仮想通貨エイダ(ADA)の特徴や機能、ロードマップについて解説

今回は、仮想通貨エイダ(ADA)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. エイダ(ADA)とは?
    1-1.学術的な開発アプローチ
  2. エイダの機能とは?
    2-1.スマートコントラクト
    2-2.ステーキング
  3. エイダのロードマップ
  4. まとめ

仮想通貨(暗号資産)の中で時価総額で第2位のイーサリアムは、スケーラビリティの課題に直面しています。利用者や取引量が増えると処理容量を圧迫し、手数料が高騰するなどの弊害が生じています。所謂「スケーラビリティ問題」への対応策としてイーサリアムはコンセンサスアルゴリズムをPoS(プルーフオブステーク)に移行する予定です。

また、「イーサリアムキラー」と呼ばれる、当初から大量ユーザーの利用を視野に設計された別のブロックチェーンも次々に登場してきています。中でも、エイダ(ADA)は注目が高く、時価総額も高い仮想通貨です。

この記事では、エイダの特徴やそのプロジェクトについてご紹介いたします。

①エイダ(ADA)とは?

仮想通貨エイダ(ADA)は2017年に売買が開始されてから大きく成長し、今では時価総額第7位を誇る仮想通貨となっています。(5月19日現在)

エイダは独自開発のコンセンサスアルゴリズム「ウロボロス」と呼ばれる、PoSベースの「カルダノ・ブロックチェーン」を基盤にしています。スマートコントを実装しており、DApps(分散化アプリケーション)の構築が可能です。

カルダノのスマートコントラクトは、21年9月の大型アップグレード「アロンゾ」で実装されました。メインネットにデプロイされたPlutusスクリプトの数は、22年4月以降急増しています。

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1-1.学術的な開発アプローチ

カルダノはイーサリアムの共同設立者の1人Charles Hoskinson(チャールズ・ホスキンソン)氏によって設立されたプロジェクトです。学術的な知見に基づいて開発されている点で特徴的です。

2015年にプロジェクトが開始されて以来、カルダノは研究に基づくブロックチェーンを生み出すために、科学的な設計原則とエンジニアリングのベストプラクティスを幅広く組み合わせる形で進化を遂げてきました。

Cardano libraly
現在、139を超える研究論文がInput Output Globalのライブラリーに収録されており、その多くが査読済みで、トップレベルの学術会議で認められています。Google Scholarによれば、大本となるOuroboros論文は1,200回以上も引用されています。

なお、エイダの運用組織はIOHKやエイダ財団、Emurgoの3つに分けられ、それぞれ順にプロトコルの開発、プロジェクトの統率、事業開発を担っています。Emurgoは日本発のベンチャーキャピタルである点も注目ポイントの一つです。

②エイダの機能とは?

カルダノ・ブロックチェーンは、その機能面も優れています。スケーラブルでありながら、環境に優しく持続可能性や相互運用性にも優れている特徴2つをご紹介します。

2-1. スマートコントラクト

エイダは、スマートコントラクトプラットフォーム「Plutus(プルータス)」を2021年9月に実装しました。Plutus上で作成できるスマートコントラクトは、カルダノ・ブロックチェーン上で仮想通貨ADAを消費して実行されます。

Plutusが実装されたことによって、エイダブロックチェーン上ではNFTやトークンの発行が可能になったため、様々な DAppsやDeFi分野への応用も期待されます。特に、エイダはスケーラブルであるという特徴を有しているため、実世界で幅広く活用できるようなDAppsが今後登場することも考えられるでしょう。

2-2. ステーキング

カルダノでは、ステーキングしておくことで報酬としてADAが付与される機能を実装しています。専用ウォレット「ダイダロス」にADAを保有して、ウォレット内でステーキング委託先を選択すれば簡単にステーキングに参加できます。

ステーキングの委託先はステークプールと呼ばれ、ステーキング委任社のADAを活用してブロックを生成する役目を担います。そして、ブロック生成した際に生じる報酬は委任者に配布される仕組みになっています。

特にエイダの将来性に期待している方は、ADAを長期的に保有してステーキングをしつつ運用をしてみるのも良いでしょう。

③エイダのロードマップ

ここまでご紹介したようにエイダはすでに様々な強みや用途を持っていますが、まだ開発途中の段階にあります。

エイダのロードマップは「Byron(バイロン)」「Shelly(シェリー)」「Goguen(ゴーグエン)」「Basho(バショウ)」「Voltaire(ボルテール)」の5つに大きく分けられ、それぞれで特有のアップデートが行われます。

Cardabno roadmap
2021年9月時点でByronとShelly、Goguenは完了しており、残るはあと3フェーズという状況です。ここでは、それぞれのアップグレードについて詳しく解説します。

3-1 Byron

Byronは2017年9月に行われ、エイダのメインネットの開始や専用ウォレット「ダイダロス」と「Yoroi」の提供を中心に展開されました。

エイダの初期段階であるByron期ですが、当時すでにADAは複数の取引所に上場を果たしており、世界的にも期待値が高い暗号資産だったと言えるでしょう。

3-2 Shelly

Shellyはエイダネットワークを分散させることに焦点を置いたもので、Shellyへのアップグレードとともにステーキングが可能になりました。

この段階は、主にエイダのエコシステムを成長させる期間で、ステーキング報酬の仕組みを通じてユーザーやステーキングプールが獲得されました。

3-3. Goguen

Goguen期には、エイダ独自のスマートコントラクトシステム「Plutus」が構築されました。

Plutus上で作成されるスマートコントラクトは、従来のものとは異なりオンチェーンとオフチェーンを問わずに実行できるのが特徴的です。

さらに、Plutusでは金融関連のスマートコントラクト専用の開発言語を備えており、ブロックチェーンの専門家でなくてもDeFi関連のアプリを構築できるのもメリットと言えるでしょう。

3-4. Basho

カルダノネットワークは、2つの計画されたハードフォークを介して間もなGoguenからBashoに移行します。最初のハードフォークはVasilハードフォークと呼ばれ、これには、カルダノノード、カルダノウォレットなどのすべてのコアコンポーネントのアップグレードが必要になります。

6月29日に実行予定の「Vasil」ハードフォークでは、カルダノ・ブロックチェーンのネットワーク処理性能の大幅な更新、dApp開発者向けのPlutusスマートコントラクト言語の改善、そしてノード間でのブロック伝送時の遅延の削減が期待されています。

Bashoではネットワークを最適化およびスケーリングして、Defiアプリケーションをより適切にサポートし、成長と採用を促進します。具体的には、サイドチェーンを導入することで飛躍的に機能性や柔軟性、相互運用性が高まるとされています。

3-5. Voltaire

ロードマップの最後に掲げられているVoltaireでは、分散化されたエイダネットワークを将来的にも安定的に維持するガバナンス機能の実装が目標となっています。

この段階で、エイダに投票システムや手数料体系が導入され、将来的なネットワークの開発の体制が整います。

エイダは、この最終ステップを完了して初めてコミュニティだけで維持できるブロックチェーンとして完成される予定です。

④まとめ

この記事でご紹介したように、エイダはイーサリアムを超えるともされる機能性を有するブロックチェーンです。また、学術的な根拠にのっとって開発されていることから、それぞれのロードマップも緻密に計画されて実行されています。

エイダは国内仮想通貨取引所BITPointやDMM Bitcoin、フォビジャパンで取扱いがあります。エイダを購入したいという方はこれらの取引所の口座開設をしておくと良いでしょう。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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