SBI証券、SBIネオトレード証券、SBIネオモバイル証券の違いは?3社を比較

2018年10月にSBIネオモバイル証券が設立され、2021年1月にはSBIネオトレード証券がSBIグループ入りしました。ネット証券最大手のSBI証券は知名度が高い一方、SBIネオトレード証券またはSBIネオモバイル証券との違いやその特徴についてはよく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、SBIグループの証券会社3社の違いや特徴、強みについて詳しくご紹介します。各社ともメリット・デメリットがあるので、証券会社選びの判断材料としてご参考ください。

目次

  1. SBIグループ3社の特徴
    1-1.SBI証券の特徴
    1-2.SBIネオトレード証券(ネオトレ)の特徴
    1-3.SBIネオモバイル証券(ネオモバ)の特徴
  2. SBI証券、ネオトレ、ネオモバの違い
    2-1.取扱商品
    2-2.現物株の取引コースと手数料
    2-3.IPO取引
  3. どの証券会社を選べばいい?
    3-1.商品の豊富さで選ぶ
    3-2.手数料の安さで選ぶ
    3-3.IPO取引で選ぶ
    3-4.少額投資の始めやすさで選ぶ
  4. まとめ

1 SBIグループ3社の特徴

SBI証券SBIネオトレード証券SBIネオモバイル証券(ネオモバ)の3社は全て大手金融のSBIグループが運営する個人投資家向けのネット証券です。まずは、各社の特徴から確認してみましょう。

1-1 SBI証券の特徴

SBI証券は投資家の知名度も高いSBIグループの中核を担うネット証券です。口座開設数や預り資産残高、個人委託売買代金などはネット証券業界でもトップクラスの大手企業で、多くの個人投資家が利用しています。

SBI証券の最大の特徴は、1999年のインターネット取引サービス開始以来、業界最安水準となる手数料体系の導入や豊富な金融商品の取り扱いに取り組んできた点です。これにより、コストを抑えながら様々な金融商品を取引することができます。

また、IPO引受業務などにも力を入れており、最近は店舗型証券会社も含めたIPO銘柄取扱件数もトップクラスとなっています。これにより、IPO投資を希望する個人投資家にとって利用しやすい証券会社となっています。

1-2 SBIネオトレード証券(ネオトレ)の特徴

SBIネオトレード証券は2021年1月にライブスター証券から商号変更したネット証券です。SBIグループの一員となった今も旧ライブスター証券の特徴やサービスなどを引き継いだ証券会社として支持されています。

SBIネオトレード証券の最大の特徴は取引手数料の安さで、現物株取引だけでなく信用取引や先物・オプション取引なども業界最安値水準での取引が可能です。また、無料で使える多機能なトレードツールなども有名なので、ツールを使用しながらコストを抑えた取引ができる本格的なトレーダー向けの証券会社という地位を築き上げています。

1-3 SBIネオモバイル証券(ネオモバ)の特徴

SBIネオモバイル証券は2019年に開業したネット証券です。若年層や初心者の投資促進をターゲットにした証券会社で、共通ポイントのTポイントなどを手掛けるCCCグループと共同で設立されました。

SBIネオモバイル証券の大きな特徴は、少額から手軽に投資ができる点です。スマートフォンだけで完結する取引環境や1株単位での現物株取引、Tポイントを使った株取引・FXなど、特色のある商品やサービスが提供されています。

SBIネオモバイル証券は若年層や投資初心者の方が資産形成を身近に感じながら手軽に投資に取り組めることをコンセプトとして掲げており、SBI証券やSBIネオトレード証券とは異なるネット証券として存在感を増しています。

2 SBI証券、ネオトレ、ネオモバの違い

ここからは、SBI証券、SBIネオトレード証券、SBIネオモバイル証券の3社の違いを取扱商品や手数料(取引コスト・利用料)などの面で比較しながら確認してみましょう。

2-1 取扱商品

SBIグループ3社の取り扱う金融商品やサービスはそれぞれ異なっており、下表の通りです。

取扱商品の比較

項目 SBI証券 SBIネオトレード証券 SBIネオモバイル証券
国内株式(現物)
国内株式(信用) ×
投資信託 ×
先物・オプション △(ネオW:カバードワラント)
CFD取引 × ×
外国株式 × ×
IPO
単元未満株 ×
FX ×
NISA ×
iDeCo × ×
ポイント投資 ×

(2022年6月時点)

SBI証券は現物・信用取引をはじめ、先物・オプション、CFD取引、投資信託、外国株、FXなど取り扱っている金融商品が豊富で、個人型確定拠出年金のiDeCoやポイント投資などにも対応しています。

一方、SBIネオトレード証券は現物・信用取引、投資信託、先物・オプションと厳選された商品ラインナップです。また、SBIネオモバイル証券は国内株(単元未満株やポイント投資も含む)とFX、カバードワラントなどが取引可能となっています。

以上を整理すると、SBI証券は「様々な投資に対応した万人向け」、SBIネオトレード証券は「本格的なトレーダー向け」、SBIネオモバイル証券は「少額でも投資できる初心者向け」という各サービスの特徴が出ています。

2-2 現物株の取引コースと手数料(利用料)

SBIグループの3社はいずれも国内現物株を取り扱っていますが、取引コースや手数料は各社異なります。SBI証券とSBIネオトレード証券は1約定ごとに手数料が決まるコースと1日の約定金額合計に応じて手数料の決まる定額コースの選択が可能ですが、SBIネオモバイル証券は月間の約定合計金額に応じて利用料が決まる取引コースのみとなっています。

1約定ごとプランの手数料比較

項目 SBI証券
(スタンダードプラン)
SBIネオトレード証券
(一律プラン)
5万円まで 55円 50円
10万円まで 99円 88円
20万円まで 115円 100円
50万円まで 275円 198円
100万円まで 535円 374円
150万円まで 640円 440円
300万円まで 1,013円 660円
3,000万円まで 880円
3,000万円以上 1,070円

(全て税込表記です。2021年8月時点)

1約定ごとに手数料が決まるSBI証券の「スタンダードプラン」とSBIネオトレード証券の「一律(つどつど)プラン」を比較した表ですが、1約定ごとの料金はSBIネオトレード証券のほうが安く設定されています。

一方、定額プランの場合、SBI証券のアクティブプランが1日の約定金額合計100万円までは無料となっており最安水準です。

定額プランの手数料(取引コスト)比較

項目 SBI証券
アクティブプラン
SBIネオトレード証券
定額(おまとめ)プラン
SBIネオモバイル証券(月額利用料)
50万円まで 0円 0円 220円
100万円まで 0円 0円 1,100円
150万円まで 1,278円 880円 1,100円
200万円まで 1,278円 1,100円 1,100円
300万円まで 1,718円 1,540円 1,100円

(全て税込表記です。2021年8月時点)

なお、SBIネオモバイル証券は取引がなくても月額利用料220円が発生する料金体系ですが、月間の約定金額合計には1株などの単元未満株の取引も含まれます。同じ単元未満株を扱うSBI証券は1約定につき約定代金の0.55%(最低55円)の手数料がかかるため、単元未満株を取引する場合、SBIネオモバイル証券が最安値となるケースが多くなっています。

また、SBIネオモバイル証券は月額利用料220円を支払っていると、投資などにも使えるネオモバ限定Tポイントを毎月200ポイント貰えます。そのため、単元未満株取引についてはSBIネオモバイル証券の手数料が実質最安値となる場合もあります。

2-3 IPO取引

IPO株については3社とも申込可能です。抽選方法や事前入金の有無などは、下表の通り各社異なります。

IPO取引の比較

項目 SBI証券 SBIネオトレード証券 SBIネオモバイル証券
申込み可能株数 100株~ 100株 1~99株
抽選方法 個人投資家への配分のうち、60%完全抽選、30%IPOチャレンジポイントによる抽選、10%裁量配分 10%完全抽選、90%ステージ別抽選 全て抽選配分であり、「若年優遇」「取引継続優遇」「FX取引口座保持優遇」などの優遇抽選あり
事前入金 不要
2020年の取扱件数 85件 7件 11件

IPO抽選については、SBI証券が他2社を実績で大きく引き離していますが、口座開設数も多いため競争率も高くなります。

一方、SBIネオトレード証券は事前入金が不要なため、資金拘束されることなくIPO抽選に参加できる点が特徴です。

また、SBIネオモバイル証券は1株からの申込みが可能で、若年者優遇などの制度もあるため、投資初心者の方でも少額からIPO取引に挑戦できる強みがあります。

2020年のIPO取扱件数のみを比較すると、SBIネオトレード証券とSBIネオモバイル証券は実績豊富ではないものの、SBIグループの傘下ということで今後はSBI証券が引き受けたIPO銘柄の委託販売などが増加していくと考えられます。

3 どの証券会社を選べばいい?

SBI証券、SBIネオトレード証券、SBIネオモバイル証券の3社の違いや特徴を把握した上で、投資目的や投資スタイルなどに合わせた選び方についてご紹介します。

3-1 商品の豊富さで選ぶ

現物株だけでなく、先物・オプション、外国株、FXなど幅広い金融商品を取引したい投資家にはSBI証券が向いています。他2社では取り扱いのない外国株もSBI証券では9か国もの株式を取り扱っており、SBI証券1社だけでネット証券他社で扱っているほとんどの金融商品をカバーすることができます。

また、NISAやiDeCoなどの優遇税制を活かした資産形成も可能で、口座開設後も様々な投資の選択肢が用意されている点はSBI証券を選ぶメリットです。

3-2 手数料の安さで選ぶ

取引手数料で選ぶ場合、投資対象や取引スタイルを考慮しながら判断することが重要です。例えば、国内現物株の取引をメインに考えている場合、売買の頻度や金額によって選ぶ証券会社は変わります。

1日に何度も取引する場合、1日の約定金額合計で手数料が決まる定額プランを利用することで手数料を安く抑えることができます。例えば、SBI証券の「アクティブプラン」は、約定代金100万円以下なら手数料無料なので、コストを抑えた取引が可能です。

一方、取引頻度が少ない、または一度の約定金額が大きくなる場合、1約定ごとの手数料が安いSBIネオトレード証券の「一律(つどつど)プラン」が向いています。また、SBIネオトレード証券では、信用取引は全銘柄で取引手数料が無料となっていますので、信用取引中心の利用を検討している方にもメリットがあります。

また、単元未満株を取引する場合は、SBI証券かSBIネオモバイル証券の2択になります。しかし、月間の取引合計額50万円以内で複数回取引したい時は、SBIネオモバイル証券だと月額220円で何度でも取引可能です。

このように、手数料で選ぶ場合は投資対象となる商品や投資スタイルを基準に比較検討することが大切です。

3-3 IPO取引で選ぶ

IPO取引をしたい方にはSBI証券が向いています。SBI証券のIPO銘柄取扱実績はネット証券業界で最も多く、店舗型の証券会社を含めても実績件数はトップとなっています。また、多くの株数を配分できる主幹事を務めることもあるため、IPO抽選に当選するチャンスも期待できます。

ただし、SBI証券では、IPO株の抽選を申し込む際、当選株式を購入する資金を事前に入金する必要があります。そのため、数多くのIPO抽選に申し込むためには口座に相応の資金が必要です。

一方、SBIネオトレード証券ではIPO株の抽選に参加する際、事前入金が不要なため、資金移動の手間などをかけずに抽選に参加することも可能です。

そのため、IPO取引を中心に検討する場合、SBI証券とSBIネオトレード証券の両方で口座を開設するという選択肢もあります。SBI証券とSBIネオトレード証券は口座の維持費なども一切かからないので、余計な資金移動の手間などをかけずに多くのIPO抽選に参加できます。

なお、SBIネオモバイル証券は取引金額0円の場合でも月額220円の費用がかかる点は留意しておきましょう。(一時停止中を除く。)

3-4 少額投資の始めやすさで選ぶ

少額で気軽に投資を始めたい場合はSBIネオモバイル証券が向いています。SBIネオモバイル証券は1株などの少額から取引可能で、共通ポイントのTポイントで投資することもできるため、手軽に投資できる環境が整っています。

また、SBIネオモバイル証券はスマートフォンの専用アプリで全ての手続きや取引を完結できるので、専門知識のない初心者でも余計な手間や時間をかけることなく始められます。一方、SBI証券でも1株からの少額取引やTポイントを利用した投資は可能です。

そのため、「手軽に投資を体験したい」「損が怖いので少額で取引を始めたい」などの場合はSBIネオモバイル証券、「学びながら始めて様々な金融商品の取引もしたい」などの場合はSBI証券という証券会社選びも可能です。

まとめ

SBIグループの3社はそれぞれ取扱商品や手数料などに違いがあるため、各社の特徴を正確に把握することが重要です。口座開設では投資スタイルなどを考慮した上で、最もメリットのある証券会社を検討すると選びやすくなります。

中でも口座維持などに費用の掛からないSBI証券SBIネオトレード証券は、他の証券会社と併用しても負担になりません。SBIグループの3社で悩んでいる方は、各社の違いをしっかりと把握した上で、自分に合うサービスを選ぶようにしましょう。

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