世界経済は2022年下半期に景気後退の可能性。ナティクシス調査
国際通貨基金(IMF)は7月26日、最新の世界経済見通しで世界的な物価高や欧米の急速な金融引き締めの影響で今年の成長率を3.2%に引き下げた。欧米の中央銀行による急速な利上げとインフレ、中国のロックダウンと、米中の失速が要因。ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社が27日発表した「ナティクシスIMストラテジスト・アウトルック調査 2022」では、34名の専門家のうち24%が今後6ヶ月以内の景気後退入りは不可避で、64%が「今後6ヶ月以内に景気後退入りする可能性は十分ある」と警戒を強めている。
調査は、ナティクシス傘下の資産運用会社15社の27名、ナティクシスIMの3名、ナティクシス・コーポレート&インベストメント・バンキングの 4 名を含む計 34 名の専門家からの回答に基づく。ストラテジスト10人のうち9人が今後6ヶ月間は中央銀行の政策が市場を左右する最大の要因になると回答。インフレ上昇をもたらす要因として「エネルギー価格」(76%)、「食品価格」(64%)、「賃金上昇」(61%)が上位となった。
10人中7人が、今年下半期の最大の市場リスクとしてインフレを挙げている。インフレ率上昇ペースはやや落ち着きを取り戻しているものの、回答者の 36%がインフレによるリスクレベルを最大の 10点とした。また、回答者の46%が、パンデミック初期にインフレの要因となったサプライチェーン問題が年末まで続くと考えている。しかし、インフレが持続的に高止まりすると考えているのは4人中1人未満のみとなった。
ナティクシス・ストラテジスト・アウトまた、ストラテジスト10人のうちの6人(58%)が、少なくとも今後数ヶ月は引き続きバリュー株がグロース株を上回ると考えており、4分の1(24%)が、あと数年はバリュー株がトップになると予測している。
22年1月から6月にかけての投資環境の最大の変化の1つは「政策金利がゆっくりと着実に上昇し、債券利回りがそれに追随していること」と同社。債券利回りは、21年を1.512で終えた後、6月の75psのサプライズ利上げを含む一連の政策金利引き上げにより、22年6月30日には2.975となった。下半期の中央銀行の政策が注目されるが、回答者の73%が今後さらに利上げが実施されると考えており、36%は米国債が3%から3.5%の間で今年を終えると見る。また、同数の回答者がさらなる利上げを見込んでおり、年末には3.5%を超えると予想している。
の依存はグロース株の大幅なアウトパフォーマンスをもたらしたが、それは当面の終わりを告げた。22年末における最大の市場のけん引役は中央銀行であり、インフレを抑制して長期的な資本コストを引き下げるだろう」という見解を示した。
下半期の見通しの中で、新型コロナウイルスへの懸念は減少しており、感染力の強いBA型が世界的にまん延する中でも、新型コロナによる混乱が下半期のリスクになると考える人は9%とごく僅かだった。
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世界経済は2022年下半期に景気後退の可能性。ナティクシス調査