S&P500を対象とする投資信託のメリット・デメリットとファンド一覧
株式市場にはさまざまな指数がありますが、米国株式市場を代表するものの一つとして「S&P500」という株価指数がよく知られています。そして投資信託商品のなかには、S&P500の動きとの連動を目指して運用されるものがあります。
今回は、S&P500をベンチマークとする投資信託のメリットやデメリットと、実際にどのような投資信託があるのか紹介していきたいと思います。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年7月14日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- S&P500とは?
1-1.S&P500を対象とする投資信託とは? - S&P500に連動する投資信託に投資をするメリット
2-1.投資初心者でも取り組みやすい
2-2.運用コストが低い
2-3.投資にかかる時間や手間が少ない
2-4.購入するだけで分散投資となる - S&P500に連動する投資信託に投資をするデメリット
3-1.短期的なリターンは見込みにくい
3-2.市場平均以上のリターンは見込めない
3-3.投資のスキルアップにはつながりづらい - S&P500に投資できる投資信託一覧
- まとめ
1.S&P500とは?
S&P500というのは、アメリカのS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が提供している株価指数のことをいいます。
同社の前身となる企業が複数の指数を開発したことが始まりとなっており、1957年に現在の形となりました。それ以降、さまざまな米国株銘柄を組み替えながら、現在に至るまで米国株式市場の状況を反映する指数として、その役割を果たしています。
S&P500は、ダウ平均株価指数(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)とあわせて、米国の2大株価指数と呼ばれています。
1-1.S&P500を対象とする投資信託とは?
投資信託のなかには、基準価額が一定の指数に連動するように運用される商品があります。運用目標となる指数はベンチマークと呼ばれており、日本の日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)、アメリカのダウ平均やS&P500がベンチマークとして頻繁に利用されています。
このように株価指数に連動した値動きを目指して運用される投資手法をインデックス投資といい、そのように運用される金融商品をインデックスファンドといいます。
つまり、S&P500の値動きに連動する投資信託を購入すれば、米国の代表的な指数に合わせた運用が期待できるということになるのです。
2.S&P500に連動する投資信託に投資をするメリット
S&P500に連動する投資信託に投資をする場合、以下のようなメリットがあります。
- 投資初心者でも取り組みやすい
- 運用コストが低い
- 投資にかかる時間や手間が少ない
- 購入するだけで分散投資となる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.投資初心者でも取り組みやすい
S&P500に連動する投資信託は、仕組みや値動きが理解しやすいため投資初心者でも取り組みやすいというメリットがあります。
S&P500の動きに連動するように運用されるため、値動きはS&P500とほぼ同じになります。また、有名な株価指数については、日々のニュースでも状況が報じられることが多いため、少し気にするだけで、値動きに影響する事柄についても理解できるようになるでしょう。
2-2.運用コストが低い
S&P500に連動する商品を含め、インデックス投資の商品はその他のファンドに比べて運用コストを低く抑えられるというメリットもあります。
投資信託では、資金の運用を委託するため信託報酬を支払うことになりますが、インデックス投資の信託報酬は、一般的な投資信託(アクティブファンド)よりも低く設定されていることが多いのです。なぜなら、インデックス投資では指数と連動するように、機械的かつ平均的に運用されるため、積極的に調査や分析を行い利益を狙いに行くファンドと異なり、それほどコストがかからないからです。
運用コストが低ければ、運用期間が長いほど得になるため、そのぶん値下がり圧力が低くなる点はインデックスファンドのメリットといえます。
2-3.投資にかかる時間や手間が少ない
S&P500に連動する投資信託への投資は、投資にかかる時間が少なくてすむというのもメリットになります。
このようなインデックス投資は、すでに設計されている商品を購入することが「投資」となります。そのため、個別の株式取引のように購入銘柄について詳細に調べたり、綿密に売買のタイミングを図ったりする必要はありません。投資にかかる時間も手間も少なくて済むため、どんな方でも取り組みやすいといえます。
2-4.購入するだけで分散投資となる
S&P500に連動する投資信託を購入することが、そのまま分散投資につながるというメリットもあります。このような投資信託商品は、さまざまな投資対象が組み合わさっており、一口購入するだけで複数の銘柄に分散投資をしたのと同じことになるのです。
投資においてリスクを軽減することは重要なポイントの1つで、分散投資はリスクを回避するための投資の基本的手法でもあります。投資信託は購入するだけで分散投資となるため、リスクを抑えたいというニーズに応えることが可能です。
3.S&P500に連動する投資信託に投資をするデメリット
一方、S&P500に連動する投資信託に投資をするデメリットには、以下のようなものがあります。
- 短期的なリターンは見込みにくい
- 市場平均以上のリターンは見込めない
- 投資のスキルアップにはつながりづらい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.短期的なリターンは見込みにくい
S&P500に連動する投資信託では、短期的なリターンを見込みにくいというデメリットがあります。
そもそも株価指数は多数の銘柄を対象にしているため、個別株よりも値動きが緩やかになる傾向にあり、極端に価格が変動することはあまりありません。そのためリスクを抑えつつ長期的に資産を運用するには向いていますが、逆をいえば短期的に大きなリターンを望むことは難しいのです。
3-2.市場平均以上のリターンは見込めない
株価指数に連動する投資信託である以上、市場平均以上のリターンは望めないというデメリットもあります。
あくまでも指数に連動するように運用されるインデックスファンドでは、特定の銘柄が急騰したからといって、株式の追加購入や利益確定のための売却は行われません。そのため、想定以上の利益が発生することは期待できないのです。リスクとリターンは一体の関係にあるため、値下がりリスクが抑えられるぶんリターンの幅も同様に限定されるといえます。
3-3.投資のスキルアップにはつながりづらい
S&P500に連動する投資信託への投資は、投資のスキルアップには少々つながりにくいというのもデメリットとなります。
先述しているとおり、インデックスファンドは購入するだけで投資が完了してしまうことに加え、個別銘柄についての情報収集や売買のタイミングを必ずしも考慮する必要がありません。また、購入後の運用も委託することになるため、基本的には人任せの投資手法ともいえます。
そのため、投資のスキルを発揮する場面がなく、投資経験を積むには物足りない部分もあるといえます。
とはいっても、株価指数の動きを通じて市場の流れを掴んだり、S&P500の個別銘柄がそれぞれどういった動きをしているのかを把握したりすることは可能です。運用状況を眺めるだけではなく、ファンドの購入をきっかけに自ら勉強していく姿勢も大切です。
4.S&P500に投資できる投資信託一覧
最後に、S&P500に投資可能な投資信託を紹介します。2022年7月14日現在、SBI証券でS&P500に投資可能な投資信託は以下のとおりです。
ファンド名 | 純資産(百万円) | 基準価額(円) | 信託報酬(%、税込) | 運用会社 |
---|---|---|---|---|
SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 594,008 | 16,824 | 0.0938%程度 | SBIアセットマネジメント |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 1,292,009 | 18,356 | 0.0968%以内 | 三菱UFJ国際投信 |
大和‐iFreeレバレッジ S&P500 | 16,941 | 14,631 | 0.99% | 大和アセットマネジメント |
大和‐iFree S&P500インデックス | 61,016 | 20,463 | 0.2475% | 大和アセットマネジメント |
T&D-S&P500・4倍ブル型ファンド | 566 | 5,043 | 1.243% | T&Dアセットマネジメント |
三菱UFJ国際-つみたて米国株式(S&P500) | 3,492 | 15,983 | 0.22% | 三菱UFJ国際投信 |
大和-S&P500(マルチアイ搭載) | 105 | 10,496 | 0.4675% | 大和アセットマネジメント |
農林中金-NZAM・ベータ S&P500 | 160 | 14,463 | 0.264% | 農林中金全共連アセットマネジメント |
りそなAM-Smart-I S&P500インデックス | 5,134 | 15,602 | 0.242% | りそなアセットマネジメント |
S&P500に連動する投資信託に投資する場合、注目したいポイントとしては以下の2つが挙げられます。
- 純資産額の多さ
- 信託報酬の低さ
まず、ファンドの純資産額が多いということは、それだけ運用残高が多く、多くの投資家が資産を預けているということになります。つまり、人気が高いファンドであるといえるわけです。上記のうち純資産額が最も多いのは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」です。
次に、信託報酬が低いということは、それだけ運用コストを抑えられるということになります。長期間の運用を考えるうえでは大切な要素となります。上記で信託報酬が最も低いのは、SBIアセットマネジメントの「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」、次点が三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。いずれも人気の高いファンドです。
S&P500に投資可能な投資信託を選択する場合は、上記のポイントを押さえながら、各商品をよく比較するようにしてください。
まとめ
今回は、S&P500に連動する投資信託のメリットやデメリットと、実際にどのような投資信託があるのか紹介しました。
投資初心者の方でも取り組みやすく、比較的リスクを抑えた投資手法のため、これから資産運用を始める方や新しい投資対象をお考えの方などは、本記事を参考にS&P500連動投資信託も検討してみてはいかがでしょうか。
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