バリューファンドとグロースファンド、人気3本の成績を比較【2022年4月】
割安な株式を選んで投資をするバリューファンドに対し、成長が期待される株式に投資をするのがグロースファンドです。それぞれどのようなパフォーマンスを出しているのか、気になる方もいるでしょう。
今回はSBI証券で取り扱いのある、国内のバリューファンドとグロースファンドについて、純資産総額の上位3銘柄ずつをピックアップしました。それぞれの基本情報やパフォーマンスについて解説します。
※2022年4月4日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- バリューファンド3銘柄
1-1.フィデリティ・日本バリュー・ファンド
1-2.野村-J-REITバリューファンド 年2回決算型
1-3.三菱UFJ国際-日本株セレクト・オープン“日本新世紀”日本株バリュー・ファンド - グロースファンド3銘柄
2-1.日興-日興中小型グロース・ファンド
2-2.日興-年金積立 インターナショナル・グロース・ファンド (愛称:DC I グロース)
2-3.三井住友TAM-ジャパン・グロース・ファンド (愛称:得意技) - まとめ
1.バリューファンド3銘柄
SBI証券で取り扱いのあるバリューファンドのうち、純資産総額が上位の銘柄を3つ解説します。
※各銘柄の純資産や基準価額などのデータは、2022年4月4日時点で公表されているものです。
1-1.フィデリティ・日本バリュー・ファンド
国内上場企業に関して個別分析を行い、割安な状態と判断された企業に投資をするファンドです。投資先の業種は銀行業が12.10%、電気機器が10.50%、輸送用機器が9.8%となっています。日立製作所やデンソーなどが主な組入れ銘柄です。
直近の基準価額はやや伸び悩んでいますが、3年・5年・10年といった中長期のスパンでは高いパフォーマンスを見せています。純資産は長らく減少傾向が続いていましたが、2021年中ごろから若干の増加傾向に変化しました。
基本情報
基準価額 | 46,993円 |
純資産 | 18億3,000万円 |
信託報酬 | 年率1.65%以内(税込) |
直近の分配金 | なし |
基準価額の騰落率(%)
1ヵ月 | 4.08 |
3ヵ月 | 0.88 |
6ヵ月 | 1.97 |
1年 | 5.72 |
3年 | 43.61 |
5年 | 54.10 |
10年 | 172.03 |
設定来 | 373.34 |
組入上位銘柄
銘柄名 | 比率(%) |
---|---|
日立製作所 | 7.00 |
デンソー | 4.85 |
トヨタ自動車 | 4.00 |
THK | 3.68 |
三井住友フィナンシャルグループ | 3.40 |
1-2. 野村-J-REITバリューファンド 年2回決算型
J-REITを主要投資対象とするファンドです。J-REITとは投資家の資金でマンションなどの不動産を購入し、賃貸収入や売買益を分配する投資商品のことです。
投資の際には野村不動産投資顧問株式会社が開発した、独自の不動産価値評価モデルを使用します。それぞれのJ-REITの割安さなどを判断してポートフォリオを構築します。
基準価額は2020年の新型コロナショックで大きく下落して以降、なだらかな回復傾向にあります。ただし下落前の水準にはまだ届いていません。
基本情報
基準価額 | 11,329円 |
純資産 | 34億1,000万円 |
信託報酬 | 年率1.155%(税込) |
直近の分配金 | 250円(2021年12月20日) |
基準価額の騰落率(%)
1ヵ月 | 6.98 |
3ヵ月 | 0.65 |
6ヵ月 | 0.03 |
1年 | -1.48 |
3年 | 0.45 |
5年 | 16.59 |
10年 | - |
設定来 | 13.29 |
組入上位銘柄
銘柄名 | 比率(%) |
---|---|
ユナイテッド・アーバン投資法人 | 7.39 |
ジャパン・ホテル・リート投資法人 | 6.31 |
インヴィンシブル投資法人 | 5.99 |
イオンリート投資法人 | 5.37 |
ジャパンリアルエステイト投資法人 | 5.26 |
1-3. 三菱UFJ国際-日本株セレクト・オープン“日本新世紀”日本株バリュー・ファンド
国内の大型株・中型株に投資をするファンドで、株価が割安状態のままになっている銘柄に投資を行います。組入銘柄については、主にPBR(株価純資産倍率)が市場平均以下で、かつ時価総額が大きい銘柄から選定する方法を取っています。
基準価額の騰落率を見ると短期・長期ともに概ねプラスになっています。ただし純資産に関しては一時期80億円以上ありましたが、現在は約13億円であり、長期的に減少傾向が続いています。
基本情報
基準価額 | 11,455円 |
純資産 | 13億1,200万円 |
信託報酬 | 年率1.65%(税込) |
直近の分配金 | 100円(2021年12月10日) |
基準価額の騰落率(%)
1ヵ月 | 5.57 |
3ヵ月 | 5.29 |
6ヵ月 | 5.25 |
1年 | 2.89 |
3年 | 13.87 |
5年 | 7.45 |
10年 | 60.82 |
設定来 | 14.01 |
組入上位銘柄
銘柄名 | 比率(%) |
---|---|
三菱UFJフィナンシャルグループ | 5.65 |
トヨタ自動車 | 5.59 |
第一生命ホールディングス | 4.22 |
日立製作所 | 4.08 |
日本電信電話 | 3.89 |
2.グロースファンド3銘柄
ここからは、SBI証券で取り扱いのあるグロースファンドのうち、純資産総額が上位の銘柄を3つ解説します。
※各銘柄の純資産や基準価額などのデータは、2022年4月4日時点で公表されているものです。
2-1.日興-日興中小型グロース・ファンド
銘柄名のとおり、国内の中小型の銘柄に投資をするファンドです。業績モメンタム(勢い・方向性)の拡大が見込まれると思われる銘柄を選定します。
投資先の業種は電気機器が17.30%、機械が12.00%、小売業が7.90%です。中小型ということもあり、銘柄の構成比率は最大のものでも1.72%と低く、幅広い分散投資が行われています。
直近の基準価額は伸び悩んでいますが、長期で見ると大きく増加しています。純資産に関しては長期的に下落を続けている傾向です。
基本情報
基準価額 | 25,270円 |
純資産 | 66億600万円 |
信託報酬 | 年率2.057%(税込) |
直近の分配金 | 100円(2021年11月22日) |
基準価額の騰落率(%)
1ヵ月 | 2.89 |
3ヵ月 | -9.43 |
6ヵ月 | -7.74 |
1年 | -4.48 |
3年 | 36.16 |
5年 | 47.78 |
10年 | 454.53 |
設定来 | 152.83 |
組入上位銘柄
銘柄名 | 比率(%) |
---|---|
FRONTEO | 1.72 |
デクセリアルズ | 1.23 |
ウエストホールディングス | 1.23 |
LITALICO | 1.22 |
SHIFT | 1.20 |
2-2.日興-年金積立 インターナショナル・グロース・ファンド (愛称:DC I グロース)
日本以外の国際株式に投資を行うファンドです。投資対象地域はアメリカが60%以上、その他はヨーロッパ・アジア等となっています。
米国の株式市場の盛り上がりを受け、10・5・3年といった長期スパンでは良好なパフォーマンスを見せています。2022年に入ってからは下落傾向となりましたが、直近ではやや戻しています。
基本情報
基準価額 | 38,309円 |
純資産 | 47億300万円 |
信託報酬 | 年率1.98%(税込) |
直近の分配金 | 10円(2021年4月26日) |
基準価額の騰落率(%)
1ヵ月 | 5.44 |
3ヵ月 | -7.10 |
6ヵ月 | -1.50 |
1年 | 6.25 |
3年 | 61.97 |
5年 | 104.98 |
10年 | 360.17 |
設定来 | 280.16 |
組入上位銘柄
銘柄名 | 比率(%) |
---|---|
ALPHABET CLASS C | 5.55 |
AMAZON.COM | 5.15 |
MASTERCARD | 2.78 |
BLACKSTONE | 2.55 |
AMERICAN EXPRESS | 2.45 |
2-3.三井住友TAM-ジャパン・グロース・ファンド(愛称:得意技)
マザーファンドを通じて、国内の利益成長が期待できる株式に投資を行います。1株当たりの利益(EPS)に注目し、高い成長性が見込まれるグロース銘柄を対象とします。
基準価額は新型コロナショックから回復して、2020年9月には下落前の水準を上回りました。ただし2021年9月以降は下落傾向となっています。純資産は長期的に下落傾向が続いています。
基本情報
基準価額 | 12,028円 |
純資産 | 15億8,600万円 |
信託報酬 | 年率1.65%(税込) |
直近の分配金 | 550円(2021年6月21日) |
基準価額の騰落率(%)
1ヵ月 | 2.86 |
3ヵ月 | -9.16 |
6ヵ月 | -9.06 |
1年 | -9.80 |
3年 | 20.51 |
5年 | 30.74 |
10年 | 123.74 |
設定来 | 20.57 |
組入上位銘柄
銘柄名 | 比率(%) |
---|---|
ソニーグループ | 3.47 |
キーエンス | 3.37 |
信越化学工業 | 3.07 |
ダイキン工業 | 2.85 |
クスリのアオキホールディングス | 2.76 |
まとめ
SBI証券で取り扱いのある、バリューファンド・グロースファンドを3つずつ紹介しました。国内株に投資するファンドの他、外国株やJ-REITを投資対象とするファンドもあります。
新型コロナショックで基準価額が大きく下落しましたが、それ以降は回復の兆しを見せているファンドもあります。ただし純資産が中長期で伸び悩んでいるファンドも多く、人気が回復していないことも伺えます。
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バリューファンドとグロースファンド、人気3本の成績を比較【2022年4月】