「適切な大規模修繕工事で、組合財政も環境もサステナブルに」さくら事務所が『修繕参謀』提供開始

個人向け総合不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)や、マンション管理組合向けコンサルティングを行う株式会社さくら事務所は10月25日、マンション管理組合を対象に、大規模修繕工事の施工会社選定をサポートするサービス「修繕参謀」の提供を開始した。従来の完全サポート型の大規模修繕サポートのサービス形態に加えて、予算が少なくても専門家によるコンサルティングを受けられる。

国土交通省が2019年に公表した「マンション総合調査」では、専門家を活用しているマンションは41.8%と約4割を占め、専門家の選任理由として1番多かった理由が「大規模修繕等の実施」だった。同社は「マンションの大規模修繕は所有者の合意形成を図るだけでなく、工事費用・内容の妥当性検証や建築・設備の修繕や改修に関する専門知識が必要なため、管理組合だけで進めるのが難しいためではないか」と見る。同社に寄せられる相談でも、住戸の多い大規模なマンションに比べ、中小規模のマンションは専門家を活用したくても費用面から難しいという声が多い。

これに応え、同社では、これまで専門家がフルサポートしていた施工会社選定の作業の一部を管理組合が行い、予算に応じて、専門家を起用できるサービスとして修繕参謀を企画した。同サービスには費用面のメリットだけでなく、管理組合がより主体的に施工会社を選定できるため、専門家の知見を得ながら、大規模修繕工事のノウハウを管理組合に蓄積できるというメリットもある。管理組合が総合的に比較検討し、工事の発注先を決められるよう、専門家が協力するコンサルティングサービス。管理組合は、必要な時だけ専門家を起用できるので、予算が少ない場合でも、適切な大規模修繕工事の実施が可能となる。

同社の大西倫加社長は「大規模修繕工事は、国交省が長期修繕計画で目安とした12~15年をもとに12年周期の計画が一般的となっているが、現在のマンションはその周期を15~18年に伸長できるコンディションであることも少なくない」と指摘する。そのため、新築時の計画案通りに進めるのではなく、まず建物を診断し大規模修繕が必要な箇所や時期を検討することが、組合財政上も環境上もメリットがあるという。

そのうえで、修繕参謀は「大規模修繕の必要性や時期の妥当性からアドバイスを行い、施工会社の自由提案を審査サポートすることで、「本当に管理組合にとって必要かつ重要な工事費・内容の最適化を目指すサービス。組合予算によって参謀(アドバイス)活用頻度・内容もカスタマイズできるため、コスト削減や組合へのノウハウ蓄積にも繋がる」と訴求している。

単身世帯の増加や都市部への人口流入数の増加などを背景にマンションの数が増え続ける中、今後は建てたマンションを適切にメンテナンスして長持ちをさせることも重要となる。立地や老朽化の度合いなどに応じた適切な頻度、無駄のない修繕工事を実施することにより、管理組合だけでなく入居者や地域社会・環境面などにおいてもより良い選択となることを期待したい。

【関連サイト】さくら事務所「修繕参謀」

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