【重要ニュースまとめ(2/12~2/18)】Optimismでバグが報告、報告者には200万ドルの報奨金を授与。OpenSeaが投資部門を新たに設立

今回は、2/12~2/18の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】
    1-1. Anioca Brandsが日本進出
    1-2. OpenSeaが投資事業OpenSea Venturesをローンチ
  2. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★☆】
    2-1. GMOコイン、メイカー(MKR)とダイ(DAI)の取り扱いを開始
    2-2. マーシャル諸島がDAOを法人として認める方針
  3. 暗号資産・ブロックチェーン重要ニュース【難易度:★★★】
    3-1. イーサリアムのセカンドレイヤーOptimismでバグが報告
    3-2. NFTマーケットプレイスX2Y2がOpenSeaにヴァンパイアアタック
  4. まとめ、著者の考察

初心者向け主要ニュース【難易度:★☆☆】

Anioca Brandsが日本進出

香港に拠点を持つWeb3.0企業大手のAnimoca Brandsが、日本に子会社を設立したことを明らかにしました。併せて、11億円の資金調達も発表しています。

Animoca Brandsは、メタバース大手The Sandboxを運営し、NFTマーケットプレイスOpenSeaやブロックチェーンゲームAxie Infinityなどにも投資しています。

今回、日本に拠点を置いた目的としては、日本のIPやコンテンツが世界に向けて拡大していくのをサポートする点にあるようです。具体的には、デジタルアセットを取引可能なプラットフォームの構築やサポートサービスの提供などがあげられます。

Animoca Brandsは、評価額約5700億円のユニコーン企業として急成長を続けており、NFTやメタバースだけでなくDeFiなどWeb3.0領域に大きな影響力を持っています。

【関連記事】Animoca Brandsが日本進出を発表、日本コンテンツのグローバル化をサポート

OpenSeaが投資事業OpenSea Venturesをローンチ

NFTマーケットプレイス最大手OpenSeaが、コミュニティ支援を目的とした支援プログラムをローンチしました。併せて、社内に投資部門を設立しています。

「OpenSea Ventures」および「Ecosystem Grants」と名付けられた支援プログラムは、NFT領域の拡大が目的です。金銭リターンを求めるOpenSea Venturesを投資部門として設置する一方で、金銭リターンを求めないEcosystem Grantsも用意しています。

Web3.0企業が、事業が好調な場合に投資部門を設立することは珍しくありません。また。OpenSeaにおけるEcosystem Grantsのように、グラント(助成金)システムを提供することも一般的になっています。

投資部門が数千万円から数億円規模の投資を行うのに対して、グラントシステムでは数十万円から数千万円の資金提供を行うのが基本です。

【関連記事】OpenSeaがコミュニティ支援プログラムをローンチ、新たに投資部門も設置

初心者向け主要ニュース【難易度:★★☆】

GMOコイン、メイカー(MKR)とダイ(DAI)の取り扱いを開始

暗号資産取引所GMOコインが、国内初となるステーブルコインDAIの取り扱いを開始しました。これに伴い、GMOコインが取り扱い銘柄数で国内最多となっています。

日本では、法定通貨担保型のステーブルコインについては暗号資産取引所が取り扱うことができないルールとなっています。DAIは、法定通貨担保型ではなく暗号資産担保型のステーブルコインであるため、このルールには該当しないと判断されたようです。

DAIはDeFiやNFT市場で活発に使用されており、日本円でDAIを購入できることは大きな意味を持ちます。DAIが基軸通貨となって分散型市場は構築されている側面が強いため、今後これらの市場が日本でさらに盛り上がる可能性は期待できそうです。

【参照記事】メイカー(MKR)、ダイ(DAI)取扱開始のお知らせ〜ダイ(DAI)の取り扱いは国内初!取扱銘柄数は国内最多の19銘柄に〜

マーシャル諸島がDAOを法人として認める方針

オセアニアの小国マーシャル諸島が、DAOを法人として認める方針であることがわかりました。国家がDAOを法人として認めるのは初の事例となります。

DAOの法人化については、米国のワイオミング州が先行して法案を可決していました。今回、マーシャル諸島は国単位での法案となるため、成立すれば世界で初めてのことになります。

マーシャル諸島は、DAOに有限責任会社(LLC)と同じ権限を付与するといいます。対象となる法律は、非営利団体を管理するNON-PROFIT CORPORATION ACTになるようです。

ワイオミング州のDAO法案では、DAOで使用されるスマートコントラクトと定款を紐づけることで、法律の元にDAOを置くことを目指しています。株式会社が定款に則って事業を展開することを考慮すると、DAOがスマートコントラクトの元に動くことの配慮ができていると言えます。

マーシャル諸島のような小国は、他国の法人や優れたプロジェクトを誘致するために、今回のDAO法案のような政策を実施する傾向が強くなっています。

【参照記事】How the Marshall Islands Is Trying to Become a Global Hub for DAO Incorporation

初心者向け主要ニュース【難易度:★★★】

イーサリアムのセカンドレイヤーOptimismでバグが報告

イーサリアムのレイヤー2ソリューションOptimismで、一つのバグを巡る興味深い出来事が起こりました。

Optimismは、元々Plasma Groupという名称で長らくイーサリアムのスケーラビリティ問題の解消に取り組んできたプロジェクトです。Optimistic Rollupを活用したスケーリングソリューションを中心に開発しており、イーサリアムの共同創業者であるVitalik氏も注目しています。

今回報告されたバグ自体は悪用された形跡はなく、未然に防ぐことができたため大きな話題にはなりませんでしたが、バグの報告者がプロジェクト外部の人物であったことと、その人物に対して報奨金として200万ドルが支払われたことが話題となりました。

バグの報告者は、バグをついて資金を盗むよりも、バグをチームに報告して報奨金を受け取った方がリターンが大きいと判断したようです。ブロックチェーンプロジェクトは、基本的に全てソフトウェア上で完結するため、ハッキングと隣り合わせの状況になっています。

しかし、ブロックチェーンでハッキングが発生した場合でも、透明性の高さから資金の流出経路を追うことができてしまうため、取引所を通して法定通貨に換金するのが難しくなっています。

そのため、ハッキングをするのではなくバグを見つけたらプロジェクトチームに内密に報告することで、チームから多額の報奨金を受け取るケースが増えているのです。今回は、まさにそのような事例の最たるものとなりました。

【関連記事】イーサリアムスケーリングプロジェクトOptimismがバグ修正を報告

NFTマーケットプレイスX2Y2がOpenSeaにヴァンパイアアタック

NFTマーケットプレイスX2Y2が、OpenSeaに対してヴァンパイアアタックを行いました。X2Y2は新興のマーケットプレイスであり、OpenSeaからユーザーや資金を獲得することが狙いです。

ヴァンパイアアタックとは、他のプロジェクトからユーザーや資金を奪うことを意味するマーケティング戦略になります。ハッキングのように不正な手段ではなく、仕組みを活用した顧客獲得戦略であるといえるでしょう。

元々は、DEXのSushiSwapが誕生した際に、Uniswapからユーザーや資金を獲得することを目的として行ったことに由来します。具体的には、UniswapやOpenSeaに接続したことのあるユーザー(厳密にはウォレットアドレス)に対して、プロジェクト独自のトークンを配布することで、興味を持ってもらいプラットフォーム移動を行ってもらいます。

OpenSeaに対しては、X2Y2以外にもLooksRareなどがヴァンパイアアタックを行っており、最大手の宿命とも言える状況が続いています。

【参照記事】X2Y2 – Litepaper

まとめ、著者の考察

今週は、OptimismのバグやOpenSeaの投資部門設立などが話題となりました。日本でステーブルコインDAIの取り扱いが開始されたことも、大きく注目を集めています。

Optimismを中心とするセカンドレイヤーのプロジェクト群は、まだまだ発展途上であることもあり、バグの報告が続いている状況です。2022年に入り、Optimism以外にもArbitrumなどでシーケンサーのバグが発生していました。

ただし、今年はイーサリアムのセカンドレイヤー元年になることが予想され、1年で急速な普及が期待できます。そうなった場合に、イーサリアム以外のブロックチェーンにおけるシェアがどうなるか、新規ユーザーがどのエコシステムに参加するのか要注目です。

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