「ナノバイオロジーの独自技術で体外診断の新しいスタンダード目指す」沖縄のバイオベンチャーがイークラウドで株主募集へ
株式投資型クラウドファンディング(CF)サービス「イークラウド」で、第14号案件「ナノバイオロジーで診断医療の技術革新と再生医療の社会実装に挑む『由風BIOメディカル』」が10月26日午後7時半から投資申込みの受付を開始する。株式発行者の由風(ゆかぜ)BIOメディカル株式会社は、再生医療及び細胞培養、各種生理活性物資に関する技術の研究・開発を手掛ける沖縄県のベンチャーで、エンジェル税制適用確認企業(タイプA)。同社の「ナノバイオロジーで診断医療の技術革新と再生医療の社会実装に挑む『由風BIOメディカル』」は目標募集額1504万8千円、上限募集額9999万円。投資金額は9万9千円(132株)、19万8千円(264株)、29万7千円(396株)、49万5千円(660株)の4コース。募集終了は11月7日。
由風BIOメディカル社は、ナノ粒子制御に関する独自技術をもとに、体外診断薬の開発・原料製造を主力事業とする。ナノ粒子とは100ナノメートル(nm)以下の直径の粒子。1ナノメートルは1メートルの10億分の1倍。体外診断薬のほか、九州・沖縄地方で最大級の細胞培養加工施設(CPC)を活用し、再生医療関連の製造受託・開発製造支援をはじめとするバイオ医薬品関連事業の多角的な展開を図っている。産業振興施策としてバイオ・医療領域に注力する沖縄県で、2022年度のバイオ関連産業事業化促進事業に採択されており、行政施策も活用し再生医療の産業化を推進している。
CFの目的について、同社は「高齢化に伴う医療費の増大を背景に『予防医療』の意義がこれまで以上に注目されている」と背景を説明する。予防医療に欠かせないのが、健康診断や病気の特定などを行う「体外診断」のプロセスだ。体外診断は、新型コロナウイルスのPCR検査などでも注目を集める領域で、市場は急速に拡大しているという。
同社の主力事業は、ナノ粒子の表面を制御するナノバイオロジー領域の独自技術を活用し迅速・低コストな高感度体外診断薬の研究開発。現在、体外診断では「ELISA(イライザ)法」や「ラテックス凝集法」といった手段があるのに対し、同社の開発品は、イライザ法の課題だった診断時間が4分の1に短縮、ラテックス凝集法の課題だった診断感度が5倍に向上したという結果を自社実験で得た。「グローバルに展開する大手医療メーカーと提携しながら体外診断薬事業を推進し、体外診断における新しいスタンダードを目指す」としている。
調達した資金の使途は、ソフトウェア開発、理化学機器のリース、分析機器の購入など。医療経済に関心のある人、予防医療、早期診断、QOL向上など健康長寿社会の実現に関心のある人、バイオ関連産業振興を通じた沖縄の地方創生の取組みに共感できる人などに支援を呼び掛けている。
【関連サイト】株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」
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