丸井グループのESG・サステナビリティの取り組みは?株主優待情報も【2022年10月】

丸井グループは、「エポスカード」などのクレジットカード事業が収益の柱となっています。入会経路の多様化や若年層の家賃払い、公共料金の定期払いが増えていることで、収益の拡大が続いた結果、企業の格付けを行う格付投資情報センターは、2022年9月8日、丸井グループの発行体格付けをシングルAに引き上げました(参照:日本経済新聞「R&I、丸井GをシングルAに格上げ」)。

ESGやサステナビリティに対する取り組みでは、全てのステークホルダーとの「共創経営」を理念に掲げており、2019年に策定した「丸井グループビジョン2050」を達成するべく、サーキュラーエコノミーの実現や社内外に開かれた働き方の実現など様々な課題に取り組んでいます。

そこでこの記事では、丸井グループによるESG・サステナビリティの内容を詳しく解説しています。最新の株主優待情報についても紹介していますので、丸井グループの銘柄に関心のある方は参考にしてみてください。

※本記事は2022年10月3日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 丸井グループの特徴
  2. 丸井グループの株価動向
  3. 丸井グループのESG・サステナビリティの取り組み
    3-1.ESGの取り組み
    3-2.サステナビリティに関する取り組み
  4. 丸井グループの株主優待内容
    4-1.ご優待お買い物券の進呈
    4-2.ご優待Webクーポンの進呈
    4-3.ご優待エポスポイントの進呈
  5. まとめ

1 丸井グループの特徴

丸井グループでは、「小売事業」「フィンテック事業」「未来投資」からなる三位一体の独自のビジネスモデルを推進しています。中でも小売とフィンテックは丸井グループを代表する収益の柱である一方、未来投資は共創投資と新規事業投資で構成されています。各事業は競合他社に真似されにくい独自のビジネスモデルを構築しています。

例えば、小売事業における実店舗は物を売る場所ではなく、体験を提供する場所として位置づけており、「売らない店」として他社と差別化を計っています。この戦略は、企業が自ら企画や製造した商品を消費者に直接販売するD2Cブランドのテナントを拡大したり、売り場の魅力を高めることでクレジットカードの新規会員数を獲得したりすることが目的です。

また、小売店舗の契約形態を売上仕入れから、定期借家契約に切り替えて賃貸収入を得るビジネスモデルを展開しています。

そして、フィンテック事業では収入や世代を問わず、全ての人に必要なサービスを受けられる金融サービスを提供しています。具体的には、収入の少ない20代や30代の若年層を中心に、クレジットカードを発行することで、手数料の継続収入を確保しています。

丸井グループのクレジットカードは、利用と支払いを繰り返すことで信用が積み上がっていくため、利用期間が長いほど、利用金額の拡大が期待できる仕組みです。未来投資は社外からイノベーションを導入する共創投資と、社内からイノベーションを創出する新規事業投資の両輪からなり、企業価値のさらなる向上を目指しています。

また、6割を超えるリカーリングレベニュー(繰延収益)も丸井グループの特徴です。リカーリングレベニューとは、企業の売上の中で将来的に継続する可能性が高い売上を指し、顧客や取引先と契約することで得られる定期的な収入のことです。丸井グループは、リカーリングレベニューによる収益が売上全体の6割以上を占めるなど、以下の通り、強固な収益構造を持っています。

  • 店舗の不動産賃貸収入
  • リボ払いによる分割手数料
  • カードキャッシング利息
  • 家賃補償費用
  • 年会費

2 丸井グループの株価動向

丸井グループの株価動向について見ていきましょう。2022年10月3日時点における丸井グループの株価は2,370円です。過去の株価と比較してみると、2012年の株価が500円台であったのに対して、2022年9月13日の年初来高値は2,578円となっています。また、2018年9月に付けた上場来高値は2,861円となっており、5倍以上に値上がりしました。

執筆時現在は2,400円前後で推移していますが、再び上場来高値を目指す値動きが期待されています。

3 丸井グループのESG・サステナビリティの取り組み

丸井グループは、ESGおよびサステナビリティに対して以下のように取り組んでいます。

3-1 ESGの取り組み

以下では、丸井グループのESGの取り組みをE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)それぞれで具体的に見ていきましょう。

まず、環境に対する取り組みの例としては、無駄なゴミを減らす「リデュース」と「収益向上」の両立を掲げており、商品の下取りから商品開発までの一連のプロセスを手がけ、顧客に無駄な買い物をさせないことでリデュースを実現する試みを実施しています。

社会に対する取り組みでは、インクルージョン(包摂)と新たな需要創造の両立を掲げ、多様性の推進を消費者に拡大していく方針を打ち出しています。例えば、障がいの有無やLGBTを含めた性別を超えて楽しめる店舗づくりに努めているほか、身体的な特徴を超えてファッションを楽しんでもらうため、商品のサイズの拡大や、着心地の改善に取り組むことで全ての利用者に喜んで貰える商品を提供しています。

ガバナンスに対する取り組みでは、全てのステークホルダーにとってのガバナンスを意識しており、長期投資家との対話を強化していく方針を打ち出しています。特に株主総会の進化に挑戦していきたいと述べており、機関投資家と行うスモールミーティングの個人株主版を実施する考えを打ち出しています。

3-2 サステナビリティに関する取り組み

丸井グループではサステナビリティに関わる目標をインパクトと定義した上で、具体的な重点項目と取り組み方法を定めています。

例えば、「将来世代の未来を共につくる」「一人ひとりの幸せを共につくる」「共創のプラットフォームをつくる」の3つのインパクトを達成するための主要な取り組み項目を、中期経営計画の主要KPIとして次のように定めています。

インパクト 重点項目 主要KPI
将来世代の未来を共につくる 脱炭素社会の実現 CO2排出削減量100万t以上
サーキュラーエコノミーの実現 お客様数100万人以上
一人ひとりの幸せを共につくる 一人ひとりの自己実現を応援 お客様数450万人以上
信用の共創に基づく金融サービスの提供
1人ひとりの好きを応援 お客様数350万人以上
1人ひとりの「好き」を応援する選択肢の提供
共創のプラットフォームをつくる 共創の場づくり 累計件数150件以上
将来世代との競争の取り組み件数
社内外に開かれた働き方の実現 累計件数20件以上
将来世代との共創の取り組み件数

財務指標としてはEPS200円以上、ROE13%以上、ROIC4%以上の実現を目指しています。

さらに、全ての人が取り残されることなく、しあわせを感じられるインクルーシブで豊かな社会を目指しているとして、インクルージョンの視点から4つの重点テーマを定めて方向性を示しています。具体的な4つの重点テーマとその詳細は、以下の通りです。

  • お客さまのダイバーシティ&インクルージョン
  • ワーキング・インクルージョン
  • エコロジカル・インクルージョン
  • 共創経営のガバナンス

お客さまのダイバーシティ&インクルージョンでは、顧客の年齢や性別、身体的な特徴などを超えて、顧客に喜ばれる商品やサービス、店舗のあり方を追求する方針です。

また、ワーキング・インクルージョンでは、人の成長こそが企業の成長であるという考えを元にして、社員一人ひとりの活躍の場を提供するという考え方になります。

エコロジカル・インクルージョンでは、環境負荷の少ない事業を推進することで、エコロジカルなライフスタイルを提案するとともに、脱炭素社会や循環型社会の実現を目指します。そして、共創経営のガバナンスでは全てのステークホルダーの利益やしあわせの調和を図るべく、ステークホルダーを含んだ経営の仕組みづくりに着手します。

このように丸井グループではサステナビリティの一環として、インパクトを実現することを目指すことが、結果として投資効率を高めることに繋がっています。

4 丸井グループの株主優待内容

丸井グループは株主還元の一環として株主優待制度を設けています。対象株主は毎年3月31日または毎年9月30日までの株主であり、時期に応じて買い物に利用可能なお得な特典が受け取れます。

なお、丸井グループでは2022年9月30日を基準日として株主名簿に記載された100株以上所有している株主への優待進呈を最後に、株主優待制度を廃止することを発表しています。これから新たに株主になることを検討している方は、注意しましょう。

4-1 ご優待お買い物券の進呈

丸井グループの株主優待制度の特典として、お買物券の進呈が挙げられます。お買物券はマルイ各店とモディ各店で利用可能であり、所有株数に応じた金額が年2回進呈されます。所有株数に応じた枚数と金額は、以下の通りです。

所有株数 お買物券(年2回)
100株以上500株未満 1枚1,000円分
500株以上1,000株未満 2枚2,000円分
1,000株以上5,000株未満 3枚3,000円分
5,000株以上10,000株未満 4枚4,000円分
10,000株以上 5枚5,000円分

所有株数に応じてお買物券の金額が上がる仕組みですが、お釣りは貰えないほか、マルイのネット通販である「マルイウェブチャネル」での利用は対象外なので、留意しておきましょう。

4-2 ご優待Webクーポンの進呈

丸井グループでは株主優待制度として、ご優待Webクーポンを進呈しています。ご優待Webクーポンは、マルイのネット通販である「マルイウェブチャネル」のお買物に利用できるクーポンであり、所有株数に応じて年2回受け取れます。所有株数に応じたWebクーポンの金額は以下の通りです。

所有株数 Webクーポン(年2回)
100株以上500株未満 1,000円分
500株以上1,000株未満 2,000円分
1,000株以上5,000株未満 3,000円分
5,000株以上10,000株未満 4,000円分
10,000株以上 5,000円分

Webクーポンは利用前にご自身で引き換え登録が必要です。引き換え登録には有効期限があり、2022年3月末の株主であれば、2023年1月31日までに引き換え登録を行う必要があります。また、Webクーポンの利用時には商品ごとに100円単位での適用となります。

4-3 ご優待エポスポイントの進呈

丸井グループではエポスポイントの進呈も受けることができます。ご優待エポスポイントの進呈は、エポスカードを持っている株主限定で、毎年1回、3月末の所有株数に応じたポイント数が進呈されます。特にエポスゴールド、プラチナカード会員は、2倍のポイントが進呈されるため、より多くのポイントを受け取れます。

所有株数 エポスポイント(年1回)
エポスカード ゴールドカード
プラチナカード
100株以上500株未満 1,000ポイント 2,000ポイント
500株以上1,000株未満 2,000ポイント 4,000ポイント
1,000株以上5,000株未満 3,000ポイント 6,000ポイント
5,000株以上10,000株未満 4,000ポイント 8,000ポイント
10,000株以上 5,000ポイント 10,000ポイント

1,000ポイントは1,000円分の利用が可能です。なお、ポイントの有効期限はポイント加算日から2年間で、Webクーポンと同じようにエポスポイントの引き換え登録が必要です。

まとめ

丸井グループはESGやサステナビリティに対して積極的に取り組んでいるほか、具体的な項目と行動目標を紹介している共創サステナビリティレポート「VISION BOOK 2050」は誰でも閲覧可能なので、銘柄選びの参考にも役立ちます。

なお、株主優待制度については、お買物券やエポスポイントの進呈が受けられましたが、2022年9月30日を基準日として株主名簿に記載された株主への進呈を最後に株主優待制度は廃止されているので、優待目当ての方は注意しましょう。

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