【2022年版】ステラルーメン(XLM)の現状と今後の注目点【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】
今回は、ステラルーメン(XLM)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- ステラ・ルーメン(XLM)とは?
1-1. ステラ・ルーメンの概要
1-2. 仮想通貨XLMの基本スペック
1-3. XLMの特徴 - XLMの価格推移
2-1. 2021年の価格推移 - XLMの今後の見通し
3-1. 大企業とXLMの提携
3-2. 日本国内の取引所への新規上場
3-3. アフリカの「暗号都市」計画への技術利用 - まとめ
ステラルーメン(XLM)は2022年1月19日時点で時価総額ランキング29位に位置する仮想通貨です。日本ではコインチェックやGMOコインでも取り扱われています。ステラブロックチェーンはネットワークセキュリティの高さが評価されており、中央銀行との提携も多くあります。今回はステラルーメン(XLM)の現状と今後の動向について、その概要や見通しについて解説します。
①ステラ・ルーメン(XLM)とは?
まず始めに、XLMについてその概要と特徴を解説します。
1-1 .ステラ・ルーメンの概要
XLMは、2014年にXRPレジャーを開発したリップル社の元開発者ジェド・マケーレブ氏が独立して開発した仮想通貨で、「新興国における個人間の送金取引を、円滑におこなえるようになること」を目的として発行されました。
リップルが法人向けの国際送金の代替手段となるべく誕生したのに対し、ステラ・ルーメンは、個人向けの国際送金手段の代替を目的とされています。日本を含む先進国では、銀行で預金・送金などの金融サービスを当たり前に利用していますが、新興国では銀行口座を持てない人々も多くいます。
そういった人々への金融包摂(すべての人々が金融サービスの恩恵を受けられるようにすること)を達成するための解決策としてつくられたのがステラブロックチェーンと仮想通貨XLM(Lumen)です。そのため、2014年のXLMの初上場も、アメリカやヨーロッパ諸国のような金融大国ではなく、南米ブラジルに初めてつくられた仮想通貨取引所からでした。
そしてその後、XLMの優先事項は、金融包摂から金融企業がブロックチェーン技術を通じて相互に連携するのを助けることにシフトしました。2019年7月には日本の仮想通貨取引所であるCoincheckで初上場を果たしています。
1-2. 仮想通貨XLMの基本スペック
XLMの仮想通貨としての基本スペックは以下の通りです。
ティッカーシンボル | XLM |
現在の価格(22年1月19日現在) | 0.2493ドル(約28.54円) |
時価総額 | 約61.7億ドル(約7,061億円) |
時価総額ランキング | 29位 |
循環サプライ | 約247.7億XLM |
発行上限 | 500億XLM |
1-3. XLMの特徴
次にXLMの特徴について解説します。
①高速で低コストな国際送金を実現させる「ブリッジ通貨」
ここでいうブリッジ通貨とは、法定通貨同士の橋渡しとなる通貨のことを言います。従来の海外送金では、金融機関を介して行わなくてはならず、高い手数料を取られることに加えて、着金までに長い時間を要していました。
しかし、XLMをブリッジ通貨として使用すれば、低コストな国際送金ができるようになります。例えば、ドル→XLM→日本円といったように、法定通貨間のやり取りをXLMが仲介することによって、金融機関を仲介する必要がなくなり、安価な手数料で素早い送金が可能になります。
XLMの決済スピードは約2秒〜5秒しかかからず、送金手数料も0.00001XLMと安いため、決済手段として非常に優れていると言えるでしょう。
②透明性の高い「中央集権的」な仮想通貨
ステラルーメンおよびブロックチェーンのステラは、非営利団体のステラ財団が開発・運営しています。ビットコインのマイニングのような仕組みがなく、XLMの最大発行量のすべてが既に発行済みで、247.7億XLMが流通しており、残りはステラ財団が管理しています。
これらの点でXRP(リップル)と同様に運営体制は分散型というよりも「中央集権的」です。開発・運営の多くが、非営利団体のステラ財団に依存しています。なお非営利団体では利益を出すための活動が禁止されており、ステラ財団はクオーター毎のレポートを通してXLMの透明性を維持しています。
②XLMの価格推移・予想
次に、XLMのこれまでの価格推移及び今後の価格予想について解説します。
2-1. 2021年の価格推移
ここでは、2021年のXLMの値動きを振り返ってみましょう。年始に0.1324ドルでスタートしたXLMは、5月半ばにかけて上昇傾向を見せました。
この上昇のきっかけとなったのが、東欧のウクライナのデジタル改革省がステラ開発財団(SDF)との提携を発表したことです。政府はデジタル通貨(CBDC)およびブロックチェーンのエコシステムを構築することを目的としています。
このニュースにより、XLMは5月11日には0.73ドルまで上昇し、2021年の最高値を記録しました。しかし、その後は仮想通貨市場全体の下落につれ安となり、2021年年末は0.2674ドルと年初から0.135ドル、約101%の上昇で取引を終えています。
③XLMの今後の見通し
最後に、今後、XLMの価格が上昇する要因として考えられる事柄を紹介します。
3-1. 大企業とXLMの提携
ステラ財団は既に世界的に有名なIT企業であるIBMや、金融コンサルタントのデロイト、フランスの大手送金会社TEMPOなど、多くの大企業と提携しています。特に、IBMとは「IBM Blockchain World Wire」という送金ネットワークをローンチしました。
これは、大規模な金融機関がステラブロックチェーンを介して取引を行い、ステーブルコインなどのブリッジ資産を使って取引することを可能にするプロジェクトです。決済スピードに優れたネットワークが世界的に浸透すれば、XLMの知名度アップにもつながるでしょう。大手企業と提携することは、仮想通貨の成長に大きく影響を与えます。
今後より多くの企業がステラブロックチェーンを活用すれば、XLM相場の上昇要因となるでしょう。
3-2. 日本国内の新規取引所への上場
XLMは2019年ごろまで国内の取引所では購入できませんでしたが、11月にCoincheckで上場し、現在はbitFlyer、GMOコイン、DMM Bitcoinを含めた4つの取引所で購入が可能です。
金融庁の方針によって、国内の取引所では比較的価格が安定しており、需要のある仮想通貨しか上場していませんが、取り扱う取引所が増えたことによって、日本の投資家がXLMにより投資しやすくなりました。 今後もXLMを取り扱う取引所が増えれば、価格に良い影響を与えるでしょう。
3-3. アフリカの「暗号都市」計画への技術利用
R&Bシンガーソングライターでありながら、音楽プロデューサー・実業家・慈善家でもあるAKON(エイコン)氏は、仮想通貨を様々なサービスに活用した未来都市「AKON CITY(エイコン・シティ)」をアフリカ・セネガルに設立するプロジェクトを進めており、2036年までに完了する予定だとしています。
このプロジェクトでは「Akoin」と呼ばれる仮想通貨が使用され、AkoinはXLMのブロックチェーン技術を用いて発行されることが発表されています。仮想通貨は中南米やアフリカなどの政局が不安な地域でユースケースを築きつつある様です。今後このプロジェクトが進めば、さらにXLMの知名度と利便性が世界に広まり、価格も上昇していくと考えられます。
④まとめ
XLMは国際送金を安く、速く、スムーズに行うことのできるブリッジ通貨としての活用が期待されており、新興国を中心に様々なプロジェクトが進められています。複数の政府関連省庁や中央銀行、多くの大企業と提携していることからも、その技術力の高さが認められています。投資対象としてステラルーメン(XLM)の購入を検討している方は、まずはコインチェックやGMOコインの口座開設から始めてみましょう。
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