SBI証券のiDeCoの手数料と取扱商品数、人気のファンドは?【2022年】

SBI証券のiDeCoは、手数料の安さや豊富な品揃えなどで最多水準の加入者数となっている個人型確定拠出年金制度です。中でも低コストと多様性にこだわった商品ラインナップの「セレクトプラン」では、これからの時代に合わせた選び方も可能なので、注目している方もいるのではないでしょうか。

この記事では、SBI証券のiDeCoの特徴や手数料、取扱商品数、主な銘柄について詳しくご紹介します。iDeCoで長期の資産運用を検討している方、購入上位の人気銘柄を知りたい方は、参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※また、本記事は2022年4月21日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. SBI証券のiDeCoとは
    1-1.手数料
    1-2.取扱商品数
  2. SBI証券で取り扱っているiDeCoファンド7選
    2-1.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    2-2.SBI・全世界株式インデックス・ファンド
    2-3.eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
    2-4.eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
    2-5.iFree NY ダウ・インデックス
    2-6.セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
    2-7.ひふみ年金
  3. SBI証券でiDeCoを選ぶポイント
  4. まとめ

1 SBI証券のiDeCoとは

iDeCo(イデコ)とは、国民年金や厚生年金などの公的年金にプラスして積み立てができる私的年金制度です。日本では公的年金への加入は義務付けられている一方、私的年金であるiDeCoへの加入は任意となります。

公的年金だけでは十分な老後資金をまかなうのが難しい中、公的年金にプラスアルファできる備えとしてiDeCoなどの私的年金制度を利用する重要性が高まっています。

iDeCoは確定拠出年金法という法律に基づいて実施されている制度です。申込や毎月の積立(掛金の拠出)、掛金の運用は全て加入者自身で行う必要があり、積み立てた年金は原則として60歳以降に受け取ることができます。

なお、受け取る年金額は運用成果によって左右されるため、加入者自身で行う掛金の運用はiDeCoを利用する際の重要な要素の一つです。

また、iDeCoでは取り扱っている金融機関に専用の口座を開設して年金資産を積み立てますが、運用できる商品は金融機関によって異なります。そのため、運用コストや品揃えなどの観点からiDeCoに対応している金融機関を選ぶことが大切になります。

iDeCoを利用する最も大きなメリットは、税制上の優遇措置を受けながら老後資金を作ることができる点です。毎月の積み立てには所得控除が適用できるため、掛金の額などに応じて所得税や住民税の負担が減ります。

また、投資信託などで資産運用をする場合、分配金や譲渡益に対して通常20.315%の税金が課される一方、iDeCoでは運用益も原則非課税となるため、税金を引かれることなく資産を増やすことが可能です。

積み立てた年金を60歳以降で受け取る方法は、一時金と年金の2種類ありますが、どちらの受け取り方でも所得控除が適用されるため、通常の資産運用と比べて税負担を少なく資産形成できる制度となっています。

なお、iDeCoは運用した年金資産を他の年金制度へ移管できる「ポータビリティ」もメリットの一つです。転職や就職の際、確定給付企業年金や企業型確定拠出年金への移管も可能なため、税制上の優遇措置を受けながら資産形成を後押ししてくれる制度となっています。

1-1 SBI証券の手数料

SBI証券のiDeCoは2005年1月のサービス開始以降、利用者数も伸び続けており、2021年9月6日には口座数が業界初となる50万口座を突破しています。

SBI証券で扱うiDeCoのサービスプランには、主に「オリジナルプラン」「セレクトプラン」の2種類ありますが、新規で申込めるのはセレクトプランのみです(2022年4月21日時点)。オリジナルプランは2021年1月4日に新規受付を停止したため、現在はそれ以前に申し込んだ方のみが継続して利用できるプランとなっています。

iDeCoの手数料には、「加入時・移管時手数料」と「口座管理手数料」の2種類ありますが、SBI証券のiDeCoはどちらのプランでも手数料が業界最安水準となっており、運用コストを抑えながら資産形成できる点が大きな特徴です。

手数料の種類 支払先 金額(税込)
加入時・移管時手数料 国民年金基金連合会 2,829円
口座管理手数料 事務手数料 国民年金基金連合会 105円
資産管理手数料 事務委託先となる信託銀行 金融機関により異なる
運営管理手数料 運営管理機関となる金融機関 金融機関により異なる

加入時・移管時手数料は、新規でiDeCoに加入する場合や他の企業年金から資産を移管する場合に一度だけ必要になる手数料です。これは国民年金基金連合会へ支払う一定の手数料となるため、どこの金融機関でiDeCoを利用しても基本的に同じです。

口座管理手数料の中の事務手数料も国民年金基金連合会へ支払う費用です。これは掛金を拠出して運用を行う場合に発生する手数料であり、毎月掛金を積み立てて運用する場合、毎月105円のコストがかかります。

資産管理手数料と運営管理手数料は、iDeCoを申し込む金融機関によって異なりますが、SBI証券では資産管理手数料66円、運営管理手数料ゼロ円となっています。

そのため、SBI証券のiDeCoで毎月掛金を積み立てて運用する場合でも、業界最安水準となる月額171円(事務手数料105円+資産管理手数料66円)の手数料で済みます。

なお、他社でも同様の手数料水準となる金融機関もありますが、一定以上の資産残高が求められるほか、掛金に条件を設けている場合があります。一方、SBI証券はこのような適用条件を設けていないため、無条件で手数料が最安となっている点が大きな強みです。

1-2 SBI証券の取扱商品数

iDeCoを利用する場合、上記手数料の他にも投資信託の信託報酬などが利用者の負担するコストとして発生しますが、SBI証券のiDeCoは信託報酬の低い投資信託を豊富に取り揃えています。

取扱商品は、セレクトプラン、オリジナルプランともに元本変動型の商品として充実したラインナップになっているほか、元本確保型商品も用意されています。

プラン名 取扱商品
元本変動型商品
(投資信託)
元本確保型商品
セレクトプラン 36本 1本
(定期預金)
オリジナルプラン※ 37本 1本
(定期預金)

※2018年5月1日に施行された「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」に基づき、以前の運用商品67本を法令改正後の上限本数以下とするため、既存商品の一部が2022年4月28日に除外されます。上表は除外後の取扱商品数です。

特に、セレクトプランでは信託報酬0.2%未満のファンドが36本中14本揃っており、コストを極力抑えながら運用できる商品を選びやすくなっています。

2 SBI証券で取り扱っているiDeCoファンド7選

SBI証券で取り扱っているiDeCoの銘柄をご紹介します。以下ファンドはすべてセレクトプランで運用する投資信託であり、基準価額などは2022年4月19日時点の情報です。

2-1 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

運用会社 三菱UFJ国際投信
基準価額 19,554円
ファンド区分 インデックス型
信託報酬(税込) 0.0968%以内
リターン(1年) +29.99%
リターン(3年) +23.36%

おもに米国株式に投資し、S&P500に連動した投資成果を目指すインデックスファンドです。インデックスファンドとは、日経平均株価など特定の株価指数に連動した運用成果を目指す商品です。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、信託報酬0.1%未満の低コストファンドですが、直近リターンは1年で+29.99%、3年でも+23.36%を記録するなど、高いパフォーマンスを記録しています。

2-2 SBI・全世界株式インデックス・ファンド

運用会社 SBIアセットマネジメント
基準価額 16,268円
ファンド区分 インデックス型
信託報酬(税込) 0.1102%程度
リターン(1年) +18.50%
リターン(3年) +17.57%

全世界の株式に投資するファンドで、全世界の株式市場の動きを表しているFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという指数に連動した運用成果を目指します。投資対象が全世界株式なので、その国特有のカントリーリスク等を抑える分散投資効果を期待できる銘柄です。

また、信託報酬は0.1102%程度と低めに抑えられており、直近のリターンも18%前後と堅調な運用成果を残しています。

2-3 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

運用会社 三菱UFJ国際投信
基準価額 20,467円
ファンド区分 インデックス型
信託報酬(税込) 0.1023%以内
リターン(1年) +25.59%
リターン(3年) +20.47%

日本を除く主要先進国の株式に投資するファンドです。MSCIコクサイ・インデックスという先進国の株価動向を示す代表的な指数に連動した運用成果を目指します。

信託報酬は0.1023%以内と低水準に抑えられているものの、直近1年と3年のリターンは20%を超えるハイパフォーマンスです。

2-4 eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

運用会社 三菱UFJ国際投信
基準価額 11,889円
ファンド区分 インデックス型
信託報酬(税込) 0.154%以内
リターン(1年) +2.29%
リターン(3年) +3.78%

先進国の債券に投資し、FTSE世界国債インデックスという先進国国債の動向を示す指数に連動した運用成果を目指すファンドです。

リターンは株式指数などに連動した商品よりも低めですが、世界的な株式市場の下落などに備えたリスクヘッジとして利用できる銘柄となっています。

2-5 iFree NY ダウ・インデックス

運用会社 大和アセットマネジメント
基準価額 25,605円
ファンド区分 インデックス型
信託報酬(税込) 0.2475%
リターン(1年) +19.39%
リターン(3年) +16.58%

円ベースのNYダウに連動した運用成果を目指すファンドです。信託報酬は0.2%超と、ご紹介している中では高めの部類ですが、2016年9月8日からの設定来リターンは151.83%の成果を上げています。

2-6 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

運用会社 セゾン投信
基準価額 19,736円
ファンド区分 バランス型
信託報酬(税込) 0.54〜0.56%
リターン(1年) +10.71%
リターン(3年) +10.56%

米国バンガード社が運用する株式と債券のそれぞれのインデックスファンドに50%ずつ投資するバランスファンドです。バランスファンドとは、株式や債券、REIT等の異なる資産に分散投資する投資信託です。

信託報酬はインデックスファンドよりも高めの水準ですが、複数の資産に分散投資するうえ、堅調な運用成果をあげているなど、長期保有に向いているファンドです。

2-7 ひふみ年金

運用会社 レオス・キャピタルワークス
基準価額 16,782円
ファンド区分 アクティブ型
信託報酬(税込) 0.836%
リターン(1年) -9.36%
リターン(3年) +7.76%

国内外の市場価値が割安と考えられる上場株式に投資し、市場環境に応じて株式の組入比率を調整するアクティブファンドです。アクティブファンドとは、株価指数など特定の指数以上の運用成果を目指して運用される投資信託です。

信託報酬は0.836%と高めですが、投資スタンスから中長期的な資産の成長が期待できます。直近のリターンはマイナスになっているものの、2016年10月3日の設定来リターンは71.88%をマークするなど、一定の成果を上げているファンドです。

3 SBI証券でiDeCoを選ぶポイント

SBI証券のiDeCoで購入できる投資信託は、全て買付手数料無料のノーロードです。また、SBI証券は資産管理手数料なども最安値水準のため、運用コストで主に注意したいポイントはファンドの信託報酬となります。

通常、特定の株価指数などに連動した運用成果を目指すインデックスファンドの信託報酬は0.1~0.3%と低く設定されているのに対し、指数以上の運用成果を目指すアクティブファンドは1~3%程度と高めの設定です。

アクティブファンドのほうが大きな見返りを得られる可能性はあるものの、長期間の運用によって成果を得るiDeCoの投資スタイルを考えた場合、信託報酬の高いファンドは手数料の総額も大きく膨らみます。

そのため、将来受け取る年金額を多くしたい場合は、信託報酬のなるべく低いインデックスファンドを中心に運用を行うスタイルが向いています。

また、iDeCoで運用できる商品には元本変動型と元本確保型の2種類あります。元本確保型とは、定期預金や保険のように掛金が元本割れしない金融商品ですが、ローリターンです。一方、元本変動型の商品は元本割れのリスクはあるものの、元本確保型と比べて大きなリターンを得られる可能性があります。

そのため、iDeCoの税制優遇等のメリットを最大限に生かすためには、2種類の商品をバランス良く運用することも大切なポイントです。

まとめ

SBI証券のiDeCoは、取扱金融機関の中でも最安水準の運用手数料です。また、信託報酬の低いファンドも多くラインナップしているため、運用コストを抑えながら長期の資産形成を行うことが可能です。

なお、iDeCoのメリットを活かしながら年金資産を増やすためには、運用コストを抑えることや元本変動型と元本確保型の商品をバランスを見て運用することも大切です。この記事でご紹介したファンド情報なども参考にしながら、iDeCoでの資産運用を検討してみてください。

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