【重要ニュースまとめ(1/15~1/21)】イーサリアムの2022年ロードマップを説明、「The Merge」が業界最注目イベントに。コインハイブ事件が逆転無罪に

今回は、1/15~1/21の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. FTXが20億ドル規模のベンチャーファンドを組成
    1-2. 2021年の米暗号資産求人は前年比400%増
    1-3. シンガポールが暗号資産関連広告を制限
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. Vitalik氏がイーサリアム2.0の今後の開発計画に言及
    2-2. イーサリアムの第四四半期レポート
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. DeFi Allianceが5000万ドルを調達しDAOへ移行
    3-2. コインハイブ事件が逆転無罪に
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

FTXが20億ドル規模のベンチャーファンドを組成

暗号資産取引所FTXが、Web3.0領域を対象とするベンチャーファンドを立ち上げたことを発表しました。ファンドサイズは20億ドル規模になるといいます。

FTXは今回のファンド組成に際して、大手ベンチャーキャピタルLightspeedでパートナーを務めたAmy Wu氏を招聘している。Wu氏によると、ベンチャーファンドはFTXの事業戦略からは独立し、独自の投資戦略の元に活動するとのことです。

今週は、FTXが日本での事業開始に向けた取り組みをすでに開始していることも報じられました。急速に成長を続けている暗号資産取引所が、今年も多くの注目を集めそうです。

【関連記事】大手取引所FTX、20億ドル規模のベンチャーファンドを組成

2021年の米暗号資産求人は前年比400%増

Linkedinの発表によると、2021年は2020年と比べて暗号資産関連の求人が395%増加したといいます。「ビットコイン」や「ブロックチェーン」といった用語を含む求人情報の件数を元にデータが公開されました。

他の業界におけるLinkedinのデータでは、平均して98%の増加がみられたものの、暗号資産・ブロックチェーン業界のみ大きく増加したとされています。具体的な職種としては、ソフトウェア開発者や金融担当、会計やコンサルティングなどです。

成長の背景には、著名人によるTwitterでの業界発言や市場への資金流入が増えたことがあげられるといいます。暗号資産メディアThe Blockによると、2021年は業界全体で8,400人の新規雇用が生まれたようです。

【関連記事】2021年の米暗号資産求人、前年比400%増加

シンガポールが暗号資産関連広告を制限

シンガポールの金融規制当局が、国内における暗号資産関連の広告を制限することを発表しました。暗号資産取引を禁止したわけではありませんが、取引を推奨すべきではないとの意向を表明しています。

規制対象となるのは、暗号資産取引所やウォレットプロバイダーなどです。自社の運営するSNSやWebメディアでの宣伝は対象外であり、第三者への依頼が生じた場合に規制対象になるといいます。

シンガポールは、世界的にも暗号資産・ブロックチェーンの中心国として名をあげており、今回の発表は大きく話題となりました。今後、規制当局がどのような動きを見せるのか要注目です。

【関連記事】シンガポール金融規制当局、暗号資産関連の広告規制を発表

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

Vitalik氏がイーサリアム2.0の今後の開発計画に言及

イーサリアムの共同創業者Vitalik氏が、イーサリアム2.0を含む今後の開発計画に言及しました。今年の実装が予定されている大型アップデートThe Mergeに加え、The Surge、 The Verge、 The Purge、The Splurgeについても触れています。

Vitalik氏によると、イーサリアムのロードマップを完了させるには、まだ6年はかかるとした上で、完了したとしても継続してアップデートを行っていくことを説明しています。イーサリアムの強みは分散化であり、課題視されているスケーラビリティについては、セカンドレイヤーなどのコミュニティによる実装で補っていく必要があるとしました。

一方で、The Mergeが完了すると全体の60%が終了することについても言及しており、いかにThe Mergeが重要であるかが伺えます。そんなThe Mergeでは、現行のPoWチェーンと新しいPoSチェーンの統合が行われます。

【関連記事】Vitalik氏がイーサリアムの大型アップグレードと展望を語る

イーサリアムの第四四半期レポート

暗号資産メディアBanklessが、イーサリアムの2021年第四四半期レポートを公開しました。2020年の同時期と比較すると、ガス代が1,777%増加したことが明らかとなっています。

イーサリアムトランザクションによって生じたガス代は、計47億4,000万ドルに及ぶといい、そのうち約37億8,000万ドル相当のイーサ(ETH)がバーンされていたようです。また、ガス代の平均値も4.09ドルから26.89ドルへと557%も上昇しています。

レポート内では、昨今話題のDeFi2.0についても触れられました。DeFi2.0とは、流動性と資本効率を高めた次世代のDeFiプロトコルの総称です。DeFi2.0プロトコルにはすでに70億ドル以上の資金が供給されているものもあります。

またBanklessは、2022年はイーサリアムのThe Mergeが業界にとって最も大きなマイルストーンになると言及しました。

【関連記事】イーサリアムの2021年第四四半期レポート、ガス代が1,777%の大幅増加

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

DeFi Allianceが5,000万ドルを調達しDAOへ移行

DeFiの推進を目的とする業界団体DeFi Allianceが、新たに5,000万ドルを調達しDAO化することを発表しました。併せて、AllianceDAOというブランドへの変更も公表しています。

DeFi Allianceは、DeFiやWeb3.0領域でアクセラレーション事業を展開してきました。主要プロトコルのうち、9割以上がDeFi Allianceのアクセラレートを受けているといい、業界に大きく貢献していることがわかります。

今回資金調達を行ったことで、自身もDAO化する意向を表明しています。資金提供者には、業界の著名人に加えて、Web1.0やWeb2.0の著名人も参加しました。DeFiやWeb3.0をさらに発展させるには、業界外の知識や経験が必要だとしています。

【関連記事】DeFi Allianceが5,000万ドルを調達してDAO化、「AllianceDAO」へのリブランディングも発表

コインハイブ事件が逆転無罪に

他人のコンピューターを使用することで暗号資産マイニングを行うことができるソフトウェアツールコインハイブの開発者が起訴されていた裁判で、二審の有罪判決を逆転する形で無罪判決が下されました。

通称コインハイブ事件と呼ばれる今回の裁判は、2017年末から長期にわたり議論が繰り返され、開発者コミュニティからは違法性を否定する意見が多く寄せられてきました。

二審の有罪判決では罰金10万円の請求だったことから、このタイミングで有罪を受け入れる方が金銭的・時間的負担は小さかったことが想定されます。しかし、コインハイブで使用されたプログラムはJavaScriptの一般的な動作仕様であることから、最後まで無罪を主張し続けたことを賛辞すると共に、同じ開発者として感謝したいです。

【関連記事】仮想通貨の無断採掘で逆転無罪判決 最高裁「許容範囲」: 日本経済新聞

まとめ、著者の考察

今週は、イーサリアムの2022年を含む今後の開発計画に関するトピックが話題となりました。The Mergeはそれだけ注目のマイルストーンであり、イーサリアムを持続可能なものにする重要なアップデートです。

その他には、シンガポール規制当局の動きも話題となりました。同じタイミングで、スペインでも広告規制が発表されており、米国や日本で数年前に行われた規制と類似する動きが見られています。

そんな日本では、何と言ってもコインハイブ事件が逆転無罪になったことが業界を賑わせました。これは、開発者コミュニティ全体の勝利であり、当事者の方々には改めて敬意を表したいと思います。

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