少額投資ができる証券会社・サービスは?手数料や強みも比較

少額投資の方法を活用することで、元手資金が少なくても資産運用を始められます。短期的にそこまで大きなリターンは期待できないものの、運用に回る資金額が少なく、投資リスクを抑えられるため、経験の浅い方や未経験の方でも手軽に取り組める資産運用方法となっています。

そこでこの記事では、少額投資ができる証券会社やサービスの種類を詳しくご紹介します。1万円程度で始められる投資に関心のある方や、毎月の給料から少しずつ資産運用に回したい方は参考にしてみてください。

※本記事は2022年7月7日時点の情報に基づき執筆しているため、最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。

目次

  1. 少額投資ができるサービス
    1-1.現物株取引
    1-2.単元未満株式(ミニ株)
    1-3.投資信託の積立投資
    1-4.ロボアドバイザー
  2. 少額投資ができる証券会社
    2-1.SBI証券
    2-2.楽天証券
    2-3.マネックス証券
    2-4.松井証券
  3. 少額投資を始める方法
    3-1.口座開設の申込み
    3-2.個人情報の入力
    3-3.本人確認書類の提出
    3-4.証券会社による審査
  4. まとめ

1 少額投資ができるサービス

証券会社が提供している少額投資のサービスには、株式現物取引、単元未満株式(ミニ株)、投資信託の積立投資、ロボアドバイザーなどがあります。各内容について詳しく確認してみましょう。

1-1 現物株取引

現物株取引とは、企業が発行する株式を証券取引所を通じて売買する取引です。株式を購入すると、配当金や株主優待、株主総会での議決権などを得られるほか、売却する際に株価が購入時点を上回っていれば売却益を受け取ることができます。

現物株取引で株式を購入する場合、最低でも「株価×1単元株数(100株)」の資金が必要です。例えば、現物取引で株価が1万円の銘柄を購入する場合、1万円×100株=100万円が必要となるため、購入資金は株価に応じて大きくなります。

しかし、株価が1,000円程度の銘柄を取引する場合は、準備する資金も1,000円×100株=10万円で済みます。1単元当たりの購入価格が高い株は値がさ株と言われている一方、1単元当たり10万円未満で購入できる株は低位株と言われており、初心者の方でも投資を実践しやすいのが特徴です。

なお、低位株は割安価格で将来的な値上がりを期待できる銘柄もある一方、株価が変動しやすい場合もあるので、リスクとリターンのバランスをしっかりと検討することが大切です。

1-2 単元未満株式(ミニ株)

単元未満株式とは、株式の取引単位である1単元の数に満たない株式のことで、「ミニ株」と呼ばれることもあります。

現物取引を行う場合、1単元の数である100株単位ごとに株式銘柄を購入しなければならないのが原則です。しかし、1単元未満の数で株式銘柄の売買ができるサービスを提供している証券会社もあり、1株から売買可能なサービスもあります。

株価の安い銘柄では、1株当たり数百円、数十円から購入できるため、単元株で取引するよりずっと少ない金額で済むのが特徴です。ただし、取引手数料が割高になりやすいほか、単元未満のままだと基本的に株主優待を貰えないなどの注意点もあります。

1-3 投資信託の積立投資

投資信託の積立買付は、少額資金で始められる長期の資産形成に適したサービスです。投資信託とは、不特定多数の投資家から集めた資金をまとめた上で、資産運用の専門家が株式や債券などの複数の資産へ投資を行い、そこから得られた利益を投資家へ分配する仕組みの金融商品です。

投信積立を取り扱っているネット証券の中には、100円から始められるものもあるほか、共通ポイントを利用して投資信託の積立買付ができたり、クレジットカード決済できたりするなど利便性の高いサービスもあります。

投資信託の積立投資は、一括でまとまった資金を用意するのは難しいという方や、毎月少ない金額を投資に回していきたい方に適しています。

1-4 ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、アルゴリズムを活用して資産配分の構築、投資先の判断、金融商品の運用やリバランスなどを本人の代わりに行ってくれる資産運用サービスです。

ロボアドバイザーの種類は、おもに「投資一任型」と「アドバイス型」のタイプに分けられます。投資一任型とは、資産運用に関する作業全部をお任せするタイプであり、アドバイス型とは、投資先の商品を選択してもらった上で、金融商品の運用やリバランス作業は自身で行うタイプのサービスになります。

証券会社によっては、毎月1,000~1万円程度からロボアドバイザーを活用した資産運用を始めることが可能です。

2 少額投資ができる証券会社

少額投資を行える証券会社は様々です。以下では、手数料が安く、初心者の方でも始めやすいSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券をご紹介します。

項目 SBI証券 楽天証券 マネックス証券 松井証券
現物取引手数料(注) 100万円まで無料 100万円まで無料 最低550円(税込) 50万円まで無料(25歳以下の方は完全無料)
単元未満株式買付手数料 無料 単元未満株式買付不可 無料 単元未満株式買付不可
投資信託購入時手数料 ネットコースの方は原則無料 全銘柄無料 全銘柄無料 全銘柄無料
ロボアド手数料 年率0.66%(税込) 最大年率0.715%(税込:固定報酬型の場合) 年率1.0075%程度(税込) 最大年率0.37%(税込)
証券会社の強み ・株式取引手数料が格安
・ポイントやクレカで投資信託を購入できる
・電子マネーで投資信託を購入できる
・楽天グループのサービスで優遇を受けられる
・単元未満株式を1株から購入できる
・少額投資サービスの種類が豊富
・ロボアド手数料が格安
・便利な取引ツールを無料で利用できる

(注)1日の合計約定代金額に対して手数料がかかるコースの場合

2-1 SBI証券

SBI証券は、オンラインサービスを強みとする金融持株会社のSBIホールディングスの傘下にある証券会社であり、株式現物取引、S株(単元未満株式取引)、投資信託の積立投資、SBIラップ(ロボアドバイザー)などのサービスを利用して少額投資をすることが可能です。

株式取引手数料が格安であること、ポイントやカード決済で投資信託を購入できることなどが、SBI証券の強みとなっています。

SBI証券で株式現物取引を行う際、1日の合計約定代金に対して手数料がかかるアクティブプランを選択すると、100万円までなら取引手数料無料です。また、単元未満株式取引サービスであるS株で銘柄買付を行う場合も手数料無料で取引できます。

一方、投資信託の積立投資を行う場合、自分で取引するネットコースなら、一部銘柄を除いて無料で購入できるほか、SBI証券のロボアドバイザーサービス「SBIラップ」を利用する場合にかかる投資一任手数料は、年率0.66%(税込)と比較的安価になっています。

2-2 楽天証券

楽天証券は国内ネット関連企業の楽天グループ傘下にある証券会社です。株式現物取引、投資信託の積立投資、ロボアドバイザー「楽ラップ」を活用することで、少額投資を始めることができます。

楽天証券の株式現物取引の手数料は、「いちにち定額コース」を選択した場合、1日の合計約定代金額が100万円までであれば無料です。

投資信託は2,600本以上を取り扱っており、全銘柄の買付手数料が無料なほか、オンライン電子マネーである楽天キャッシュで投資信託を積立購入できたり、毎月の積立金額を100円以上1円単位で設定できるのも特徴です。

一方、ロボアドバイザーサービスの「楽ラップ」で資産運用をする場合、手数料が発生します。「楽ラップ」の手数料は、固定報酬型のコースを選択した場合、最大年率0.715%(運用資産の時価評価額1,000万円以下の部分が対象)の金額になります。

なお、楽天証券では単元未満株式の買付はできません。

2-3 マネックス証券

マネックス証券は、国内で金融サービスを提供するマネックスグループに属する証券会社です。マネックス証券では、株式現物取引、単元未満株式取引のワン株、投資信託の積立投資、ロボアドバイザーの「ON COMPASS」で少額投資を始めることができます。

マネックス証券で株式現物取引を行う際、「1日定額手数料コース」を選択すると、合計約定代金が100万円の場合、550円(税込)の手数料がかかります。一方、単元未満株式の取引サービスである「ワン株」で銘柄を購入する場合や投資信託の積立投資を行う場合、買付手数料の負担はありません。

また、ロボアドバイザーサービスの「ON COMPASS」で資産運用を行う際に負担する手数料は、運用資産残高の年1.0075%程度となっています。

2-4 松井証券

松井証券は、国内ネット証券の中で最初に上場した老舗の証券会社です。松井証券で取り扱っている少額投資サービスは、株式現物取引、投資信託の積立投資、ロボアドバイザーの「投信工房」です。単元未満株式については、売却のみ可能で買付はできません。

松井証券で株式現物取引を行う場合、1日の約定代金合計額が50万円以下なら取引手数料無料となります。また、25歳以下の方の場合も、1日の約定代金合計額を問わず手数料無料ですが、26歳以上の方が100万円の株式現物取引を行う場合、1,100円(税込)の手数料がかかります。

このほか、投資信託全銘柄の購入時手数料は無料であり、ロボアドバイザーサービスの「投信工房」で資産運用を行う場合、負担する手数料は運用資産総額の最大年率0.32%(税込0.35%)、平均年率は0.28%(税込0.30%)の信託報酬等のみと安価な水準になっています。(※ 投信工房で提案するポートフォリオを取引した場合(2022年7月2日時点))

3 少額投資を始める方法

少額投資を始めるには、取引するための証券口座を事前に開設しておかなければなりません。証券口座の開設は、郵送の方法で行うことも可能ですが、ネット上で行うほうが手続きをより早く済ませられます。

以下では、ネットで完結可能な証券口座の開設手順を解説します。

3-1 口座開設の申込み

証券会社の口座開設ページ上で新規開設の申込みを行います。メールアドレスの登録手続きを行うと、証券会社から口座開設申込手続きの案内メールが届くので、記載されているURLから口座開設の申込フォームへ移動して手続きを進めていきます。

3-2 口座開設申込者の情報入力

口座開設の申込フォームページに移動した後は個人情報を入力します。氏名、住所、生年月日、電話番号、職業、勤務先のほか、保有する金融資産の額、投資する目的や投資経験など、資産運用に関係のある入力も求められます。申込フォーム上にある事項への入力が完了した後、その内容を確認した上で、次の手続きへ移行します。

3-3 本人確認書類の提出

口座開設申込者の情報入力手続き後、本人確認書類の提出を行います。証券会社側へ提出する書類には、本人確認書類のほか、マイナンバーを確認できる書類も求められます。

マイナンバーカードの発行を受けている場合、本人確認書類およびマイナンバー確認書類として、書類の写しを提出します。一方、マイナンバーカードを持っていない場合、本人確認書類として運転免許証の写し、マイナンバー確認書類としてマイナンバー通知カードの写しを提出することで対応できます。

本人確認書類とマイナンバー確認書類を撮影後、アップロードおよび送信します。

3-4 証券会社による審査

口座開設申込者の情報入力と本人確認書類の提出後、証券会社側で申請者の審査が行われます。提出された書類や申込者の情報の内容を確認した上で問題がなければ、口座を開設してもらえます。口座が開設された後、申込者のログインID、パスワードと一緒に手続き完了の通知がされる流れとなります。

まとめ

少額投資サービスを提供する証券会社によって、取扱金融商品の種類や取引時に発生する手数料などは異なります。なお、少額投資は損失額も小さく、初心者の方でも始めやすい一方、その分リターンも小さく、利益は手数料に圧迫されやすい点にも注意が必要です。

少額投資に関心のある方は、各証券会社で取り扱っているサービスの種類や特徴、手数料などをしっかり把握した上で検討してみてください。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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