%=必要な自己資金総額約2,143万円
上記の例の場合、表面利回り6.4%以上の不動産に、約2億1,430万円分投資すれば良いという計算になります。
また、いきなり自己資金を2,143万円貯めるのでは時間がかかるため、不動産を数棟(戸)に分けて、最終的な投資合計額が約2億1,430万円に達するよう投資を重ねていくことが必要です。
不動産投資は1度物件を購入したらその後も同じ物件を運用し続けるだけでなく、適宜物件を売却して再投資する、というような視点も重要になります。この時、物件価格が大きく値下がりしてしまっていると、想定した利益が得られないこともあるため注意しましょう。
最初に4,000万円のアパートに投資するとしたら、物件購入時に400~800万円の自己資金を捻出するとともに、上がった収益は再投資用にストックしていくことが必要です。
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4-3.FIREの条件に合った不動産を探す
シミュレーションを行ったら、条件に合った不動産を実際に探してみましょう。しかし、条件の良い不動産は市場でも人気が高いために、なかなか情報が得られないことも少なくありません。
まずは複数の不動産会社へ連絡を取り、自身の属性と希望の物件タイプを伝えたうえで、情報が入った時には連絡がもらえるようにアプローチをしておくと良いでしょう。また、不動産会社によっては定期的に開くセミナーの中で、物件情報を開示することがあります。
その他、不動産を取得する順番によって金融機関の評価にも影響があります。借入を増やしすぎると次の物件の融資を得られないこともあるため、返済比率や自身のバランスシートにも注意が必要です。
なお、不動産投資だけでFIREを目指そうとすると、利回りの高い物件や、金融機関の評価が得やすい物件が選択肢に挙がりやすくなります。このような物件は収益性が高くなる半面、運用のリスクも上昇してしまうため、リスクとリターンのバランスを取った戦略が重要です。
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まとめ
FIREとは、会社に頼らない経済的な自立をするとともに、自由に生きていくライフスタイルのことを指しています。FIREを目指すためには長期的に大きな資産を形成できる不動産投資は選択肢の一つとなります。
しかし、不動産投資にはリスクがあり、必ずしも狙った収益を得られる方法ではありません。事前にシミュレーションを慎重に行うことで、リスクを考慮した投資戦略を立ててみましょう。
リスクを考慮してFIREを達成するためには、最初に大まかな計画を立てることが重要になります。計画に沿って投資物件を探してみましょう。
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