2022.11.17 マーケットレポート【ハト派への転換はまだ時期尚早か】

昨日のマーケットは株式市場は下落。特にNASDAQの下げが目立つ1日となった。

昨日はアメリカの小売売上高が予想対比いい数字が出たことや、アメリカ高官からの発言を受けて、利上げ停止観測はまだまだ早いということが示唆され、上値が重くなったか。

しかし米国債金利は短期ゾーンはそこまで変化はなく、10年金利が大幅に低下していることを考えると、市場がタカ派に大きく傾いている様子はなく、引き続き金利は一旦落ち着く方向で推移している状況。

ドルインデックスをみても引き続き上昇できない動きが続いており、ドル円は139円台で一旦下げ止まっているが、ロングで攻めにくい地合いが続いているような印象。やはり淡々と年内積み上がっていたドルロングのポジションの解消がフローとして出ているか。

欧州では12月のECBの利上げに関して0.5%に縮小するシナリオがメインになりつつあり、ECBも足元FRB合わせたようにタカ派姿勢を一旦緩めるような動きになってきている。

昨日はポーランド領内に着弾したミサイルを受けてロシアが砲撃したのかというような観測から地政学リスクが一気に高まったが、結果的にアメリカもロシアのものではないという見方をしていたり、ウクライナの迎撃ミサイルが着弾したという可能性があることから地政学リスクは後退した格好に。

ニュースとしてはトランプ元大統領が次回の大統領選に出馬を表明した。また個人的に気になったのはアメリカのウォーレンバフェット率いる投資会社、バークハザウェイがTSMCという台湾の半導体メーカーに巨額の金額を投じたことであり、元々テクノロジー株を敬遠し続けたバフェットがここにきて投資を行っていることである。足元はフィラデルフィア半導体指数の急激な反動も出ているように半導体関連は一旦底をつけたような動きが出ている中、長期的に回復するかはまだ未知数とも言えるが、長期戦略をとる同社はここを仕込みどころと考えたのだろう。

仮想通貨市場は大きな動きなく推移しており、FTXの余波がどのように出てくるのか市場は見守っている状況。

昨日は仮想通貨レンディング業者であるBlockFiがチャプター11を申請して破綻する方向になっているという報道が出ている。またGenesisが出金停止となったり、Gemini Earnで出金が遅延したりと全てがFTX関連ではないかもしれないが、影響が各方面で出始めており、不安材料は目白押しという状況。

今は仮想通貨市場に投資するのは危険かと考えており、引き続き市場の動向が安定するまでは静観姿勢とした方がいいか。

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