AI業界に投資できる人気の投資信託は?5本の必要金額や成績を比較【2022年8月】

自治体や企業のデジタル化が求められる昨今、DX化や新技術を加速させる手段としてAIを導入する動きが広がっています。一方、AI業界の市場規模拡大に注目している個人投資家や投資初心者の中には、どのような銘柄を選べばいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、AI業界に投資できる金融商品の特徴や必要な投資金額、成績等を詳しく比較してご紹介します。好調なAI業界への投資を検討している方、投資を初めてみたい初心者の方は、参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は、2022年8月28日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. AI業界に投資するメリットとは
  2. AI業界に投資できる人気の金融商品5本
    2-1.グローバルAIファンド
    2-2.野村 グローバルAI関連株式ファンドBコース
    2-3.ニッセイ AI関連株式ファンド(為替ヘッジなし)
    2-4.ダイワ・グローバルIoT関連株ファンド AI新時代(為替ヘッジなし)
    2-5.グローバルX AI&ビッグデータ ETF
  3. AI業界に投資する際の注意点
    3-1.リスクが高い
    3-2.運用実績が乏しい
  4. まとめ

1 AI業界に投資するメリットとは

人工知能を活用したAI業界は、今後も高い成長率が期待されています。

独立系ITコンサルティング会社である株式会社アイ・ティ・アールが発表した調査レポートによると、国内のAI関連の主要8市場における年平均成長率は18.7%、2025年には市場規模が1,200億円まで拡大することが予測されています。また、世界に目を向けると2020年時点で300億ドルである市場規模が、2026年には3,000億ドルへ拡大する可能性もあると指摘されています(参照:ITR「ITRがAI主要8市場規模推移および予測を発表」)。

AI技術は、いまだ成熟していない分野であることから、技術革新や応用範囲の拡大に伴い、さらなる可能性を秘めています。実社会に普及していく余地はまだまだ大きいため、AI業界の将来性も明るく、AIを活用したサービスを提供する企業の売上高はさらに伸びていくことが予想されており、投資対象としても高リターンを見込めるなどのメリットが期待されています。

2 AI業界に投資できる人気の金融商品5本

AI業界に投資できる金融商品5本は、以下の通りです。AI業界を投資先とする投資信託のうち、多くの投資家が資産を預けていることを示す純資産残高の多い商品を選定しています。

項目 必要金額 運用成績(1年) 運用成績(3年) 信託報酬
グローバルAIファンド 32,177円 -19.39% 22.94% 1.93%
野村 グローバルAI関連株式ファンドBコース 16,190円 -13.95% 8.97% 1.71%
ニッセイ AI関連株式ファンド(為替ヘッジなし) 24,614円 -13.82% 15,67% 1.89%
ダイワ・グローバルIoT関連株ファンド AI新時代(為替ヘッジなし) 15,661円 -6.33% 16.91% 1.81%
グローバルX AI&ビッグデータ ETF 3,028.72円(1ドル=136円) -9.90 %(円貨ベース) 19.03 %(円貨ベース) 0.68%

投資信託は基本的に1口から購入可能です。必要最低金額は株式と比べても安く、多くの銘柄で1万円前後からAI業界に投資可能です。一方、各銘柄の成績は、米長期金利の利上げの影響を受け、直近1年間のパフォーマンスは、5本全ての金融商品でマイナスの成績となっています。しかし、3年〜5年の中長期的なスパンで見ると年率10%を超えており、今後も市場規模拡大による恩恵を期待することができます。

なお、金融商品の保有時にかかる信託報酬は、「グローバルX AI& ビッグデータ ETF」が最も低コストで投資できる銘柄となっています。

以下、各商品の特徴を詳しく見ていきましょう。

2-1 グローバルAIファンド

必要購入金額 32,177円
運用成績(1年) -19.39%
運用成績(3年) 22.94%
運用成績(5年) 19.26%
基準価額 32,177円
設定日 2016年9月9日
信託報酬 1.93%(税込)
純資産残高 361,779百万円
運用会社 三井住友DSアセットマネジメント

グローバルAIファンドは、AIの進化や応用によって、高い成長を期待できる企業の株式に投資する投資信託です。投資対象となる個別銘柄は、企業の成長見通しや財務健全性、バリュエーションの分析や評価などを総合的に考慮して選ばれます。AI業界に投資を行う投資信託では、純資産残高が最も高く、購入上位となっている人気商品です。

組入上位銘柄は米国株が多くを占めており、テスラやズーム、インフォ・テクノロジーズなど、AIを活用したサービスやアプリケーションを提供する企業で構成されています。運用成績は、直近1年間で見ると−19.39%ですが、3年間で+22.94%、5年間で+19.28%と高い水準を維持しています。

なお、投資信託の基準価額は値上がりを続けており、2020年に12,000円であった基準価額は、現在32,000円前後で推移しています。

2-2 野村 グローバルAI関連株式ファンドBコース

必要購入金額 16,190円
運用成績(1年) -13.95%
運用成績(3年) 8.97%
運用成績(5年) 11.06%
基準価額 16,190円
設定日 2017年2月23日
信託報酬 1.71%(税込)
純資産残高 82,234百万円
運用会社 野村アセットマネジメント

野村グローバルAI関連株式ファンドBコースは、新興国を含む世界各国のAI技術に関連した株式を実質的な投資対象とする投資信託です。AI先端技術の研究成果から、AI技術の実用化によって投資対象としての価値が高まると考えられる銘柄を選択し、運用を行うのが特徴です。

グローバルな視点から銘柄選択を行っていますが、組入上位銘柄の多くは米国株が占めています。具体的な上位銘柄としては、マイクロソフト、エヌビディア、アドビなどがあります。直近1年間の運用成績は−13.95%となっていますが、3年間で+8.97%、5年間で+11.06%と堅調です。

また、必要購入金額を表す基準価額は右肩上がりを続けており、2017年に1万円未満であった基準価額は、15,000円を超える水準で推移しています。

2-3 ニッセイ AI関連株式ファンド(為替ヘッジなし)

必要購入金額 24,614円
運用成績(1年) -13.82%
運用成績(3年) 15,67%
運用成績(5年) 15.23%
基準価額 24,614円
設定日 2016年11月30日
信託報酬 1.89%(税込)
純資産残高 53,539百万円
運用会社 ニッセイアセットマネジメント

「ニッセイ AI関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」は、日本を含む世界各国の株式のうち、AI関連企業の株式に投資を行う投資信託です。組入上位銘柄の多くが米国株であり、個別株としてアルファベットやパロアルトネットワークス、マイクロソフトが上位を占めています。

運用成績は堅調であり、直近1年間は-13.82%とマイナスであるものの、3年と5年の期間では+15%台と高い運用成果を上げています。また、基準価額は5年間で2倍の水準まで値上がりしており、2万円から購入可能です。

2-4 ダイワ・グローバルIoT関連株ファンド AI新時代(為替ヘッジなし)

必要購入金額 15,661円
運用成績(1年) -6.33%
運用成績(3年) 16.91%
運用成績(5年) 14.78%
基準価額 15,661円
設定日 2017年4月21日
信託報酬 1.81%(税込)
純資産残高 50,935百万円
運用会社 三井住友DSアセットマネジメント

「ダイワ・グローバルIoT関連株ファンド AI新時代(為替ヘッジなし)」は、日本を含む世界のIoT企業の株式に投資する投資信託です。IoTとAIはお互いに必要不可欠な関係性にあるため、IoT関連企業に投資することで、AI業界に投資することにも繋がります。

投資地域は、アメリカが全体の多くを占め、日本、フランスが後に続きます。また、組入上位銘柄の首位はソニー、次いでベライゾン・コミュニケーションズ、ゼブラ・テクノロジーズが続きます。運用成績は直近1年間で見ると-6.33%ですが、3年で+16.91%、5年で+14.78%と高いパフォーマンスです。なお、現在の基準価額は、16,000円付近で推移しています。

2-5 グローバルX AI&ビッグデータ ETF

必要購入金額 3,028.72円(1ドル=136円)
運用成績(1年) -9.90%(円貨ベース)
運用成績(3年) 19.03%(円貨ベース)
運用成績(5年)
基準価額 22.27ドル
設定日 2018年5月11日
信託報酬 0.68%(税込)
純資産残高 143,711,722.57ドル
運用会社 Global X Management Company

「グローバルX AI&ビッグデータ ETF」は、AIテクノロジーのさらなる開発と利用拡大から、利益を得る可能性がある企業、およびビッグデータ分析を行うためのハードウェアを提供する企業などに投資を行う投資信託です。

投資地域の内訳としては、アメリカが多くを占め、次いで中国となっています。また、組入上位銘柄はテスラ、アップル、アマゾン、アクセンチュアなどが続きます。

米国市場に上場しているETFであることから、資産運用は米ドル建てで行われます。具体的な運用成績は、直近1年間で-9.90%ですが、3年間では+19.03%と高い水準です。

3 AI業界に投資する際の注意点

AI業界に投資する際の注意点には、以下のポイントに注意することが大切です。

3-1 リスクが高い

AI業界への投資は特定の業種に投資を行うテーマ型投資に分類されます。テーマ型投資は、旬の分野や銘柄とマッチすることで大きな利益につながる可能性がある一方、テーマ全体の旬が過ぎると、大きく値下がりするなどの特徴があります。

また、AI業界は新しい業界であることから、スタートアップを含めた新興銘柄が他のセクターと比べて多い傾向にあります。ハイテク関連のグロース銘柄は、今回のような米長期金利利上げの影響等を受けやすいため、値動きが激しく、株価が暴落しやすいなどのリスクもあります。

したがって、AI業界に投資するときには、運用資産の値動きが激しくなることや、テーマの旬ではないときにパフォーマンスが著しく低下する可能性もあることに注意しましょう。

3-2 運用実績が乏しい

AI業界に投資する際、運用実績の乏しい銘柄もあります。AI業界自体が比較的新しい分野なので、金融商品の運用期間も短いのが主な理由です。金融商品の実績を判断するときは、短期的なパフォーマンスと合わせて、長期的な運用期間から出されたパフォーマンスもチェックすることが大切です。

AI業界に投資する際には、金融商品の運用実績が乏しい場合もあることを考慮した上で、数ヶ月から1年程度ではなく、最低でも3年以上の運用期間がある商品も含めて検討してみましょう。

まとめ

AI業界は将来的な伸びしろが大きい分野であるため、投資することで長期的に大きなリターンを見込める一方、値動きは激しく、暴落しやすいなどの特徴もあることを認識しておきましょう。

また、銘柄選びではリターンの大きさだけでなく、過去の運用成績や、運用コストとなる信託報酬も併せて確認することが大切なので、慎重に選ぶようにしてみてください。

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