SBI証券、IPO取引の評判と実績は?当選率の上げ方も【2022年5月】

SBI証券は口座開設数や金融商品の取扱数で業界最多水準のネット証券大手です。IPO銘柄の取扱数も豊富で、初参加の方にも多くの当選チャンスがあるため、具体的な実績や評判について気になる方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、SBI証券のIPO取引の特徴、評判、実績、当選確率を上げる方法を詳しくご紹介します。IPO取引が初めての方、SBI証券のIPO取引を検討している方は、参考にしてみてください。

目次

  1. SBI証券のIPO取引とは
    1-1.IPO取引とは
    1-2.IPO銘柄の抽選の仕組み
    1-3.SBI証券のIPO取引
  2. SBI証券のIPOの実績
  3. SBI証券のIPOの評判
  4. SBI証券でIPOの当選確率を上げる方法
    4-1.多くのIPO抽選に参加する
    4-2.IPOチャレンジポイントを活用する
  5. まとめ

1 SBI証券のIPO取引とは

はじめにIPO取引の概要やIPO銘柄の抽選の仕組み、SBI証券のIPO取引の特徴について確認してみましょう。

1-1 IPO取引とは

IPO取引とは、未上場の会社の株式を証券取引所へ新規上場する際に証券会社などから購入する取引です。IPO(Initial Public Offering)とは新規株式公開のことで、東京証券取引所などの証券取引所に株式を上場することで多くの投資家が自社の株式を自由に取引できるようになります。

上場前に株主になれるのは創業者やベンチャーキャピタルなど限られた関係者のみでしたが、上場すると新規株式の発行などによって市場から豊富な資金調達が可能になるだけでなく、知名度も向上するため、優秀な人材を確保しやすくなるなど様々なメリットがあります。

ただし、証券取引所に株式を上場するためには、各取引所で定められている厳格な上場審査基準をクリアする必要があり、社内管理体制の整備や上場手続き、適正な資本政策の策定などが必要不可欠です。

これらの煩雑な上場手続きで全体的な作業運営やスケジュール管理を担うのが主幹事と呼ばれる証券会社です。主幹事は幹事と呼ばれる証券会社などと共同し、上場するIPO株を引き受けて販売します。

証券取引所の上場承認後に主幹事が株式公開価格の仮条件を決定し、その後、主幹事や幹事を務める証券会社で口座を持っている投資家に対してブックビルディングが実施されます。

個人投資家などは、この証券各社で実施されるブックビルディングに参加し、抽選に当たるとIPO株を購入できる仕組みとなっています。

IPO銘柄は、厳しい上場審査基準をクリアしていることや、今後の資金調達によって事業の拡大なども見込まれるため、上場直後に大きく値上がりする銘柄が多く、上場前に株式を購入して上場直後に売却することで利益を得やすいのが特徴です。

その結果、毎回多くのIPO取引希望者が抽選に参加しており、どの証券会社でも倍率は基本的に高めで当選しにくい取引となっています。

1-2 IPO銘柄の抽選の仕組み

主幹事や幹事となる証券会社が引き受けたIPO株は、様々な方法でその証券会社に口座を持つ株主へと配分されます。例えば、証券会社の裁量で大きな金額の取引などを行う優良顧客に優先的に割り当てる「店頭配分」に対し、ネット証券等で実施されているIPO株の抽選は以下の3種類があります。

抽選方法 内容
平等抽選 ブックビルディングの申込み口数に応じて抽選権利が与えられる抽選方式で、5口で申込んだ場合は5票分の抽選権利が与えられる方式です。
完全平等抽選 申込みした全ての投資家に1票の権利を与える抽選方式で、ブックビルディングの申込み口数に関わらず申込者数を分母とした抽選が行われます。
独自の優遇抽選 口座を保有している一部の投資家が当たりやすくなるよう、特定の条件や優遇措置などを設ける抽選方法です。口座で多くの金融資産を多く持つ投資家や取引が多い投資家などを優遇する方法が主流ですが、中には若い世代の投資家に限定して抽選する方法などもあります。

抽選方式は、大半の個人投資家がIPO株を購入するための最も現実的な方法です。多くの資金を持たない投資家でもIPO株を取引できるよう、原則10%以上は個人顧客へ抽選で配分することが日本証券業協会の規則に明記されています。

平等抽選と完全平等抽選の違いは、申込み口数により抽選権利が異なる点です。例えば、購入資金を豊富に用意できる投資家は、より多くの口数を申込むことで票数の多くなる平等抽選を選ぶほうが適しています。

一方、投資に使える資金が限られている方などは完全平等抽選が適しています。このほか、独自の優遇抽選では、取引状況などに応じて平等抽選や完全平等抽選よりも当選率アップの可能性が高くなります。

このように高倍率なIPO株の抽選に当たるためには、各投資家の状況に合った抽選方法を実施している証券会社に申し込むことがポイントです。

1-3 SBI証券のIPO取引

SBI証券では、個人投資家に配分する予定数量のうち10%が店頭配分で、残りの90%は抽選による配分です。また、90%の抽選配分のうち60%は平等抽選となっており、残る30%はIPOチャレンジポイントによるSBI証券独自の優遇抽選を実施しています。

SBI証券では、ブックビルディングに参加する際に、当選したIPO株を購入できるだけの資金が口座に必要です。そのため、複数の口数を申し込むことのできる平等抽選では、資金力のある投資家が有利になる傾向があります。

一方、抽選配分のうち30%はIPOチャレンジポイントによる抽選方式なので、過去にIPO抽選に外れた投資家が当選しやすくなっています。これにより、資金を豊富に用意できない場合でも当選するチャンスがあります。

なお、SBI証券では、当選後に購入申込みの手続きが必要です。購入申込みの手続きを忘れた場合、当選していてもIPO株を購入できないため注意が必要です。

2 SBI証券のIPOの実績

SBI証券はIPO銘柄の取扱件数が豊富で、証券業界でもトップクラスの水準です。取扱件数が多い大手の店舗型証券会社と比較しても、最近は業界最多の取扱実績となっています。

証券会社 2021年取扱件数
(下段は主幹事数)
SBI証券 120
(21)
みずほ証券 83
(28)
SMBC日興証券 79
(26)
野村證券 64
(27)

2021年におけるSBI証券のIPO実績は、大手店頭証券であるSMBC日興証券や、みずほ証券を大きく引き離しています。主幹事を務めた件数も21件と店頭証券に迫る勢いです。

また、証券会社に割り当てられたIPO株のうち、多くが個人投資家へ抽選で配分されるネット証券はIPO取引で狙い目となります。IPO取扱数の多いネット証券他社と比較すると以下の通りです。

証券会社 2021年 2020年 2019年 抽選方法
SBI証券 122 85 84 個人投資家への配分のうち60%は平等抽選、30%はIPOチャレンジポイントによる優遇抽選、残る10%は店頭配分。
楽天証券 74 38 26 100%平等抽選
マネックス証券 66 50 45 完全平等抽選
岡三オンライン証券(岡三オンライン) 48 40 37 90%は取引実績に応じた優遇抽選、残る10%は完全平等抽選。
auカブコム証券 42 19 25 90%は店頭配分、残る10%は完全平等抽選。

(ネット証券各社のホームページを参照。対象は名証や福証なども含む全ての取引所)

過去3年間を比較しても、SBI証券はネット証券最多のIPO取扱件数です。各社とも抽選方法が異なるため、単純比較はできませんが、取扱件数が多ければ多いほど抽選に参加できる機会が増えるため、IPO銘柄を購入できるチャンスも広がります。

さらに、SBI証券以外のネット証券は主幹事を務めることも少ないのが特徴です。IPO取引においては、抽選に参加する証券会社が主幹事を務めるかどうかも重要な役割を果たすので、SBI証券の大きな強みとなっています。

3 SBI証券のIPOの評判

SBI証券で実際にIPO取引を実践しているユーザーから、以下のような意見や感想が寄せられています。

  • SBI証券はIPO銘柄の取扱が多く、IPOチャレンジポイントなどの優遇抽選もある
  • SBI証券なら一社だけで申し込みたいIPOに全て申し込める
  • IPOチャレンジポイントを使った抽選で当選したことがある
  • ブックビルディングに参加する際、必ず資金拘束が発生するのは少し残念
  • IPOの実績が豊富でも当たらない時は当たらない

※いずれも個人の感想です。サービスに関してはご自身でもよくご確認の上、ご利用のご判断をお願いいたします。

SBI証券はIPO実績の豊富さを評価する声が多く、取扱銘柄の多さから一社だけでも様々なIPO銘柄を申し込めます。また、優遇抽選のIPOチャレンジポイントも好評で、数多くの抽選に参加することで当選できると評判です。

一方、ブックビルディングに参加する際、当選したIPO株を買えるだけの資金を用意しなければならない点をデメリットに挙げる意見もあるほか、資金拘束なしで抽選を受けられる他社を引き合いに改善を求める声も挙がっています。

4 SBI証券でIPOの当選確率を上げる方法

IPOの取扱実績が豊富でも、高倍率の抽選に当たるのは簡単ではありません。SBI証券でIPOの当選確率を上げる方法やポイントを見ていきましょう。

4-1 多くのIPO抽選に参加する

数多くのIPO抽選に参加することは当選確率を少しでも上げる方法の一つです。特に、上場後の業績拡大などが期待されている人気銘柄を中心に、IPO株の抽選倍率は高くなります。注目度の高い銘柄の場合、こまめにIPO抽選に参加することで抽選を受ける機会を増やすことが当選確率のアップに繋がります。

SBI証券では、主幹事を務める件数も増加傾向にあるので、投資家への配分数量が多い主幹事の銘柄などを中心に多くの抽選に参加することで当選を期待できます。

4-2 IPOチャレンジポイントを活用する

SBI証券では、IPOチャレンジポイントを活用することでもIPOの当選率を上げることが可能です。IPOチャレンジポイントとは、新規上場株式(既に上場している銘柄の公募増資・売出は除く)のブックビルディングの抽選や配分に外れた回数に応じ、ポイントが加算されるポイントプログラムです。

申込口数に関係なく、IPOの抽選に1回外れると1ポイント加算されるシステムとなっているため、ハズレが続いてもIPO抽選に参加した回数分だけポイントを貯めることができます。

SBI証券のIPOチャレンジポイントによる配分は、個人投資家への配分の30%となっており、IPOチャレンジポイントの多い方から順番に当選していく仕組みのため、多くのIPOチャレンジポイントを保有している方(それまで多く抽選に外れた方)ほど当選の確率が上がります。

なお、IPOチャレンジポイントによる配分に当たらなかった場合、使用したポイントに1ポイントを加えたポイント数が加算されます。例えば、3ポイント使用して外れた場合は4ポイントが新たに加算されるというシステムです。これにより、抽選の参加を続けるほど当選に近づくことが可能となっています。

まとめ

SBI証券はIPO銘柄の取扱が豊富で、取扱実績は店舗型の大手証券会社を含めてもトップクラスです。また、IPOチャレンジポイントを活用することで、抽選に外れても次回以降で当選する確率を上げられるのも大きな特徴です。

一方、SBI証券のIPO抽選に参加するとIPO株を購入できるだけの資金が拘束されるので、複数のブックビルディングに参加する際は資金的に余裕を持たせておくことも大切です。

SBI証券のIPO取引に興味のある方は、上記の実績や評判も参考にした上で検討してみてください。

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