ワンルームマンション投資をやめる方法は?損失を出さない対策や注意点も
ワンルームマンション投資は長期的に取り組める投資の一つですが、「本業が忙しくなった」「遠方に引っ越すことになった」といった事情で投資を終了したいと考えることもあります。
そこで今回のコラムでは、ワンルームマンション投資をやめる方法および手順について紹介します。また損失を出さないための対策や注意点についても解説します。
目次
- ワンルームマンション投資をやめる方法
- ワンルームマンション投資をやめる際の手続き
2-1.管理委託などの契約を解除する
2-2.確定申告を行う - マンション投資をやめるときに損失を出さないための対策
3-1.物件を高く売却する
3-2.譲渡費用を抑える - まとめ
1 ワンルームマンション投資をやめる方法
ワンルームマンション投資をやめる方法は、所有している物件を手放すことになります。その方法としては、下記の3つのいずれかです。
- 物件を売却する:不動産市場などで新しい持ち主を探して売却する(買取も含む)
- 物件を譲渡する:親族や知人などに物件を譲る
- 物件を寄付する:自治体や公益法人などに寄付できる場合がある
このうち物件を売却する際は、通常、下記のように進めることになります。
- 物件を査定してもらう
- 仲介を担当する不動産会社を選ぶ
- 売却活動が始まる
- 内覧に対応する
- 買主が決まる
- 不動産売買契約を結ぶ
- 物件を引き渡す
売却が完了するまでは3~6ヶ月ほどの期間を必要とします。キャッシュフローが悪化している状態だと希望価格で売却することが難しくなっているケースもあり、この場合は長い売却期間を必要とすることがあります。不動産会社と連携を取りながら、適切に進めるようにしましょう。
また、ワンルームマンションの売却にはローン残高がある場合の精算や抵当権の抹消、管理会社の引き継ぎなどさまざまな手続きを行う必要があります。次の項目で詳しく見てみましょう。
2 ワンルームマンション投資をやめる際の手続き
ワンルームマンション投資をやめる場合、物件を手放す際の手続きも適切に行う必要があります。主には、管理業務委託などの契約解除と、売却益が出た場合の確定申告です。
2-1 管理委託などの契約を解除する
ワンルームマンション投資は、管理業務などを委託して行っているケースがあります。引き渡し日が決定したら、これらの契約を解除する必要があります。
代表的な手続きは下記になります。
- 管理業務委託の契約解除
- ローン残高の精算
- 火災保険・地震保険の解約
- 電気、水道、ガスなどの契約解除、など
物件の管理を委託している場合は、売却の意思を固めた時点でその旨を管理会社に報告しましょう。売買契約日や引き渡し日といった売却スケジュールをその都度伝えることになります。その後は管理会社によって手続きが異なりますが、通常は管理業務委託の契約解除届を提出する流れとなるでしょう。
またローンの残高がある場合は、売却後に金融機関で繰り上げ返済を行います。各金融機関で繰り上げ返済に関するルールが設けられていますので、売却の意向を固めた際に確認しておきましょう。通常は残高の精算をしたあと、物件に設定された抵当権を抹消する流れになります。
そのほか、火災保険や地震保険をオーナーがかけている場合、電気や水道、ガスなどをオーナーが契約している場合も、契約解除の手続きを行います。管理会社を通して行う場合と、オーナー自身で行うケースがあります。
2-2 確定申告を行う
不動産投資を個人で行う場合、家賃収入が売り上げになりますので、毎年確定申告をする必要があります。物件を売却しワンルームマンション投資を辞めている場合でも、その年に家賃収入を得ていた期間があれば確定申告を行うことになります。
それに加えて、ワンルームマンションを売却した際には、譲渡所得を計算して経理処理をすることになります。譲渡所得税のかかる不動産売却の利益(譲渡所得)を計算する式は、次のようになります。
譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)-特別控除
譲渡価格は売却した価格です。取得費は不動産を入手するのにかかった費用、売却費用は売却するときにかかった費用、となりますが、それぞれ、含めることができる費用は限定されています。また、建物を売却したときは、減価償却費を取得費から差し引く必要があります。
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3 マンション投資をやめるときに損失を出さないための対策
ワンルームマンション投資をやめる際には、できるだけ損失を出したくないものです。そのためには、物件を高く売却すること、売却時の費用を抑えるという2つの方法が考えられます。
3-1 物件を高く売却する
譲渡所得で損失を出さないために、まず考えられるのは物件を高く売却することです。具体的には下記のような方法があります。
- 入居率を高めておく
- 清掃とメンテナンスで物件を良好な状態に維持しておく
- 入居者ニーズに合わせて設備を導入しておく
- 複数の不動産会社から査定してもらう
- ワンルームマンションの売却が得意な不動産会社に依頼する、など
売却を決めてからできることは少ないため、運用中に適切に対策を行っておくことも高く売却するコツの一つです。
また、ワンルームマンションを不動産市場で売却する際は、不動産会社に仲介を担ってもらうことが通常です。その際、いくらで売れそうかという査定価格をつけてもらいます。
査定価格は、複数の不動産会社につけてもらうことで市場の相場が分かり、より高く売却できる可能性があります。複数の不動産会社へ効率的に査定ができる、不動産一括査定サイトの活用を検討されてみると良いでしょう。
主な不動産一括査定サイト
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3-2 譲渡費用を抑える
不動産を売却する際には費用がかかりますが、これらを抑えることでも損失が出ない可能性があります。ワンルームマンションを売却するときにかかる費用は主に下記のものがあります。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 印紙税
- 譲渡所得税、など
これらの費用のうち、抑えることができるのは抵当権抹消に関する登記費用です。通常、司法書士などの専門家に依頼しますが、オーナー自身が法務局で手続きすると不動産1物件につき1,000円で手続きができます。司法書士に代行してもらった際は、10,000円〜20,000円程度が相場ですので、この費用を削減することができるのです。
ただし、抵当権の抹消手続きが確実に行われるかどうかという点は、買主にとって非常に重要なポイントです。売主自ら手続きを行うということで買主に不要な不安を与えてしまい、抵当権の抹消手続きの費用以上に最終的な売却価格が低下してしまうリスクもあるため注意が必要です。
また、仲介を担当した不動産会社に仲介手数料の減額を依頼することも検討できます。ただし、こちらも不動産会社の利益が減ってしまうことで広告費や人件費の予算に悪影響があり、積極的な売却活動を行ってくれない可能性が出てきます。担当者に事情を説明して、慎重に減額交渉しましょう。
まとめ
ワンルームマンション投資をやめる方法として、3つを紹介しました。中でも、今回の記事は売却に焦点を当て、損失を出さないための対策についても解説しています。
損失を出さないようにするには、ワンルームマンション売却の実績が豊富な不動産会社へ依頼をすることが重要なポイントとなってきます。複数の不動産会社へ査定を依頼し、価格や対応力などを総合的に比較しながら、依頼先の不動産会社を慎重に選んでみると良いでしょう。
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