アパート経営を土地なしで始める手順は?必要な自己資金や注意したいリスクも
アパート経営において土地の選定は非常に重要な要素となりますが、順序立てて進めて行くことで土地を持っていない状態からでもアパート経営を始めることが可能です。
そこで今回のコラムでは、土地を持っていない人がアパート経営を始めるための流れや手順を解説します。また、アパート経営を始めるための初期費用とそれに合わせて必要な自己資金、さらにリスクについても紹介します。
目次
- 土地なしでアパート経営を始める3つの方法
- 土地を取得してアパート経営を始める手順
2-1.土地を探す
2-2.購入を申し込む
2-3.アパート業者を選定する
2-4.建設工事を開始する
2-5.入居者募集を開始する
2-6.アパートが引き渡される - アパート経営を始める際の初期費用
3-1.土地購入にかかる費用
3-2.アパート建設にかかる費用
3-3.自己資金の目安 - 土地なしでアパート経営を始めるリスク
- まとめ
1 土地なしでアパート経営を始める3つの方法
土地を所有していない方がアパート経営を始めるには、次の3つの方法があります。
- 土地を取得して新築アパートを建てる
- 土地付きの新築アパートを購入する
- 中古アパートを購入する
まずはどの方法でアパート経営を始めるか決めることになります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、以下を確認してください。
アパート経営を始める方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
土地を取得して新築アパートを建てる | 建物を含め、理想に近いアパート経営ができる | 土地を探す必要がある |
土地付きの新築アパートを購入する | 購入後はすぐに経営が始められる | すでに完成されており、オーナーの意向を反映しづらい |
中古アパートを購入する | 入居者が確保されているなど、経営の基盤がある | 築年数が経っていると、設備などが古いケースがある |
上記の特徴を参考にしつつ、まずはどの方法でアパート経営を始めるのか決めていきましょう。
2 土地を取得してアパート経営を始める手順
この項目では、土地を購入してからアパート経営を始める流れや手順について解説していきます。代表的な流れは下記のようになります。
- 土地を探す
- 購入を申し込む
- アパート業者を選定する
- 建設工事を開始する
- 入居者募集を開始する
- アパートが引き渡される
それぞれについて、次の項目から見ていきましょう。
2-1 土地を探す
土地を探す場合、事前に予算を確認し、おおよそのエリアや規模などを決めておきます。探す方法には、主に下記の方法があります。
- 不動産情報ポータルサイトで検索する
- 不動産会社に相談する
- 現地に行って自分で探す、など
不動産情報ポータルサイトで希望するエリアや広さなどの条件を入力して検索し、条件に見合う土地があれば、取り扱いをしている不動産会社に問い合わせをして資料を提供してもらいます。
エリアが決まっている場合は、その地域に強い不動産会社に連絡をして見つけてもらう方法もいいでしょう。インターネットなどには出てない情報を提供してくれる場合もあります。
上記の方法で条件に合った土地が見つけられない場合は、実際に現地に行って探す方法もあります。市場で売り出していない空き地などを見つけられる可能性もあります。
2-2 購入を申し込む
予算を含めた条件に合致した土地を見つけたら、売主に対して購入を申し込みます。その方法は、購入希望金額を記入した買付証明書を、仲介する不動産会社を介して売主に提出する方法です。売主は、この買付証明書の金額を確認した上で、売却の判断を行います。
土地の購入代金を金融機関からの融資でまかなう場合は、事前審査を受けておき、ローンの可否を判断してもらいましょう。売主から売却可能の判断を得ても、融資が不可であれば土地購入はできなくなります。
このとき、アパートの建設費用にも融資を利用する場合、建設費用を含めた融資が可能かどうかも審査してもらうことになります。
2-3 アパート業者を選定する
アパートを建てる際はアパート業者に依頼します。アパート業者には、アパートメーカー、企画会社、工務店、ハウスメーカーなどがあります。得意の工法やデザイン、過去の実績を比較して気になるアパート業者に相談し、建築プランを含めた提案書を提出してもらいます。
この提案書を確認し、オーナーの意向に合ったプランを提案してくれたアパート業者を選ぶのが通常の流れです。
2-4 建設工事を開始する
建築プランが決定したら、アパート業者と工事請負契約を締結します。契約の締結は金融機関からの融資が条件となっていることがあるため、事前に金融機関に融資の申し込みを行っておきます。
融資決定後に工事請負契約を締結したら、施工会社がアパートの建設工事を開始します。
2-5 入居者募集を開始する
入居者の募集は、引き渡し予定日が決定した後で行います。そのため建設工事が始まる頃には、管理を自主管理で行うのか、委託管理で行うのか決めておきます。
入居者募集の開始は引き渡し予定日の3カ月〜6カ月前が目安ですが、委託管理で行う場合は管理業者が進めてくれるのが通常です。一方、自主管理の場合は、ご自身で仲介会社や仲介店舗に依頼し、入居者を募集することになります。
2-6 アパートが引き渡される
アパートが完成した後は、建築工事費用の残額を決済するときに引き渡しが行われます。特別なことをするわけではなく、検査済証やアパートの鍵などが施工会社からオーナーに渡されます。
また現地でアパートの状態を確認することもあります。この場合、オーナーをはじめ、管理会社、施工会社などが現地に集まり、施工会社からの説明を受けることになります。
この引き渡しが終了した後に、アパート経営が本格的にスタートします。入居予定者がいる場合は、入居予定日までにエントランスや廊下、掲示板などに備品の搬入を行い、入居者を受け入れる準備をします。
3 アパート経営を始める際の初期費用
土地を持っていない人がアパート経営を始める際には、これまで見てきた通り、土地の購入代金やアパートの建設費用などがかかります。
この項目ではそれぞれの費用がどのくらい必要で、自己資金をどれくらい用意するといいのか、解説していきます。
3-1 土地購入にかかる費用
土地を購入するには、土地代金のほかに諸費用がかかります。代表的な諸費用は下記になります。
- 登記費用
- 抵当権設定費用
- 司法書士報酬
- 不動産取得税
- 印紙税
- ローン保証料、など
土地価格は地域や面積などによって異なりますが、数百万円から数億円程度となります。諸費用についても土地の規模によって変わり、例えば、3,000万円の土地を購入した場合の諸費用は200万円前後が目安となります。
3-2 アパート建設にかかる費用
アパート建設にかかる費用についても、建物の構造や規模などで大きく異なります。構造別の目安としては、木造の坪単価が50万円〜100万円、鉄骨造が70万円〜110万円、鉄筋コンクリート造が80万円〜120万円となります。
またアパートの建設工事にかかる費用の他に、下記のような諸費用も必要です。
- 登記費用
- 抵当権設定費用
- 司法書士報酬
- 不動産取得税
- 印紙税
- ローン保証料
- 火災保険費用、など
例えば、5,000万円のアパートを建てる場合、諸費用は500万円前後が目安となります。合計するとアパート建設にかかる費用は、5,500万円ということになります。
3-3 自己資金の目安
アパート経営に関わらず、不動産を購入する際の自己資金は1割〜3割が目安となります。上記の例を用いて自己資金を2割とすると、土地なしでアパート経営を始める際の自己資金は下記の金額が目安となります。
- 土地代金…購入費用+諸費用:3,200万円→自己資金:640万円
- アパート建設費用…工事費用+諸費用:5,500万円→自己資金:1,100万円
フルローンを活用することができれば自己資金の必要がないケースもありますが、アパートの事業性が高く融資を受ける方の属性が非常に高いなどの条件が必要です。それ以外の物件であれば、土地代金+アパート建設費用が8,700万円の場合、通常は1,740万円程度の自己資金を用意する必要があります。
4 土地なしでアパート経営を始めるリスク
土地を持っていない人がアパート経営を始める際の代表的なリスクは、「完成時期が見通せない」ということです。希望に合致した土地を見つけることに手間取ることもあり、予定していた時期にアパートが完成しない可能性があるからです。
例えば、3月の完成・入居開始を目指していたが、土地が見つからないため6月の完成・入居開始にずれてしまったというケースもあります。この場合、引っ越しシーズンである3月〜4月から外れてしまうため、入居者の確保が難しくなることも考えられます。
また土地の取得から始めた場合、土地探しやアパート業者探し、管理業者探しなど細かな作業が多く、また金融機関に何度も足を運ぶなどオーナーの負担が大きくなるのもリスクの一つです。本業を持っている人であれば、スムーズに進まないこともあるため、慎重に判断しましょう。
アパート経営を土地なしで始める場合は、アパート経営をサポートするアパートメーカーや不動産投資会社の活用を検討されてみると良いでしょう。例えば、2006年の創立から約1000棟の開発・引渡し実績のあるアイケンジャパンでは、土地探しからアパートの建築プラン作成、管理業務の請負などにワンストップで対応してくれます。
また、初回満室保証や家賃滞納保証、管理代行サポートや確定申告のサポートなども利用できるため、初心者の方でもアパート経営に取り組むことができます。アイケンジャパンでは、資料請求やセミナー参加で同社のアパート経営ノウハウが詰まった詳細資料とアパート経営に関する書籍のPDFを無料プレゼントしてもらえますので、まずは情報収集をしたいという方も検討されてみると良いでしょう。
【関連記事】アパート経営に強い不動産投資会社一覧
まとめ
土地を持っていない人がアパート経営を始めるには、資金面やスケジュールなどのハードルが高くなりますが、アパートメーカーを活用するなどでスムーズに進められる可能性があります。
また、土地付きの新築アパートや中古アパートを購入して始める場合も、アパート経営をサポートする会社が複数あります。まずは自身の検討エリアに対応している不動産会社から情報取集を行い、具体的なアドバイスを受けることを検討されてみると良いでしょう。
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